サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

e-hon連携キャンペーン ~5/31

hontoレビュー

ほしい本の一覧を見る

ドラウパディー みんなのレビュー

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー1件

みんなの評価5.0

評価内訳

  • 星 5 (1件)
  • 星 4 (0件)
  • 星 3 (0件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本

たまらなく熱く、強い小説。

2009/06/17 17:06

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:わたなべ - この投稿者のレビュー一覧を見る

これは傑作。なんとなく読みはじめ、疲れていたのにあれよあれよという間に読み切ってしまった。今年読んだ本ではもっとも最高に濃密で強烈な読後感が残った。作者のモハッシェダ・デビはインドのベンガル語の女性作家で、英国政府によって強盗団と認定され武装蜂起したサンタル族などの、部族社会、アウトカースト、女性などを描いた「現代インドでもっとも重要な作家」ということだが、作品を読むと、これは現代世界でもっとも重要な作家だ、と言ってよいように思う。この本は日本で独自に編集された短編集で、乳房を重要な要素として暴力とユーモアと神話と現在性とを濃密に凝縮した文章で描いた短篇三部作を中心に、インドの現代史を抑圧されたものの側から醒めたユーモアと圧倒的な語りの圧力でさらっと書いたいくつかのわりとスタンダードな短篇が収録されている。どれも面白いが、やはり乳房の三部作は凄い。口語表現や神話など先行する枠に対する態度、など、いかにも「文学的」なのだが、現実に対する透徹した批評性が軸に一貫していて、どちらかといえば閉じていく傾向にあるそれらの言語の操作性を外へと開いていくほとんど無法な熱情の量がハンパない。ノーベル賞候補に挙がっているらしいが、ぜひとも取ってもらってもっと翻訳が進めばいいなあ。こういう作品を読むと、文学も捨てたもんじゃないという気になる。もっとも、作品についてのきちんとした書誌データが解説などでまったく為されていないのはどうなんだろうとは思った。小説家のエッセーを三つも入れるくらいだったらこれから読もうとする読者に対する便宜がもっと図られていてもいいんじゃないか。ネットで検索しても詳しいデータは英語しかない。研究者さんたちもっとがんばっておくれよ!

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

1 件中 1 件~ 1 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。