紙の本
リアルで面白いが、現場は大変だろうな...
2011/11/11 14:24
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のちもち - この投稿者のレビュー一覧を見る
メジャーリーグ・アスレチックスのGMの「成功秘話」である。資金の無い球団が勝ちあがるために何をしてきたか、という内容だが、所謂「ビジネス書」ではない。野球に関する評価軸を独自のものとする。つまり一般的な打率だの防御率だの、ではなく、ましてや「主観的」な見方ではなく、たとえば「出塁率」に重きを置く、とか。つまりは「アウトにならない確率」が高い打者が有用だという見方を。一般的なメジャーリーグのイメージからは正反対だが、「四球」を選べる眼をもった打者を取る。そういう「客観的な」評価軸をどうやってもつに至ったか、そしてそれを以て成功したのかしないのか(つまり勝ったかどうか)、というのがひとつのストーリー。そしてもう一つが、そういう選手を以下に「効率よく」獲得して、効率よく放出するか、という「ビジネス」の部分。このGMは「チーム構成」という枠のみならずゲームの戦術についても、選手はおろか監督までも締めつける。これがいいのかどうかはわからないが、現実として、結果としてチームは快進撃を続ける。
表面的に数字に表れるものだけではなくて、根本的な本質的な指標を見つけ、それを軸として徹底する、というのは面白い。それに追随する他チームが現れないうちは、このチームの快進撃は続くかもしれない。しかしながら、「テクニック」部分、つまり「本質をもちながら表面に現れていない」埋もれている選手を探して、(ここからです)「安く買って」、数年後の放出時に「高く売る」という内容が、ともすればあまりに「ビジネス」であり、ドライすぎる感じはするね。GMにとっては、これも投資、ゲームであるにすぎない。人間がプレーをする、という点が少し希薄な感じ。そこまで徹底している、ということでもあるんだけど、「日本的」ではないし、野球というゲームを見ている「お金を払う人=観客」がどう見るか、という点が気がかり。「勝てばOK」であれば、NYの球団のように「金」を軸にするのと変わらないとは思うけれども。
それほどのメジャーリーグファンではないし、日本人プレーヤーが所属するか、ユニフォームのデザインが好きか、というレベルの自分としては、スーパースター以外の選手(それも含めて、だけど)と所属球団が結び付かない、という現実にどうも疑問が。出たり入ったり、というのは、どうも自分のような「古い日本人」には抵抗が少なからずあり...
読み物としては非常に面白い。「海の向こう」と考えれば「ヒトゴト」だし。でも、思いついたのは、「岩隈は確かアスレチックスにやられたんじゃ...」ということ...なんとなく合点。
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とても興味深い本だった。マネーボールとは何なのか、そしてそれを実践して成功しているさまをよくあらわしていた。ぜひ原書でも読みたいと思う。野球ファン(特に日米のプロ野球ファン)は一度は読むといいと思う。
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勝つためには一流の選手を集める、そのためには資金が必要というのが、球界の常識!
その常識をくつがえしたのが貧乏球団アスレチックス。
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この本を読んでアスレチックスファンになった。自分の信念を持ち続けた人間の成功への道だったり、マネジメントだったり、投資論だったりいろんな読み方ができますが、野球好きのビジネスマンなら、とにかく一度は呼んでみる事をオススメします。
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2004/09現在、日本のプロ野球界は近鉄・オリックス合併による大異変の最中にある。合併による球団数の減少、それに伴う選手の減少などに反発する選手及びファンを無視する球団オーナー心理を知るべくページを繰った。しかし、非常に興味深い内容だったものの、現状の参考にはならなかった。スポーツルポルタージュというよりは、むしろ経営を扱ったものと言えそうだ。ここではファン心理は云々されない。
合理的球団経営に必要なのは、確実な即戦力の雇用と、戦力外選手の有効的活用(トレード及び解雇)。即戦力の要件は「出塁率」。四死球でもエラーでも構わない。とにかく出塁できる選手がいい選手だ。本塁打率や長打率、体型や未知の可能性は考えに入れない。守備の巧拙は多様な条件によって左右されるため、判断材料にはできない。しかし、強肩選手が外野を守る場合の長打阻止は考慮に値する。冷酷な経営判断と、冷静な人材発見。ここにはより効率的に強い球団を作ろうとする人物が描かれている。プロスポーツに対する意識を大きく変える一冊である。
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「自分は野球選手に向いていない。結果につながらない才能なんて、才能とは呼べない」。選手として挫折を味わい、GMへと転進したビリー・ビーンが、「いい選手」を評価するための指標を見直し、成功を収める。ウォール街の投資家にも影響を与えた一冊。
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野球好きはもとより、ビジネス書としても良書です。主役ビリー・ビーンは、まさに切れ者であり、柔軟な発想には敬服します。
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野球、いやスポーツを見る目が間違いなく変わる。紹介されている新野球理論もすごいが、それを軸に骨太なドラマを編み上げた著者も一流だ。
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ビジネス書として売れていると知り購入。野球と言う分野でも数学的な知識をいかすことが出来るという視点から読むと楽しい。打率や防御率が良い選手を集めたからといって勝てる確率が必ずしも高くなるわけでもなく、他の視点(四球の多さ等々)がより重要であるということを理解させてくれる。これを読むといかに巨人がでたらめな戦略をとり野球解説者が的外れな論争をしているかが分かる。
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メジャーでも資金力に欠けるアスレチックスがなぜ強豪チームでいられるのか?この本はアスレチックスのGMビリー・ビーンを中心にした野球の常識に挑戦した人たちの話です。
我々日本人からみても合理的に見えるメジャーリーグ。しかし、そのメジャーでも伝統的、経験的な知識に頼り、多くのチームは科学的な方法を取り入れていません。
ビリー・ビーンは限られた資金を生かしてどう戦えばよいか、統計の手法を用いて徹底的に考察しました。すると、従来の野球の常識がいかに間違っていたかを発見するのです。
ビリー・ビーンの見つけた戦術・戦略自体、魅力的な野球とはあまり思えませんが、旧来の常識と戦う姿勢は野球ファンのみならず、ビジネスマンなどの心にも訴えるものがあるでしょう。
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2006年シーズンも見事勝ち抜きリーグチャンピオンシップにまで進出!トーマスを再生するなんざあ、ビリーあなたはやっぱり凄ウデだ!
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アメリカにある野球チーム、オークランド・アスレチックスがいかに少ない資金で勝てるチームを作るのか。その軌跡。
基本はビジネスと同じ。分析、マーケティング、優先順位などなど。そういうものを駆使して安くいい選手を揃え、勝つために必要な条件に順位をつけ、チームを運営する。
目で実力を、将来を測るのではなく、徹底したデータにより分析して将来を予測する。いわゆる「異端児」の挑戦。
基本はビジネスと同じ。
情報と分析。マーケティング。目標、そしてプロセス。それが結果を物語ったんだと思う。
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野球選手の評価に徹底したマーケティングを導入し、すくない資金でも勝てるチームを作り上げていく軌跡を描いた本。マーケティングのビジネス書として非常に面白い。
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★その後が気になる★カネがなくても強いメジャーリーグのチームを作った、アスレチックスのGM、ビリー・ビーンの哲学と行動を辿る。足が速く体つきも立派と見た目は有能だが、プロでは成功しなかった。そんな自分の体験を反面教師に、「素晴らしい選手」に対する常識を取り払って選手を選ぶ。ポイントは四球を選ぶ能力を加えた出塁率。データの徹底した分析からワンアウト2塁など状況ごとの得点の期待値を算出し、選手の評価に独自の観点を築きあげるさまは美しい。確かに、一見冴えないレッドソックスのユーキリスも07年のシーズン序盤は活躍していた。その源流となるデータマニアが米国に山ほどいるのも興味深く、また、数字を冷静に読み直すと意外な事実が見えてくることのひとつの例なのだろう。2002年のドラフト会議での興奮は魅力的に伝わってくるし、そこで選んだニコラス・スウィッシャー、ジョー・ブラントン、ジョン・マッカーディー、ベンジャミン・フリッツ、ジェレミー・ブラウン、マーク・ティーエンらの行く末が気になる。場面の描写と人物の分析の組み合わせがうまく引き込まれる。著者は『ライアーズ・ポーカー』『ニュー・ニュー・シング』も書いていたんだ。内容は思い出せないが面白かったことは覚えている。
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従来の勘や経験による野球チームの運営ではなく、データを元に客観的な視点からドラフトやトレードを行い、少ない資金ながらも強いチームを作りあげる話。仮説思考+当たり前の事をぶっ壊すという考えが勉強になる。
2008/1/22