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☆4つ半がないけど、4つ半で!
恩田陸の中でも、かなり好きな部類に入る。普通の青春小説といってしまえばそれまでだけど、ただ歩くというこの行為がどれだけ思い出に残るか考えると、小説の事ながらいいな〜と思った。ノスタルジー。
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あの一夜に起きた出来事は、紛れもない奇蹟だった、とあたしは思う。
夜を徹して八十キロを歩き通す、高校生活最後の一大イベント「歩行祭」。
三年間わだかまっていた想いを清算すべく、あたしは一つの賭けを胸に秘め、当日を迎えた。去来する思い出、予期せぬ闖入者、積み重なる疲労。
気ばかり焦り、何もできないままゴールは迫る――。ノスタルジーの魔術師が贈る、永遠普遍の青春小説。
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あの一夜に起きた出来事は、紛れもない奇蹟だった、とあたしは思う。
夜を徹して八十キロを歩き通す、高校生活最後の一大イベント「歩行祭」。
三年間わだかまっていた想いを清算すべく、あたしは一つの賭けを胸に秘め、当日を迎えた。去来する思い出、予期せぬ闖入者、積み重なる疲労。
気ばかり焦り、何もできないままゴールは迫る――。ノスタルジーの魔術師が贈る、永遠普遍の青春小説。
【感想】http://plaza.rakuten.co.jp/tarotadasuke/diary/200410020000/
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夜を徹して八十キロを歩き通すという行事がある高校。
行事の行われる1日、さまざまな思いを抱える少年少女を描く。
この行事、とても羨ましく感じた。
爽やかな印象が残る話。
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80キロを歩きとおすという「歩行祭」―恒例となった学校行事。クラスメイトの貴子と融のそれぞれの視点から描かれた最後の高校行事。融に対してわだかわりを持ったまま高校生活を終えたくないと、心の中である賭けに出た貴子だが―。
この作品で描かれるのはただひたすら「歩行祭」である。ただひたすら歩き続ける。リアルな疲労と他愛もないクラスメイトとの会話が続く。なのになんでこんなにも面白いんだろう!!
スティーブン・キングの『トム・ゴードンに恋した少女』が頭に浮かぶ。少女がただ森に迷い込んだだけの話だった。登場人物も物語全体の95%で、その少女だけだった。なのにどうしてこんなに面白いの!?下手したらいやみともとれる天才ストーリーテイラーの実力を見せ付けた作品だと思った。事件なんて起こらなくても、いろんな人が関わってこなくても、読者を引き込む作品はつくれるんだよ、と言われてる気がした。
この作品からも同じものを感じてしまったのだ。ストーリーテイラーとしての才能。高校最後の行事に「しょうがねえな」と思いつつやり遂げようとする仲間、それぞれの恋愛事情、貴子と融の微妙な緊張関係、アメリカに移住した友人の影。ただひたすら歩く二人の主人公に絡んでくるこれらの雰囲気に、めちゃくちゃ惹きつけられる。上手いね、この人。他の作品も読まなくちゃ…。
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☆☆☆☆+
恩田陸の中でも、かなり好きな部類に入る。普通の青春小説といってしまえばそれまでだけど、ただ歩くというこの行為がどれだけ思い出に残るか考えると、小説の事ながらいいな〜と思った。ノスタルジー。
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★★★★★ ★5つですー!
うむ。面白い。恩田陸作品いくつか読んだ中でも、「常野物語」と私の中で並ぶぐらい、よいですっ!
なんというか、自分の高校生の頃を思い出して、胸のあたりがむず痒くなるような、「そーそー、こんなこと思ったりしてたー!」と悶えるような、そんなセリフや心理描写。確かに主役クラスは、北村薫の「私と円紫師匠シリーズ」の主人公“私”ような、なんとなくの非現実感があるキャラだけど、脇のキャラ設定が非常に秀逸。あーこんな女いたなー、とか思っちゃうワケですよ、遠い目なんかして。
きっとこの本って現役の高校生が読んでも、面白くないんじゃないかしらん。微妙に今時の高校生像からは離れていると思うし、ある意味小説的なというかフィクションっぽい設定がされているし。高校時代がすっかり思い出になっちゃった年代が一番楽しんでしまえる気がいたします。
この、終わった後が知りたいんだよぉー、続編はないのかよー、と思わせられるのは恩田作品の特徴なのでしょうか。前出の「私」のように、彼らの大学生、社会人と成長していく様を見届けたい気分でいっぱいです。
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甲田貴子と西脇融(とおる)は、異母きょうだい。遠く離れて暮らしていたはずの2人は、同じ高校に入学し、3年で同じクラスになってしまう。
北高では、修学旅行代わりの鍛錬歩行祭が毎年ある。
1200人の全校生徒が、80キロの行程を朝の8時から翌朝の8時まで、夜中に数時間の仮眠をはさんで、一日がかりで歩きとおすというものだ。
前半はクラス毎に、そして後半は自由歩行になっているため、仲の良い者どうしで語らいながら、高校時代の思い出創りに励む。
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これは大好き。お得意の学園モノ。登場人物の設定がまたもや美男・美女揃い。しかも全員すごぶる個性派。微妙な血縁関係をキーに物語は進みます。学校最後のイベントの中で友人や家族の愛情が徐々に明らかにされてゆく暖かな物語。お勧めです。
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夜を徹して80キロを歩き通すという"歩行祭"、とある高校の行事。この日、1つの賭けをした少女がいた。少女は、賭けに勝つか負けるか、その後はどうするか考えながら、歩いていく。 修学旅行の変わりにある歩行祭、どこかでこの設定を読んだ気がする。ちょっと検索をかけてみたら『図書室の海』にこれのプロローグとして「ピクニックの準備」があるとのこと。この作品読んだけどこれじゃない気がする。確かかどうかわからないが山口美由紀の『V-K☆カンパニー』のエピソードにあったような、違う作品だったかな? だけど、誰かの漫画だったような気がする・・・と、そんなことはどうでもよくって、この作品、恩田さんには珍しく怖いことも変なことも起こらず、ただ、青春の真っ只中にいる少年と少女の情景を綴っており、読後に爽やかさをもたらしてくれるいい作品でした(^^) 「ピクニックの準備」も読み直してみよう。
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私の大好きな恩田陸さんの本領発揮!!って感じの作品です。実はまだ最後まで読んでいないんですけれども...誰も死なないミステリーって大好き♪
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『図書室の海』で予告がなされていた「歩行祭」の一夜の物語である。
普段体験することのない肉体の疲労感と精神の高揚感のなか、それぞれが自分なりの決着をつけようと臨んでいるのが まさに高校生 という感じで羨ましくもある。通常ならば見せない顔を見せ、虚飾を取り去ったところに残るものは このあとの人生に於いても大切なものになることだろう。
物語の筋とは直接関係はないが、《 何かをしてあげる プラスのやさしさと、何もしないでいてあげるマイナスのやさしさ 》という言葉が心に残った。
ただ歩き通すだけ というシンプルな行事の持つ意味はとてもとても奥の深いものなのだ。
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青春小説の秀作。全校生徒が一昼夜かけて約80Kmをひたすら歩く「歩行祭」という特別な時間・空間環境を設定することで、高校生達の友情、葛藤、微妙な心のゆらぎなどを凝縮した形で鮮やかに描くことに成功している。キャラクターがややきれいに形作られすぎているきらいがあり(今時の高校生というリアル感には欠ける)、同時代の人間の支持がどこまで得られるかはわからないが、逆に年齢を経た読者ほどノスタルジックに感情移入できるのではないか(私もその一人)。ちなみに、本書の「歩行祭」のモデルになっているのは著者の母校である茨城県水戸一高の「歩く会」。実際に一昼夜かけて約75Kmを歩く名物行事らしい。
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恩田さんの作品らしい、限定された空間と時間の中で繰り広げられる物語。
歩行祭前の心境や、疲労のピークにさしかかった時の状態が、濃やかに描かれている。そのどれもが思わず頷いてしまう経験のある心情で、マラソンを走っているときのあのいや〜な疲労感を思わず思い出してしまった。(苦笑)
貴子の性格は、自分に置き換えられる点も多くて、「何か言われても、暫く経ってからだんだん腹立ってきたりするの。しょっちゅうだもん。『そういうえば、あの時なんだかひどいこと言われたような気がする。畜生、ひどいこと言われた』って。」という言葉には、思わず笑ってしまった。わかるよ、私も反応マンモスだから!と思って。(笑)
「図書室の海」には、この話の予告編の「ピクニックの準備」が収録されてたと思う。そっちを読んでからの方が期待は増す?かな?(曖昧な・・)
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目的地に向かって一日中歩き続ける歩行祭。 精神的・体力的疲労が細かく書かれていて、マラソンなんかした時の自分と共有できる部分が多々あった。
貴子の’賭け’は何となく想像できてしまったので、もっと意外な展開があったらよかったかも。