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東直子さんの短歌と 木内達郎さんの絵のコラボレーション。
ことばで書かれたこころと
こころで描かれた風景を
そして
ことばのまわりに漂う物語を
あなたのことばで感じ取っていただければ
とてもうれしいです。
と、東直子さんのあとがきの結びに書かれている。
ほんとうに、ことばで書かれたこころと こころで描かれた風景が、着かず離れずの関係で並び立っているのが心を和ませてくれる。
いちばん好きだった一首はこれでした。
ひさしぶりのさよならですねゆく街のゆくさきざきで君がゆれてた
読むたびに違う表情で語りかけてくるような一冊でした。
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水をあゆむように夜の道をゆき過去をふたりでつなげてあそぶ
やさしすぎるパパのまなざしするひとにさようならと言えそうでした
中央線、南北線に東西線、どこへもゆけてどこへもゆかず
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「愛を想う」ことっていうのは、陽だまりのようにあたたかく、ついうとうと眠くなってしまうとだけ思っていたのだけど、ぼっかり空いた穴にはまらない寂しさみたいのも伴う、と思った。この東さんの60首の愛の歌には、相手よりももっと向こうにある漠然とした何かに向かってる気がして、そのもっと向こうの何かってその実自分の影かもなって思うと、ぼっかりついでにまた寂しくなる。とても好きだ。
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うーん?
私には、いまいちピンとこなかったな。
奥が深いのか、価値観とズレているのか。
いずれとも、わからない。
でも、短歌はいいなぁ。(最近の個人的ムーブメント)
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ハルニレのあの丘にきてふりかえる犬はどんなにさびしいだろう
あかいあかいゆうひのなかにだめになりそうなあなたがいそう、いそうだ
走りすぎて痛かった胸なぐさめる目をあけたまま空を消したい
ここで泣いた。思いだした。生きていた。小さな黒い虫になってた。
-愛についての切れ切れの想いを女性歌人とイラストレーターが
形にしました。
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書籍は絶版になっているようで「こんな素晴らしい本が、ありえない!」と思わず憤慨してしまいましたが、kindle版があるとしってほっとしました。
短歌も、イラストも、素晴らしい!
こんなに透明感溢れていてこんなにも大人の心情を描けるだなんて、なんという素晴らしい作家さんだろう、東直子さん、、、とうっとりしてしまった。
結構、たわいのない(高校時代のおしゃべりのような)シーンが描かれていたりするのですが、それも、彼女の手にかかると、なんともあまずっぱく、それでいて、確かで、しばし、その世界に浸っていたくなる。
怠惰なる少女じわじわ涙する「たましいなんて欲しくなかった」
例えばそんな作品にふくまれた、なんという濃密な情景よ。
彼女の眼差しを羨ましく感じた。
是非、読んでほしい。そんな一冊です。
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http://blog.livedoor.jp/for_tomorrow/archives/cat_50111.html
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私の中で、東直子さんと木内達朗さんは、それぞれ、穂村弘さん繋がりで、更に興味を持ち(『短歌という爆弾』と『あかにんじゃ』)、本書は『愛を想う』をテーマに、東さんの短歌と(アンソロジーかと思ったら全て新作)、木内さんのシンプルながら、奥行きのある、ビビッドなイマジネーション溢れる絵が合わさった、贅沢なコラボ歌画集となっております。
私の印象的だった歌をいくつか。
灯るものひとつを提げて夏の夜もうそれだけで血があたたかい
焼きたてのレモンチキンにナイフ入れじわりと思う、思うのでしょう
家族とは修羅でしかない日々ありて軟部に石鹸こすりつけてた
わたしすぐに死ねって思うし口にするから川をみにゆかなくちゃ
パイナップルの煮汁のような汗まとい好きも嫌いもなくここにいる
かわくとき
少し反るのが
いとおしく
サンドイッチを
はさむてのひら
伝わらぬことばが焼けて湯の中の裸の肌が痛がっている
目の奥に夜をおさめてやさしかった真昼のことを胸にとかした
身体はいつかなくなるからきれい、きれいになれる、心配ナイね
水が水の重さかかえて落ちてくる冗談だけが人生でした
手をふっていたのでしょうかほのほのと変わらぬ場所に花をおとしぬ
私の中で、東直子さんの歌は、グサリと胸に留まり、思わず抱きしめたくなるような言葉を、きっちり57577の型に纏める印象があったのですが、ここでは、破調もあり、やはりその歌人の見ているものの心の形に、惹かれるものを感じさせられ、切なくなります。
それから、印象的だったのが、東さんのあとがきで、分からなくても想い続けることの意義に、人間らしさがあるように思われた事が、私には、とても励みになったので、その一部を掲載いたします。
いろいろなできごとの中で
愛について想ってきました。
考えてきました。
けれどもいっこうに
愛というものがなんであるか
わかりません。
考えれば考えるほど
想えば想うほど
いよいよ
わかりません。
わかりませんが、ずっと
想い続けるでしょう。
愛を想う生き物に
生まれたのだから。
《余談─本書とは全く関係ありません─》
愛を想うというのは、分からない。
しかし、そう思うとともに、何か考えたいという気持ちも沸々と湧いてきて・・・性懲りもなく、また作ってみました(^^;)
本当に何なんだろう。
左肩触れた指先散り散りにされた追憶集め始める