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クライム・マシン みんなのレビュー

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みんなのレビュー32件

みんなの評価4.2

評価内訳

4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本

外れの作品がない短編集、凄すぎる!!。

2006/09/05 18:59

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「このミス」の昨年の海外部門の一位です。
晶文社のこのミステリのシリーズは、地味ながらどれも毎年毎年高順位を記録しています。
 (「ヨット・クラブ」「瓶の中の手記」「誰でもない男の裁判」等、、)
 期待して読んでみたのですが、これが、本当に素晴らしい!!。
普通、短編集って表題作が一番面白くて、何編かは、あれ、これオチが判らないよ、、。
とか、なにが面白いのかよく判らなかった、というのがあるのですが、
 本書「クライム・マシーン」は、どの作品も面白くて、
作品の打率が高いです。

 ジャック・リッチーって本当に短編の名手ですね、
基本は、短編でありながら、ドンデン返しがある、コン・ゲームというか、
騙しあいの要素が強いです。
 で、読者が吃驚の結末というか、オチで、読者をあっと言わせます。
 それと、もう一つ触れるべきは、表現スタイルの削り削られた文体です。
巻末の解説にあるのですが、二つの文章で書かれた簡単な短編で
リッチー曰く「まだ、削れる」と。
 個人的面白かったのは、
勿論、タイムマシーンを扱った表題作の「クライム・マシーン」も
そうなのですが、
その次の作品の「ルーレット必勝法」ですね。
この作品は、ラストのオチとかじゃなくて、賭博で勝ち続ける男が
胴元(カジノの運営者)を脅すというアイデアとそのカジノの必勝法に驚かされました。
 で、それに吃驚しているうちに、ラストの仕掛けが待ってました。
 「このミス」の一位って高得点を得たというより、
(実際は集計結果そうなったのですが)
 たくさんの人から、点を得た本が一位になることが多くて、
割と大衆受けする”大掴み”の作品が一位になることが多いのですが、
 本書は、本当に面白かったですね。

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紙の本

素晴らしきかな、ジャック・リッチー(カーデュラとターンバックルを除いて)

2007/10/17 09:17

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:APRICOT - この投稿者のレビュー一覧を見る

ジャック・リッチーとの出会いは、小鷹信光編の「詐欺師ミステリー傑作選」。「詐欺師…」の前半は、軽妙洒脱で痛快で、ひねりの効いた話がそろっていて、とにかくおもしろかったが、リッチーの『転職への道』は、着想のスマートさで特に印象に残っている。そのリッチーの短編コレクションである本書が発行されたと知り、小躍りして喜んだ。だが高価なハードカバーなので、図書館に入るまで待とう…と思っているうちに忘れてしまい、今になってやっと読んだ次第。文庫か新書なら即買っただろうに。(以上の文章は、A・H・Z・カーの短編集「誰でもない男の裁判」の書評の前半とほぼ同じだが、実際に同じような事情なので、ご容赦いただきたい。)
.
期待に違わず、とてもおもしろかった。読みやすい軽快な文体、気の利いた着想、スマートな切れ味と、手放しに楽しめる。後味が悪い話が全くないのも、作者のセンスの良さを感じさせる。まさに小粋と言うにふさわしい。ジャック・リッチーは最も好きな短編作家の1人になった、と言っても過言ではない。
.
だが残念な事に、後半は迷刑事ターンバックルと、超人探偵カーデュラを主人公にしたシリーズ短編が6編も続く。おもしろくない事はないが、ユニークさが際立ちすぎて、切れ味はイマイチ。非シリーズ物に比べると、どうしても見劣りすると感じてしまう。ターンバックル物を1編、カーデュラ物を1~2編に減らして、その分非シリーズ物を増やしてくれたら、まちがいなくもっと高い得点を付けただろう。

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紙の本

もっと他の作品も読みたい……できたらもう少し廉く文庫かなんかで(笑)

2009/05/09 05:49

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

2006年の宝島社「このミステリーがすごい!」海外部門で堂々1位に輝いた,でも実は1983年に亡くなっている米国人作家の短編集。

巻末の解説にもあるように,「マンハント」,「ミステリマガジン」,「EQ」などのミステリ誌に350編を超える短篇小説を発表しているにも関わらず,生前に出版された著書はたった1冊だった。この「クライム・マシン」は2005年に初めて出た邦訳本。以前2冊目の邦訳,「10ドルだって高すぎる」を読んで気に入ったのでこっちも買ったわけ。

その作風をヒトクチで言えば「星新一がミステリを書いた感じ」かな。たとえばあなたがすご腕の殺し屋だとする。ある日男が一人訪ねてきて,あなたが人を殺すのを目撃した,という。目撃者はいなかったはずとあなたは思うが,男の話は実に具体的でその場で見ていたとしか思えない。疑うあなたに男はとんでもないことを言いだす。実はワタシはタイムマシンを持っており,新聞でその事件を知ってからその日その場所にタイムマシンで行ってそれを見たのだ,と。もちろんあなたはそんなヨタを信じやしないが,男が重大な証人であることに変わりはなく……と,これが表題作「クライム・マシン」の導入部である。

かなり昔,吉行淳之介が編集した「奇妙な味の小説ー現代異色小説集」というアンソロジーがあったが,どれ1本採ってもあれに収録されておかしくない出来である。表題作の他,MWA賞受賞作である「エミリーがいない」なども傑作だが,ある特異な事情を持つ私立探偵カーデュラが活躍する連作が実になんとういうかオレのツボである。もっと他の作品も読みたい……できたらもう少し廉く文庫かなんかで(笑)。

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紙の本

「歳はいくつだ」は特にお勧め

2006/12/11 20:49

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る

既に物故者の著者が主に70〜80年代にかけて発表した17の短編を集めたアンソロジーです。それぞれの作品は犯罪ミステリーというよりはユーモア犯罪小説という毛色のものです。ですからまじめに考えるとそんなわけあるまいという都合の良い結末がほとんどですが、それでもヒネリのきいた奇妙な可笑しさをクスクス笑いながら味わえる小品集です。

 表題作「クライム・マシン」では、ある殺し屋のもとへ「タイムマシンに乗ってあなたの殺人を逐一見ていたよ」と言う男が訪ねてきます。誰を何時にどうやって殺したかを詳細に語ってみせる男の言葉に、そのタイムマシンを手に入れたくなった殺し屋。本当にタイムマシンは存在するのか…。
 その結末に私は実に小気味良く騙されました。

 続く「ルーレット必勝法」もコン・ゲームとしてはなかなか良くできています。カジノで毎夜のようにルーレットにかけ、最後は大量のチップを現金化して帰る男がいる。彼はカジノの経営者に「私の必勝法を使えばあんたの店は商売あがったり。だから週に千ドル払ってくれることを条件に二度とこの店には来ないと約束する」と迫ります。そのルーレット必勝法とはいったいどんなものなのか…。
 カジノ経営者の主人公の訝しげな気持ちに歩調を合わせながら見事に騙してくれる作品です。

 しかし私が最も気に入った作品「歳はいくつだ」だけは、笑えませんでした。それはこの作品にユーモアが足りないという意味ではありません。私の心のどこかに、この物語の中で殺人を繰り返す主人公に強い賛意をおくりたいという気持ちが沸き起こったからです。殺人を肯定するような気持ちは許されるはずもないのですが、私のみならずおそらく多くの読者がこの殺人鬼に共感を覚えるのではないでしょうか。そんな我々の心の脆さを見透かされてしまったようで、なんとも落ち着かない気分にさせられます。そんな見事な構成を持つ作品です。

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