紙の本
豊穣神と、商人と。
2007/01/09 14:58
13人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:放浪紳士 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一人で行商をして七年。
二十五歳の行商人ロレンスは商売のため、荷馬車に乗って世界を回っている。
商売の為に寄った村での祭り。
荷物にまぎれていた少女。
その少女は、この辺りの豊作の神と同じ名前、『ホロ』と名乗った———
電撃小説大賞にて銀賞を勝ち取った作品。
馬車を操る行商人ロレンスと見目麗しき少女ホロとのお話。
第三幕終盤から始まるロレンスの儲け話はかなり作りこまれており、よくある『お宝で一稼ぎ』のような薄っぺらい話ではなく、地味ながらも納得がいく話であるのが好印象。
敵に捕らわれたホロ、それを助けたいが為に走るロレンス。
最初はホロのことを疑っていたロレンスが段々と信頼し、旅のパートナーとしていく。
ホロを救出して脱出するシーンにてホロが見せた『狼』としての一面を目の当たりにしたロレンスは、ホロに脅えてしまった。
そのロレンスに対して取ったホロの行動は、とても切ない。
ホロの為に叫ぶロレンスの姿が、行商人などではなく一人の女性を想うヒーローのように思えたのは私だけではないはずだ。
ラストのオチは『お約束』のオチではあるが、これこそが最高のオチであろう。
特に最後の一文には「やってくれる!」と言わざるを得ない。
最後の最後の一文も読めていたが、それでもこの物語を締めるのには最高の一文だった。
正直、この物語を書評するにあたって自分の文章が心配でならない。
私の文章などでは到底著せない面白さが、この本にはある。
紙の本
独特の世界観と「二人芝居」の妙が孤高の作品
2009/07/07 00:10
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
今更のレビューでスミマセン…。
アニメ見てからのレビューでスミマセン……。
これまでずっと枕元に積んだままでスミマセン………。
読了しての第一印象は「なるほどねぇ~、こりゃ人気出るわ~」といったもの。中世っぽいファンタジーな舞台、行商人という職業と経済的視点、ロレンスとホロの二人芝居。ライトノベルらしくてライトノベルらしくない独特の世界観が第1巻にして孤高の域にある。前半こそ文章に若干の気負いが感じられるものの、ロレンスとホロの交わす会話が何とも小粋というか、賢狼とはいえ少々物分かりが良過ぎる気もするホロに手玉に取られるロレンスという構図が実にナイスである。商人らしい考えと行動が最後まで続くストーリーに、2人のラヴともライクとも付かない微妙な関係が折り重なるドラマティックな展開に引き込まれる。「香辛料」が意味するものの由来も面白く演出されており、この2人の駆け引きを含んだ今後の道中が大変楽しみになってくる。挿絵に賛否あるようだが、これはこれで作品世界を上手く表現していて悪くないのではなかろうか。
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電撃小説大賞銀賞受賞作。初めは描写というよりも説明と言う感じだし、大嫌いな簿記の用語が出てきたり、すごくとっつきにくかったです。でも中盤辺りから、だんだんと“読ませてくれる”小説になり、ヒロインであるホロの性格も最初はあまり好きじゃなかったけど、終りにつれて良さと悪さが分かり可愛く見えます。やや展開が遅い気もしますが、こういう作品はそういうところもいい所だと思います全体的に見ると綺麗に纏まってるし、終わっているように見えました。すっきりまとまっているので、これはこれで終りにしてもらって、新しい作品を見てみたいです。最初の印象が悪いため☆二つマイナスですが、全体的に見れば中々のもの。
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「最後の締めがすばらしい」と紹介されて読んだら、本当にその通りでした。
最後の一文だけで「そういうことか!」と…。
特に時代を限定しているわけでは無いのに、世界の設定が綿密に練ってある所は偉いと思う。
そしてホロが嫌味なく可愛いw
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パラダイムシフト。
中世ヨーロッパ風経済小説です。
ファンタジーっ気がほとんどない。
戦争やら何やらを扱うわけでもない。
まったりした話ともいえない。
それでもここまで話が盛り上がるのは開眼的だった。
……というより、このジャンルで経済小説(経済ネタ)が成り立つのが驚き。
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人気作品ってことで結構期待して読んだんだけど、ソコまで言うほど面白くなかった。(つまんないということではなく)
世界観はすき。
賢狼ホロと行商人ロレンスの二人旅物語。
キャラはいいけど、経済の話はつまらんし意外と大したタネはないし(考えるのは大変だろうけど、読む方はふぅ~ん。程度だと思う)、キャラ同士の掛け合いの面白さはあるけど、それなら西尾維新の方が断然面白いしなぁ。なぜこんなに人気があるのかちょっと不思議。
アレか?耳とシッポが生えてるからか?
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電撃文庫で銀賞らしいです。でも読んだのは人に薦められてからなので4巻がでてからです。時代背景は中世ヨーロッパ風。近代科学と古い迷信がいりまじった混沌期。まさかライトノベルでこういう話が成り立つなんて思いませんでした。剣も魔法も出てこないで、金のやりとりで話が進んでいく。唯一ライトノベルのファンタジーっぽいは賢狼・ホロか。
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ページ数の割にかなり読み応えあります。商売のやり取りの臨場感、ホロとのニヤニヤなやり取り、まったりな時間の描かれ方などなど…著者の文才が光る作品ですねぇ。(06/5読了)
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行商人ロレンスは、麦の束に埋もれ馬車の荷台で眠る少女を見つける。少女は狼の耳と尻尾を有した美しい娘で、自らを豊作を司る神ホロと名乗った。
「わっちは神と呼ばれていたがよ。わっちゃあホロ以外の何者でもない」
老獪な話術を巧みに操るホロに翻弄されるロレンス。しかし彼女が本当に豊穣の狼神なのか半信半疑ながらも、ホロと共に旅をすることを了承した。
そんな二人に思いがけない儲け話が舞い込んでくる。近い将来、ある銀貨が値上がりするという噂。疑いながらもロレンスはその儲け話に乗るのだが−−−。
第12回電撃小説大賞<銀賞>受賞作!
ホロが可愛い!
商人の駆け引きとか面白くて、何よりライトノベルという分野での経済小説は斬新。
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中世風ファンタジーに、為替とか先物取引とか貨幣経済が絡んでくる異色作。会話をみんなが裏の裏まで読みながら進めるので、特にそこが面白い。話の流れは素直でした。現代の社会人はみんないわゆるこの話の商売人に共感するんだろうと思いました。中学生くらいで勉強するレベルのちゃんとした経済の話が絡んでくるので勉強にもなりました。主人公のロレンスとホロはずっと控えめにいちゃいちゃしてた。
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賢狼ホロと行商人ロレンスの旅。
ホロがとても可愛い。
1-4まで読了。
07'8'26
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ファンタジーなのに戦士や魔法使いなどの冒険譚じゃなく視点に置いたのが商人。旅から旅の行商人ロレンスの前に現れた、麦に宿る豊作の神、賢狼ホロ。互いの利害が一致し、二人は一緒に旅を始めることに。
商売の駆け引きや男女の駆け引き、さまざまな言葉のやり取りが軽快で、実にリズミカルな作品。
しっかりとした起承転結も読み手をはらはら、どきどきさせ、がっちり読者を掴んで離さない。
電撃小説大賞2006年銀賞受賞作、今後が非常に期待できるシリーズ。
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楽しくドキドキしながら読める作品。
武器も魔法も出てこない、商人が主人公のファンタジー小説は、斬新で面白かったですv
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行商人ロレンスと豊穣の神である賢狼ホロが共に旅をする話。
ホロは狼の姿になったあと、どうやって服を見つけたのかが謎。
北斗の拳でケンシロウが服を破いた後にどうやって服を見つけているのか、と同じような疑問。
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FT世界の地味な部分にも目を向けてたのがこぼれ話的なおもしろさ。展開自体はすごく素直。どーでもいいけどロレンスの絵はもっとおっさんの方がいい。