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おじいちゃんのごくらくごくらく みんなのレビュー
- 西本 鶏介 (作), 長谷川 義史 (絵)
- 税込価格:1,430円(13pt)
- 出版社:鈴木出版
- 発売日:2006/02/01
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紙の本
おじいちゃんと孫の男の子の毎日のふれあい、別れ。家族の表情も素晴らしい傑作絵本。
2010/08/27 13:45
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:月乃春水 - この投稿者のレビュー一覧を見る
おじいちゃんといっしょに暮らす男の子とその家族の物語。
第53回青少年読書感想文全国コンクール小学校低学年の部の課題図書です。
両親と、おじいちゃんと4人家族の男の子、ゆうた。
おじいちゃんとはとてもなかよし。おじいちゃんは毎日、園のバスが停まるところまで来てくれる。おもちゃも手作り。お風呂でも寝るのもいっしょ。
おじいちゃんのそばから離れないんです。
いつもにこにこ顔のおじいちゃん。ゆうたとお風呂に入って、いつも言うのが
「ごくらく ごくらく」ということば。
ごくらくって「しあわせな きもちに なることだよ」と
ゆうたの疑問に答えるおじいちゃん。けだし名言です。
お風呂の中でのふたりの会話がとてもいい。山の温泉の話をするんです。
お風呂場には鏡があるのですが、ちょっとしたしかけがあって…鏡の中にうつるお風呂は温泉になっていて、さるもいる!頭の中の想像がうつっているんですね。
三男(当時4歳)はすかさずこれをみつけ、「マジックだね」と喜んでいました。
そんな温泉行きもおじいちゃんが病院に行くことになり、中止に。これまでとうってかわった表情のおじいちゃん。
おとうさん、おかあさんの表情にはこれから先がどうなるのか、すべて表れています。
真実を知ってしまったおとなの苦悩が…
おじいちゃんとのやりとり、そして別れ。
「おじいちゃんは ほとけさまのくにへ いってしまった」と表現されています。
三男は「おじいちゃん、死んじゃったの?」
死は、避けては通れないもの。別れはほんとうにつらい。
絵本を通じて死を知る、感じることは、悪いことではないと思います。
それにしても、長谷川義史さんはすごい描き手だと再認識。
表情だけで伝えることは、そう簡単にはできないでしょう。
全体的に暖色で描かれた家の中やお風呂の様子も、家族の温かさを象徴しているようで、素敵です。
カバーの袖に書かれた作者の西本鶏介さんの文「ごくらくは幸せの合言葉」もとてもいい。
何度読んでもじーんとしてしまう傑作絵本です。
子どもを通じて、おとなになってからこの絵本に出会えたよろこびをかみしめています。
本についてのよもやま話。 <ブログ> 本のことあれこれ
紙の本
おじいちゃん子がうらやましい
2016/09/18 08:13
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
世の中には、おじいちゃん子、おばあちゃん子というのは確かにいる。
私は生まれる前におじいちゃん、生まれて間もなくしておばあちゃんを亡くしているので、おじいちゃん子たちの心理というか境遇というか、全く理解できないのだが、なんとなく残念でしかたがない。
おじいちゃんがいたら、おばあちゃんがいたら、何を教えてもらえただろう。
目下のところ、自分がおじいちゃんになることも予定はないから、自分の人生でおじいちゃんやおばあちゃんはうんと遠い。
だからだろうか、こういうおじいちゃん子の男の子を主人公にした絵本を読むと、うらやましい。
この作品ではおじいちゃんが口にする「ごくらく」という言葉を鍵語にして、男の子はおじいちゃんの死に直面することになるのだが、死んでいく順番でいえば初めて目にする肉親の死はおじいちゃんおばあちゃんのものだろうが、私はそれすら経験せずに大人になってしまったのだ。
なんだか、大事なことを学ぶことが随分遅くなったような気がする。
この作品に出て来る「ごくらく」は漢字にすれば「極楽」ということになるだろうが、こういう言葉は現代のおじいちゃんやおばあちゃんは口にしないのではないかしら。
つまり、現代のおじいちゃんおばあちゃん世代は自分とあまり年齢が変わらないはずで、さすがに私は「ごくらく、ごくらく」などとは呟かない。
孫の世代にあの世のことを伝えるのも難しい時代なのかもしれない。
紙の本
おじいちゃんとゆうたの愛情
2021/10/26 20:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まる - この投稿者のレビュー一覧を見る
おじいちゃんがいつもそばにいて、母よりも父よりもやっぱりおじいちゃんとお風呂に入りたいというゆうたの愛情と唯一無二の信頼感に育まれた仲が、とても羨ましいです。
「ごくらくごくらく」とは、よくあるおじいちゃん語と思っていたのですが、お話を読み終えてまた開き直すと涙が溢れてきました。
それはお湯の湯加減の温かさだけでなく、丁寧に介助してくれる家族と共に過ごせるそのひと時を感謝するおじいちゃんの心の声が漏れているのだと思えたからです。
長谷川さんの描く細やかな表情、濃淡、じいちゃんを支える腕などに家族の愛を感じ感動しました。