紙の本
あなたも5人目のギャングになったつもりで読んでほしい。
2006/05/15 23:08
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白くて当たり前。
ここ数年、直木賞候補の常連にのし上がって来た伊坂さんに対して私たち本好きの期待は膨らむばかり。
伊坂作品も10作以上となった現在、エンターテイメント性においてこのシリーズに勝るものはないと思われる。
第1章のギャングメンバーそれぞれのエピソードが素晴らしい。
タイトルもそれぞれ洒落ていて読者にとって教訓的。
日頃の仕事振り(たとえば成瀬の公務員姿)などが垣間見られ、読者にとって意外な一面が演出されている。
この各エピソードが第2章以降に勃発するある事件に絡んでくるという展開。
期待に胸を膨らませて読んだのだが・・・
ニュアンス的には前作は“痛快かつ爽快な作品”、本作は“痛快だけど爽快とはいいがたい作品”なような気がします。
なぜなら、軽妙洒脱な会話とストーリー展開の面白さが伊坂さんの魅力の2本柱なんだろうが、今回は後者においては少し平凡かなと思います。
ただし、他の作家と比べて言ってるわけじゃありません。
たとえばクドカンが書いた脚本と他の脚本家とのそれは比べにくいでしょう。
伊坂さんの場合、読者の好き嫌いは別として他の作家と比べられる段階じゃない(少なくとも同じようなジャンルの作家においてでは)と思われます。
もはやそういうレベルじゃない。
そのことが私のレビューの大前提です。
ちょっと伏線が多いというかひねりすぎているような気がしないでもない。
その結果として第1章が素晴らしすぎて第2章以降、落胆された方も多いんではなかろうか。
第2章にてお得意の銀行強盗が勃発、饗野の演説も堪能。
ただ第1章同様メインとなる話への伏線。
後の騒動はどちらかと言えば、スリの名人・久遠と演説の達人・饗野が中心。
ふたりの会話はとにかく面白い、これは前作以上で饗野のボケキャラがすこぶる心地よい。
問題点はここからである。
人質となった娘を取り返すところがポイントだったわけだけど、当の本人があんまり誘拐されている緊迫感がないのと、どちらかと言えば悪人の娘として登場している部分が読者にとってマイナスイメージだったような気がする。
前作の地道さんのようなハッとさせられるキャラの方が魅せられるかな。
いずれにしても、ギャングにつきものの仲間内において“軽い騙しあい”はあっても“裏切り”がなかったのが物足りなかった大きな要因のような気がする。
でも身構えて読んだつもりでも、柔道部員が出てくるシーンは面白かった。
あと前作から出てくるキーワードである“ロマンはどこだ!”のロマンについて自分なりの考えを記したいと思う。
銀行強盗を颯爽とさりげなく行う4人組に対してのスマートなフレーズなんだろうが(もちろん読者受けするということも踏まえて)
私的にはたとえば、前作で雪子が地道に対して持った助けてやろうという気持ちや、地道がパチンコ店に息子を助けに来た気持ちに大きな“ロマン”を感じたのである。
それに比べると、本作は全体的に希薄で安易なような気がする。
あと惜しいと思われるのはまぬけな誘拐犯2人の後半の行方が描かれていない点と誘拐された娘の父親(チェーン店社長)の存在感の無さ。
私って贅沢な読者なのかな(笑)
意外と辛口となったが、現在人気ナンバーワン作家と言って過言ではない伊坂氏の作品が新書版で読めるというのは嬉しいことだ。
普段、図書館で借りられてる方も財布の紐が緩くなって買われた方も多いのだろうと思う。
版元である祥伝社さんと伊坂さんのサービス精神を称え、本屋に直行して伊坂ワールドにどっぷりつかって欲しい。
なにっ、買わなきゃ久遠さんに財布掏られそう(爆)
久遠さんが言ってるよ。
「たくさん買えばまた強盗します」って・・・
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『陽気なギャングが地球を回す』の続編。元々ばらばらに発表した短編に手を加えて本にしたというのだから驚き。
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前作同様に非常にテンポが良く、キャラが元気!
ストーリはオチの予測がついてしまうものの、勢いで読まされてしまう感じ。
久遠、ほんとに天才じゃないですか?
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あーーーー出たんだね。欲しい!陽気なギャング(5月13日〜映画スタート!)の続編です。映画どうなんだろ・・個人的に響野のイメージが全然違ったなぁー(もっと細身の美形かとおもってt(殴))
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またやってくれましたよー伊坂さん。
なんておもしろい…!
やっぱり陽気な〜シリーズ最高。やっぱゾンビズシリと並んで今までのなかで1番な小説だわ。ギャングシリーズ。
最初の各個人のショートから、書き下ろしにつながる。
いくつも伏線がちりばめられてて、やっぱりおもしろい。
色々「あ、これ最初にあったな」とか思ったりするのが楽しかった!
やっぱ久遠くんだいすき。響野さんだいすき。雪子さんだいすき。成瀬さんだいすき。
ロマンは何処だ!!
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映画公開されましたね。
『陽気なギャングが地球を回す』
その続編です。
続編だけに前作読んでないと楽しめません。
しかも前作のほうが面白かったです。
ただ、陽気なギャングの4人それぞれに焦点を当てた
短編は面白い。サブストーリーな感じで。
あっなるほどーってやつが少なかったなー。
残念。
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人間嘘発見器成瀬が遭遇した刃物男騒動、演説の達人響野は「幻の女」を探し、正確無比な“体内時計”の持ち主雪子は謎の招待券の真意を追う。そして天才スリの久遠は殴打される中年男に____
史上最強の天才強盗4人組が巻き込まれたバラバラなトラブル。だが、華麗なる銀行襲撃の裏に突如浮上した「社長令嬢誘拐事件」と奇妙な連鎖を始め…。
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相変わらず上手いですね。最後の成瀬にはヤラレタな感じでした。ただ今作、2巻目ということかやけに気合が入ってるように感じました。いや、いい事なんだけどね。伏線が多過ぎると思うような思わないよな。若干こんがらがったような。いや、やっぱり最高です!
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本当に面白かった。細かい台詞とか思わず笑ってしまった。最初の4人それぞれのストーリーが、最後見事にまとまったのはすごいなと思った。細かい所まで注意して読んだ方がいいね。このシリーズ本当に好きです。
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まだ読み終わってないけど、きっと今日には読み終わるだろう。そして、すごく面白いから書いちゃう!これは、ほんと笑えるし、テンポいいし、好きですねー。スラスラ読めちゃうし、早く映画も見たくなっちゃう。なにより、最初にくっついてくる勝手な諺とそして言葉の定義が面白い。「卵を割らなければオムレツを作ることはできない」とか、「ガラスの家に住むものは石を投げてはいけない」とか。読んでない人、だまされたと思って読んでみて!
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最初は「何だか全作ほどの勢いがないなあ」と首を傾げていたのですが、事件の核心に迫るにつれどんどん加速していくあの瀟洒な会話、小気味いいテンポには病みつきになりますw本当、伊坂さんの伏線を回収していく過程の鮮やかさ、尋常じゃないです。随所随所吹き出してしまうあの四人組のとぼけたやり取りは健在!さらりと読めて爽快感も味わえる、映画原作の続編。ぜひご一読下さいw
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今回も響野・久遠の掛け合いは健在でした。
惜しむらくは、あんまり『ギャング』してなかったところでしょうか。
それでも前回同様、わくわくさせられっぱなしの一冊でした。
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もう、絶妙のタイミングでの出版ですね!
「地球を回す」の映画化・公式ブック・コミック化・・と
とどまるところを知らないギャングワールドが増殖中なんですから。
なんて幸せ!!
まず、目次のページを読んだだけで、伊坂ワールド満々で
ワクワクしてきます。
第1章は、「巨人に昇れば、巨人より遠くが見える」とか
「毛を刈ったヒツジには、神も風をやわらげる」といった
外国のことわざがタイトルの4編。
4人それぞれがこのことわざをボソッとつぶやくような
「ギャングたちの日常」が短編風に書かれています。
(もともと独立した短編として書かれたものを
大幅に改稿しているということです。)
ちょっとした事件に立ち会ったりしながら、嘘を見破ったり、
財布を掏ったり、饒舌に演説したり、正確無比な体内時計ぶりを
ちょこっと披露しながら、それぞれに過ごしている4人。
けっこう淡々としながらもスパイスの効いた日常ぶりの中に、
何か起こりそうなワクワクした感じが潜んでいる・・といった雰囲気です^^。
そして第2章以降、「きたきた!」と思わず頬が緩んでしまうような、
ドキドキの展開に。
4人の日常に登場した「ちょっとした事件」が、次々と絡み合って
見事な「襲撃劇」の始まりです!
複雑な伏線やプロットが後から後からどんどん繋がってきて、
連鎖してたたみかけるように展開していきます。
個性派揃いの登場人物たちが思う存分、本領発揮!
これこそ、最強4人組の面白さ!
相変わらずクールな成瀬はカッコイイし、今回特にコンビともいえるほどの
響野と久遠のボケとツッコミ(というより両ツッコミ?)ぶりは
笑いっぱなしの面白さ!
雪子さんは前回の失敗をチクチクと指摘されながらも
今回は余裕のある大人のオンナっぷりです。
前作よりもさらにどんでん返しの連続で、最後の柔道チーム(?)の出現や
南米のネタには大笑い。またしても伊坂ワールドにヤラれてしまいました^^。
クククッと笑ったり、ぷぷっと吹き出したり、ふふふっと笑いがこみ上げたり、
あはははっ!と大笑いしたり。
とにかく楽しめること間違いなし!
会話ひとつひとつが、どれをとっても絶妙なテンポのよさ、
くだらない会話でもいっさいムダがありません。
本当に伊坂さんの作品は会話のセンスが抜群!
それにしても、もともと別々の短編だったものから
こんなに面白い長編を作り上げてしまうなんて。。。スゴイよ、伊坂さん。
4人組に愛着があればこそ、って気がしますね♪
「地球を回す」を未読の方は、読んでからのほうが楽しめます。
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やっぱり一晩で読んでしまった。4人のキャラクターがより輪郭濃く書かれ、格好良さに磨きがかかった。誰もがこのギャングたちの仲間になりたいと思うだろう。
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短編四つと中篇ひとつで、あわせると長編になってしまいましたとさ、って感じでしょうか。
もともと予定されていた四つの短編をうまく利用したかんじで、読んでても違和感は無かったです。
四人組が相変わらずで、素敵でした。この四人なら何でもできるって気にさせられます。