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グレート・ギャツビー みんなのレビュー

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みんなのレビュー483件

みんなの評価3.9

評価内訳

476 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

フィッツジェラルドの伝えたかったこと

2006/12/09 01:48

18人中、17人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちかげ - この投稿者のレビュー一覧を見る

今回の『グレート・ギャツビー』については色々と書評が出ていますが、その大部分は「村上春樹さんの翻訳」についてのもののようなので(『グレート・ギャツビー』自体もう何十年も読み継がれている作品なので当然といえば当然なのですが)、ぼくはあえて『グレート・ギャツビー』の内容を中心に感想を述べさせて頂こうと思います。
ぼくはこの『グレート・ギャツビー』を読み終えて、正直なところ少し(というか「かなり」というか)混乱してしまいました。それは、この作品のなかではいろんな価値観が並列的に提示されていて、著者の主張したいことがよく見えなかったからです。例えば、この作品のなかには西部出身の者が東部に憧れて地元を離れることが描かれているのですが、だからといって東部を美化しているわけでもなく、かといって西部を美化しているわけでもない(と、ぼくには読める)し、また夢を求めて先へ先へと突き進むことへの危惧感や不安感を示しているようにも読めるし、そうかと思えば「明日はもっと速く走ろう。両腕をもっと先まで差しだそう」と述べたりもしている。その他にも、いろんな意味で対立する価値観が対等に並列的に記述されているのです。
それでぼくは必死になって考えました。フィッツジェラルドは一体ぼくたちに何を訴えたかったのだろう。何を主張したかったのだろう。それこそ、夜も眠れないくらいに考えました。それで、ぼくが出した結論は「フィッツジェラルドはぼくたちに考えること」を訴えたかったのではないか、ということです。著者が主張しているからとか、一般的な価値観はこうだからとか、そんなことじゃなく、君たちは自分の頭でどういうふうに考えるんだい? ということをフィッツジェラルドは伝えたかったのではないでしょうか。それは、「いろんなものごとをとにかく公平な目で眺めよう」というニックの視点にも合致するように思うのです。
あと、一応村上春樹さんの翻訳についても簡単に意見を言わせて頂くとすれば、村上春樹さんの感性が十二分に味わえるすばらしい訳だと思います。そして「訳者あとがき」がまた素晴らしいと思います。
以上のように、『グレート・ギャツビー』の内容面を中心にぼくの感想を書かせて頂きましたが、ぼくは文学者でもないし、専門家が書いた評釈等もろくに読んだこともないので、ひょっとしたら全然見当違いの書評を書いてしまったかもしれません。ひょっとしたら、「こいつ、何馬鹿なこと言ってるんだ」と思われる方もおられるかもしれません。どうかそんなときは「世間のすべての人が、お前のように恵まれた条件を与えられたわけではないのだ」と思って許してやって頂ければ幸いです。お願い致します。

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紙の本

村上春樹渾身の訳業がさらにくっきりと浮かび上がらせたフィッツジェラルドの天才。

2008/12/06 12:35

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:悠々楽園 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 たったの29歳でこの小説を書いたというのは信じがたい。そして1940年、たった44歳で死んでしまった。まさに波乱の人生であり、フィッツジェラルドは早足で時代を駆け抜けた寵児だった。
 翻訳でしか読んでいないので文章家としての彼の力は私には評価のしようがないが、物語の設定、推理小説仕立ての構成、人物の造形、魅力的な会話、背景描写の繊細さと時折挟まる正鵠を得たアフォリズム。彼は人間が何たるか、宇宙の真理のなんたるかを若干29歳ですでに深く理解していた。誤解を恐れずに言うなら、人生とは、この世とは、はかない夢に過ぎない、そういうことだ。
 この小説の展開する時代と場所はフィッツジェラルドの実生活を深く投影している。現実の枠組みを使って虚構の世界を築いたのはもちろん作者たるフィッツジェラルドだが、物語はさらにジェームズ・ギャッツなる作中人物がジェイ・ギャツビーという虚構を創りだしたという入れ子の構造になっている。ギャツビーを創りだしたのは、その時代であり場所でもある。「光陰矢のごとし」「夏草や兵どもが夢の跡」。遥か昔から少なからぬ人間が悟っていた真理。ギャッツビーにまつわるすべては「夢」、しかし生きることは「夢」を紡ぎ続けることにほかならないのかもしれない。はかないものは美しい。美しいからこそはかないと知っていながら人はそれに手を伸ばそうとする・・・そんなことを考える人間は数知れないが、それにきちんと形を与えて表現できる人間は極めて数少ない。フィッツジェラルドはそれを表現する能力を備えていた。まさに天才のなせる技としか言いようがない。
 訳者の村上春樹によれば--あとがきを読むと、もし自分にとって重要な本を3つあげろと言われたら、「ギャツビー」のほかに「カラマーゾフの兄弟」とチャンドラーの「ロング・グッバイ」を挙げるが、1冊に絞れと言われれば「迷うことなくギャツビー」だそうだ--残念ながら、この小説が彼の真骨頂であり、「ギャッツビー」で舞い降りた天啓は以後の彼の作品に再び訪れることはなかったという。当たり前だと思う。こういう小説をわずかに44年の生涯でいくつも創作することなどおそらくは誰にも出来ない。そういう小説だと思う。
 私が「ギャツビー」を最後まで通して読むのはおそらく2度目だ。前回読んだのは遠い昔で、今回は村上訳(彼のこの小説への思い入れを知っていればこそ)だから読んだ。かなり熟練の英文読者でないと原文で読むのは難しいようだが、翻訳で読んでも――少なくとも以前読んだ翻訳では――わかりやすい文章ではない。
 この小説を翻訳することは当然ながら村上にとっても特別なことだった。他の翻訳のような良く言えば黒衣に徹するような文章、悪く言えば色気の薄い文章ではなく、小説家としての経験を縦横無尽に駆使して「正確なだけ」ではなく、できる限り作家の意図を伝えることに腐心したと後書きにもある。
 いわゆる専門の翻訳家に比べて村上訳では英語のままカタカナに置き換えることが多い。そういう事例があまりにも多すぎるとなると、「翻訳」という仕事の存在理由が損なわれかねない。この小説でも、友人に「old sport」と呼びかけるギャツビーの口癖をそのまま「オールド・スポート」と表記していて、これが口癖だから頻繁に出てくる。最初はニュアンスが捕まえ切れていないので違和感があるのだが、途中からはこの親密さのニュアンスは確かに日本語には置き換えようがないかもしれないと思う。というような点も含めてあとがきで語られた村上の翻訳への姿勢も一聴に値する。詳細に読み比べたわけではないが、この訳は村上春樹の意図に見合った十分な成果を上げているのではないだろうか。
 この小説が確固とした魅力なり力なりを一読して私の中に残したのは間違いのないところだが、私にとって「ギャツビー」のわかりやすい魅力の大部分を占めていたのは、ロバート・レッドフォードとミア・ファローのキャスティングによる邦題「華麗なるギャッツビー」のかっこよさ、美しさにほかならなかった気がする。あるいは最初に読むきっかけもこの映画だったのではなかったろうか。映画のイメージを払しょくすることはおそらくもう不可能だが、今回村上訳の「ギャツビー」を読み終えて――小説のほうがオリジナルなので本来おかしな言い方だが――小説自体が喚起するイメージ力によってこの物語の輪郭がより豊かで鮮やかになったという実感がある。

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紙の本

村上春樹と『グレート・ギャツビー』

2006/11/27 09:56

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:カワイルカ - この投稿者のレビュー一覧を見る

個人的な話をすると、フィッツジェラルド作品を読んだのは村上春樹訳の『マイ・ロスト・シティー』が最初で、それ以来フィッツジェラルドの入手可能な作品はすべて読んできた。いろんな人の訳を読んだけれども村上春樹訳はやはり特別である。『グレート・ギャツビー』もすでに野崎孝訳を二回読んでいるが、いつか村上春樹訳を読むのを心待ちにしていた。
 『グレート・ギャツビー』は村上春樹にとって最も重要な作品であり、その影響は村上春樹の小説の中に色濃くあらわれている。中でもその影響が直接的に表れている『ノルウェーの森』は『グレート・ギャツビー』のオマージュとしても読める。
 主人公の「僕」は「グレート・ギャツビー」に夢中になっており、何度も繰り返して読んでいる。そしてその素晴らしさを人に話したくてしかたがないのだが、「僕」のまわりには『グレート・ギャツビー』を読んでいる人は誰もいない。これはおそらく村上春樹自身の気持ちでもあったに違いない。
 村上春樹訳が他の訳と違うのはおそらく作品への愛情の深さが違うからだろう。もちろん、理解の深さと表現力も違うのだが。野崎孝訳の『グレート・ギャツビー』も決して悪い訳ではないが、村上春樹訳と比べるとだいぶ見劣りがする。村上春樹訳は表現が新しいだけではない。原文に忠実で的確な表現といい、文章のリズムといい、他の訳を大きく引き離している。というわけで、翻訳には大満足だが、ファンというのは欲張りなもので、つぎは絶版になっている『夜はやさし』を訳してほしいと思っている。

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読むべし、買うべし

2013/10/25 20:13

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:一般人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

まさに読むべし、買うべしな本です
理由は読んだらわかります

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グレートじゃない登場人物が気にかかる

2022/09/09 07:33

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』を
 初めて読んだのはいつだったろうか。
 たぶん新潮文庫版だったと思うが、
 ロバート・レッドフォードがギャツビーを演じた映画のシーンが
 表紙カバーになっていた。
 映画が封切られたのは1974年だから
 そのあとだろう。
 それにその時は映画に合わせて、
 『華麗なるギャツビー』というタイトルだったような。
 今、持っているのは
 2006年に村上春樹さんが翻訳した版で
 もちろん『グレート・ギャツビー』というタイトルになっている。

 久しぶりに読み返して、
 ギャツビーが長年思い続けた一人の女性のために
 彼女の住む対岸でばかみたいなパーティーを繰り返しているシーンは
 もちろん覚えていたが、
 結末はすっかり忘れていた。
 その結末はここでは書かないが。
 今回ギャツビーや彼の想い人であるデイジーやその夫トム以上に
 トムの愛人の夫で
 しがない修理工の男が気になって仕方がなかった。
 この修理工が結末に関係するが、
 ちっともグレートでない修理工がもしかしたら
 読者にもっとも近い人物像かもしれない。

 この本には村上春樹さんによる
 ちょっと長めの「訳者あとがき」がついていて、
 そこでフィッツジェラルドが死ぬまで
 「ヘミングウェイこそが現代文学の巨星」と考えていた挿話が
 書かれている。
 そう思ったのも頷けるが、
 村上春樹さんのようにずっと
 フィッツジェラルドを愛した読者もいることもまた
 真実だ。

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傑作とはこのこと

2021/07/29 22:07

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る

フィッツジェラルドの最高傑作であるだけでなく、20世紀アメリカ文学屈指の作品でもある。名作だけに様々な観点から読むことができるが、アメリカン・ドリームとその実相をこれ以上なく文学化したものとして白眉である。

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ギャツビーを嫌いになれない

2019/01/26 00:00

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

訳者の村上春樹が、生涯読んだ小説の中で間違いなく一番と絶賛した作品。ニューヨーク近郊のウエストエッグという少し寂れた街に住むことになった僕の隣人がギャツビー。読み始めは、とても感情移入などできない気障な嫌な奴だった。あなたという代わりに「オールドスポート」と気取った調子で話しかけたりする(少し在籍していたオックスフォードではやっていた言い回しらしい)。ところが、読み込んでいくうちにギャツビーの周りの連中が嫌な奴で、ギャツビーがいい奴とまでいえないが、愛すべき人に思えてくる。1920年代の調子のいいアメリカを舞台にした作品だが、全く古さを感じさせないのは村上春樹の手腕によるものだろう

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2006/12/04 00:00

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2006/12/11 23:00

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2006/12/21 10:50

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2006/12/22 03:09

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2006/12/22 12:54

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2006/12/24 02:34

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2006/12/25 23:04

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2007/01/05 21:43

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