紙の本
「歴史は飲み物で作られた」という側面もあるのだなぁ
2009/02/20 15:59
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る
内容は副題にある通り「ビール、ワイン、蒸留酒、コーヒー、紅茶、コーラが語るもうひとつの歴史」なわけだが,実に面白い読み物だった。
まずはビールから。最初のビールがいつごろ作られたのかは定かでないが,紀元前4000年までには近東一帯に普及していたそうな。その時代のメソポタミアの遺跡から2人のニンゲンが大きな陶器からアシのストローでビールを飲んでいる図が発見されている。エジプトには少なくとも17種類のビールがあり,「美と善」だの「無上」,「食事の伴」など現代と大差ないような名前がつけられていた。ビールは労働の対価として配給されており,ピラミッド建設にあたった労働者(昔は奴隷だったと習ったがなぁ)は賃金をパンとビールで受け取ったらしい。
お次はワイン,その発祥は現在のアルメニアのあたりの山間部。平野に広まるにつれて「山のビール」として人気を得た。原料のブドウが大麦ほど栽培が容易なものではないため,最初のうちは「ビールより高貴なもの」という扱いだったという。オレにとって結構驚きだったのは,ギリシャ,ローマ時代の人は普通ワインを水で薄めて飲んでいたということ。プラトンやソクラテスはワインの水割りを飲みながら哲学の話をしてたんですねぇ。ワインとキリスト教の関係や,イスラム教徒はなぜワインを飲まないのか,なども興味深い話だ。
お次は蒸留酒……てなぐあいにあげつらっていくとキリがない(わけぢゃないか)のでこの辺にしておくが,蒸留酒,コーヒー,紅茶,コーラについても「へえ!」と思うような事実満載である。たしか「歴史は夜作られる」という言葉があったと思うが,「歴史は飲み物で作られた」という側面もあるのだなぁ。
投稿元:
レビューを見る
この本を手に取った時、いわゆる飲み物史なのかと思ったが、実際の生活や社会の動きとリンクさせて語っているのが秀逸。英国がもともとは珈琲の国であったこととか、腐りやすい真水の代わりに、ビールやワインが飲まれたなどと、非常に興味深い話で構成されている。飲み屋での与太話のネタとしても、超お勧め(笑)
投稿元:
レビューを見る
歴史的な観点から飲み物を考える興味深い本で、飲み物で歴史が作られてきた経緯がよくわかる。かなり面白い捉え方で、筆者の博識と取材能力には恐れ入る。結果としては、エピローグに書かれた原点回帰ということか。
投稿元:
レビューを見る
飲み物からみた歴史。面白いけど、濃すぎる。もうちょっと軽い読み物にしてもらいたかったですね。図書館予約数は11(07/08/04現在)です。
投稿元:
レビューを見る
どの飲み物にも歴史があって、1人のアイデアでぽっと生まれてきた訳じゃないことが分かった。当たり前といえば当たり前のことだが。
投稿元:
レビューを見る
ビール、ワイン、蒸留酒、コーヒー、紅茶、コーラの
6つの飲み物を軸に人の歴史を書いた本です.
政治・戦争視点の歴史とはまた違った視点で…
投稿元:
レビューを見る
ビール、ワイン、蒸留酒、コーヒー、茶、コカ・コーラ。これらの飲み物がどのように生まれ、広まり、求められ、世界の文化と歴史を動かしていったか。その様子をダイナミックに描いた一冊。
ぱっと見は割と厚い本だが、硬軟織り交ぜたテーマと語り口で一気に読み進められる。読んで何かの役に立つわけでもないが、こういう本にあるようなウンチクが教養というものだろう。
この本を読むと世界の歴史は飲み物が支配していたような気にすらなってくる。内容はもとより、テーマとエピソードの選び方や話の進め方が実に巧みで、自分もいつかこんな文章が書けるようになりたいと思った。
投稿元:
レビューを見る
プロローグ 生命の液体
第1部 メソポタミアとエジプトのビール
第2部 ギリシアとローマのワイン
第3部 植民地時代の蒸留酒
第4部 理性の時代のコーヒー
第5部 茶と大英帝国
第6部 コカ・コーラとアメリカの台頭
エピローグ 原点回帰
投稿元:
レビューを見る
飲料のテーマ史
ビール、ワイン、蒸留酒、コーヒー、紅茶、コーラが語るもうひとつの歴史。世界史を飲み物の切り口でとらえたおもしろい本。身近なものを題材にすることで歴史を身近に感じさせるテキストの好例。
知識
投稿元:
レビューを見る
ビール、ワイン、蒸留酒、コーヒー、茶、コーラ、いまでは嗜好品に過ぎないこれらの飲み物が歴史のなかでどういった必然性があって普及したのか、ということが非常に分かりやすく、また興味をそそられるエピソードとともに語られる。
なかでもビール、蒸留酒の誕生や発展についてはその存在感の大きさに驚かされた。
これまでも個々の飲み物に関する書籍に目を通したことはあったが、本書の主役はあくまで人類の歴史であり、飲み物はあくまでそれを読み解くためのツールであるところがユニークだと感じた。
図書館にて。
投稿元:
レビューを見る
飲み物についてのちょっと堅めの本ということで興味があった本。
6つの飲み物として、ビール、ワイン、蒸留酒、コーヒー、茶、コーラを取り上げ、それらの成り立ち、歴史における位置づけ、現代への影響や名残が記されており、今までと違った見方が面白い。特に、歴史との関係性は、強引なところは一部あるが、納得できるもので、適度な堅さで楽しめた。
投稿元:
レビューを見る
図書館で目に留まった。
飲み物を起点に歴史を終えるしっかりとした内容です。人の歴史は飲み物と共にあるようにも思えてしまう。
全く関係ないけど、見方を変えて話を整理することが勝ちあることだと今更気付いたりします。
投稿元:
レビューを見る
生命の液体
メソポタミアとエジプトのビール
石器時代の醸造物
文明化されたビール
ギリシアとローマのワイン
ワインの喜び
帝国のブドウの木
植民地時代の蒸留酒スピリッツ
蒸留酒と公海
アメリカを建国した飲み物
理性の時代のコーヒー
覚醒をもたらす、すばらしき飲み物
コーヒーハウス・インターネット
茶と大英帝国
茶の帝国
茶の力
コカ・コーラとアメリカの台頭
ソーダからコーラへ
瓶によるグローバル化
原点回帰 水
投稿元:
レビューを見る
遺跡や伝承ではなく、飲物で歴史を紡ぐ視点が面白かった。
バーで話のネタにしても、歴史オタクと話をしても受けそう。
堅すぎず、理論に骨もあり、安い知識にならない、面白い話。
投稿元:
レビューを見る
ビールって、シュメール人以前から存在したんだ~とか、コーラって初めは薬局で売っていたんだ、というような豆知識的なものを織り交ぜながら、歴史と絡めて話を進めていて面白かった。ただ、もう少し掘り下げてくれないの?という、物足りなさを感じる部分はあったが、『なるほどね~』と思える場面が多々あったので、高い評価になりました。