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生物と無生物のあいだ みんなのレビュー

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みんなのレビュー933件

みんなの評価4.1

評価内訳

909 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

第一線生物研究者が「生命」を語る。この類を初めて読む人には新鮮でしょう。

2007/08/19 14:46

10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 自らの経験を交えながら、生物学の来た道、生命について考えたことを書き綴る。子供時代の思い出、ポスドク時代の思い出、研究の失敗から得たもの、野口英世やDNA、PCR発見物語・・・いろいろな方向から「第一線の生物研究者はこんな風なんだ」と語りかけてくる一冊である。
 著者の語り口は柔らかで静かだが、その中に「職業としての研究」の実情や、「生命の奥深さが垣間見えた時の感動」などがちりばめられている。「生物学研究の現状」を概観するようなところもあるので、この類の本を始めて読む人にはとてもよい本になっているとおもう。

 ある程度生物学の現状、研究者について知っていたり読んだことのある人には物足りないかもしれない。野口英世の評判が「偉人」とはちょっと違うことや、DNAやPCRの発見の経緯の話は、それぞれなかなか良い単行本として著されてもいる、わりに「おなじみ」の話である。一生物学研究者の研究経験の話として読むとしても、これまで結構たくさんの方が折に触れて書いている。著者独自の経験ではあるかもしれないが、それだけなら「様々な研究者の一人」で感想は終わってしまう。(たとえば月田承一郎さんの「小さな小さなクローディン発見物語」も研究者の生命観や研究経験の話なのであるが、これは著者がガンで亡くなる直前に「遺書」のように書いたこともあってとてもインパクトのある一冊である。)著者のもつ「動的平衡が持つ柔らかな適応力となめらかな復元力の大きさを持つ」生命観、というのもそれほどユニーク、と言うわけでもなく、それをどうしても「伝えなくてはいけないメッセージ」として書かれたようにも思えない。著者はまだお若いようなので「回顧録」として書かれたと考えるにははやすぎるだろうし、「若い人」に数歩前を行く先輩として、最近の現状を著したというところなのだろうか。 

 研究の中、ある遺伝子を欠損させた実験動物(ノックアウトマウス)が正常に育ったことから著者が得たものが大きかったのだろうが、本文の一番最後が「結局、私たちが明らかにできたことは、生命を機械的に、操作的に扱うことの不可能性だったのである」というのは少々がっかりな終わり方だった。科学研究者を名乗っておられる限りは、「不可能だ」で終わらずにせめて「では、生命をどう扱ったらよいと思っているか」を書いて欲しかったと思うのである。

 研究者が実際の研究を通じて得た体験を読むことができるのは興味深いが、いろいろなところでの良い評判で期待したほどではなかった。良い方の評判は、おそらくこの類をこれまであまり読まなかったか、知らなかった方たちからではないか、と想像する。これまであまりこの類は読んだことがない、という方には良い本であろう。

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紙の本

―古典的実験思考の限界―

2009/09/20 00:04

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:レム - この投稿者のレビュー一覧を見る

  DNAは、理論上は生命活動の全てをコードしているはずである。 では、コードをじっくり読み進めば、全ての生命の謎が解けるのだろうか・・・。 この答えは、そう単純な話ではないだろう、ということを本書は物語っている。
   
  事実、例えば特定の酵素や機能をコードしている遺伝子配列は、既に多数知られてきているし、ある塩基配列の有無や異常が特定の疾患と結びつくといったことも分かってきている。 場合によっては、たった一箇所の遺伝子の塩基配列の違いで抗癌剤の効果が劇的に異なるといった事例もある。
  となれば、生命活動に重要な遺伝子を欠損させた生物は、どうなってしまうのか。 著者はGP2という膵臓の細胞分泌において重要な役割を担うタンパク質に注目し、このタンパク質をコードした遺伝子を全く欠落(ノックアウト)したマウスを作成した。 科学者一般の予測では、そのマウスは直ちに死に至るはずであった・・・。 しかし、結果は見事に裏切られて、このGP2ノックアウトマウスは元気に生き続けるのだ。
   
  ここで、最も基本的な原因と結果の科学的関係の考え方は次のようになる。 ある系から因子Aを取り除くことで特定の事象Bが発生せず、そこに交絡因子と呼ばれる見かけの因果関係の関与が無ければ、その因子Aと事象Bには科学的に因果関係があることが示唆される(もちろんこれだけでは不十分だが)。 さらには因子Aの存在しない系にAを加えることで、それまで起こり得なかった事象Bが発現するならば、このAとBの関係はさらに確認できる。 それらには再現性も同時に求められる。 この原因と結果の証明の考え方は、極めて古典的な実験思考法に基づいたものだが、今日においてもなお科学的な証明における基本理論だ。 
  つまり、GP2ノックアウトマウスの実験から分かったことは、次の2点である。 生命の謎を解明するための金科玉条と思われたDNA解読は、塩基配列を近視眼的に読むだけでは歯が立たないということ。 そして、DNAいや、生命を紐解くには、古典的因果関係の考え方を越えた科学的思考方法が必要であり、我々はそのパラダイムシフトをいまだ迎えていない、ということである。
   
  生物学系の学生あるいはそのような大学出身者の読者諸賢にとっては、本書の評価は大きく異なるだろう。 というのは、本書の内容はあまりにも教科書的で常識的な内容だ。 ただ、本書で特筆すべきことは、専門的で複雑な研究手技や手順も平易な文章で綴られている点で、生物学と縁が遠い方や中高生でも充分理解することができよう。 DNAや内分泌の話一つにしてもその発見の経緯や原理からつぶさに語られ、しかもそこには、科学者たちの確執や陰謀などの人間劇やエピソードまでがふんだんに織り込まれている。 各種の賞を受賞した所以は、これまでこの手の本に無かったそういった肌理細やかさにあるのだろう。 

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紙の本

生物学の様相を文学的に描いた、サイエンスライターによる書

2023/08/14 01:55

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:藤兵衛 - この投稿者のレビュー一覧を見る

この世界をここまで文学的な筆致で描いた本はそうそうないと思う。学問への入り口に大いに進めたい、とは思うところだが、感情的にかなり抵抗が大きかった。一番は、若い研究者の様を「奴隷」と書いてみせたことなのだろう。言わんとしていることはわかるが、ここまで強い表現を使うなら別の問題提起があってほしいし、これがレトリックに過ぎないのなら、違う表現方法を選んでほしかった。
理系のアカデミックな世界を多少なりとも知り、分子生物学の一端がわかる人が、その世界の新たな知識・知見を得るためなら読む必要はない。一研究者の書籍ではあるが、サイエンスライターが書いた作品だと思った方が、私個人はしっくり来る。

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紙の本

物語?

2015/12/20 22:34

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:じゅんべぇ - この投稿者のレビュー一覧を見る

新書にしては珍しい、物語風。でも最後まで読めてはいません。ヒマになったら読むかもしれませんが。そのうち、のために積ん読しときます。

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紙の本

大学生向けかも

2015/09/12 20:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る

「ルリボシカミキリの青」同様に、読みやすさと生命科学ネタは保証できますが、ポスドクや研究者の喜びや悲哀が描かれているのでもしかすると理系を志す大学生向けかもしれません。

理系に興味を持つ高校生や中学生ならば「ルリボシカミキリの青」を読むことをおススメします。

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2007/07/08 17:52

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2007/08/04 04:37

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2007/06/03 16:40

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2007/06/24 21:10

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2007/06/26 22:15

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2007/07/14 19:32

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2007/07/23 13:07

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2007/07/28 00:10

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2007/08/06 15:49

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2007/08/13 01:03

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