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人類は衰退しました 1 みんなのレビュー

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みんなのレビュー115件

みんなの評価4.0

評価内訳

113 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

自虐的な欲望。

2008/03/31 14:29

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ばー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 人間になってもう随分経っている。
 なんだかんだと頑張ってきていて、現実では、「地球は大事!」という動きも確かにあるけれど、やっぱり人間中心主義だと思う。
 そのような現実を基に描かれる、たくさんの創作の場では、人間中心主義、「地球は大事!」主義、はたまた、イデオンやエヴァに代表されるような「一度人間皆殺し」のような作品など、実に様々なものがある。

 この作品は、ほんわかした「妖精さん」が出てくるライトノベルなんて言われてますが、実際私もそれを聞いて読んだのだけど、ところがどっこい実際は、「一度人間皆殺し」に近いSFです。
 著者の田中ロミオはPCゲーム(美少女ゲーム含む)のシナリオなどを書く、フリーライター。本格的なシナリオライターのライトノベルへの進出ともあり、内容は「文章が上手い」という評判通り。既存のオタク的知識ほぼゼロ。独特の言い回しが面白い。

 主人公は一人の少女。美少女ですが、背が高く、極度の人見知り。仕事は「調停官」。「人類が衰退した」後の地球の支配者である妖精さんとコミュニケーションを図り、適時監視、又は(内政干渉にならない範囲での)指導を行うのがその職務。新米調停官の少女と、「新人類」となった妖精さんとの触れ合いを描く、というのが、この作品の大まかな内容。

 なんですが。
 ほんわかしたビジュアル、文章とは違い、よくよく考えてみるとこの内容。ものすごく破滅的。(旧)人類はもうこの先何の未来も無く、衰退し、絶滅するしかありません。やるべき仕事は調停官のように、新人類である妖精さんに地球支配のバトンを渡すだけ。「監視」、「指導」なんて偉そうな上から目線ですが、徐々に物語内で明らかになるように、(旧)人類から妖精さん達にすべきことは何も無いのです。ありえない程の技術を持ちつつも、一定の野望や野心などを持たない(甘いものが好き、楽しいことが好き、というのは本能)妖精さん達は、これからが彼らの春、衰退している(旧)人類の言うことなんか聞く必要無い。主人公は衰退していく種族(我々の種族)の少女でありつつ、傍観者。この物語は、「自由きままに好き勝手やる新種族を、衰退していく旧種族が眺めるだけ」という物語であり、なんだかそれは、人間中心主義に当てはめると、とても悲しいような、空しいような、怖いような、そんな物語であるように思える。

 すっきりどかん、ぼかんのライトノベルや、ちょっと切ないほろろのライトノベルなどとは違う、独特の作品(まだそんなにラノベ読んではないけども)(有名どころしか読んでないけれど)ではないのかな。
 ほんわかが強調されがちな今作ですが、そのほんやかさが相まって、うすら寒い未来の恐怖がどんどん出てくるような。妖精さんとのほんわか会話、少女の客観的な姿勢なんか、読めば読むほど薄ら寒くなって。ラノベ定番の伏線、前ふりも、次巻以降で明らかにされるよりは、このままの方が深読みできて面白い。ペーパー人間のエピソードで締めくくられてるけど、「次巻に続く」ではなく、「完」の方がますます破滅的な世の中になりそうで、面白い。

 人間中心主義の視点から言えば、「もうどうしようもない世界」なんだけど、それはそうなんだけど、倒錯的だ、なんて言ってしまうのは言いすぎなのかどうなのか。めちゃ自虐的な楽しみが味わえると、私は思いますよ。

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紙の本

妖精さんの民族誌

2008/03/21 11:48

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:さよーりん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ほんわかほのぼの~とした雰囲気で、幼い頃に見たNHKの人形劇とかシル○ニアファミリーを連想してしまいそうな世界。
どういう訳か衰退を始めて文明から遠のいた人類と、新たに地球の盟主(?)となった不思議破天荒技術満載の妖精さん。人間と妖精の交流を描いた作品なら児童文学等に多くありそうなんですが、そこにちょっとした人間社会への風刺と軽い学術的なエッセンスが散りばめてあり、ただのほのぼの雰囲気小説で終わっていない作品です。主人公の仕事・調停官もまるで文化人類学者のようですし(フィールドワークなど)。巻末の報告書も離乳食並に噛み砕いた民族誌のようでなかなか面白い。

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紙の本

何もしなくて生きていけるとやる気をなくしてしまうのかな

2009/05/17 08:46

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

 人がその数を減らし地球に対する影響力を失って久しい時代、地球の主役は妖精さんに代わりました。人と同じような姿形ながらその平均身長は10cmで、高い技術力を持っている割には目的がなく、甘いお菓子を楽しみに生きています。
 主人公のわたしは、人類最後のインテリの一人でありながらがんばる気はほとんどなく、楽ができそうだという理由で調停官という職に就きます。これは妖精さんと人の間を取り持つ役職なのですが、既に二種族は互いに影響を受けることも与えることもなく生きていける状態になっているので、仕事は特に何もなし。でもわたしは、いちおう本来の使命を果たすべく、妖精さんとのコンタクトを開始します。

 作者はどうやら、食料の安定供給をキーワードに社会を見ているらしい。だから、おそらく過去の食糧供給システムを残したままその数を激減させた人は食べることに全く困らないので、総消費者状態になり何かを生み出す目的を持たず文明を衰退させる。妖精さんは食べる必要がないので集団で何かを頑張る必要がなく、でも高い技術力は持っているので、わたしによって目的を与えられるとその能力を結集して驚くことをしてしまう。
 わたしがお題を与えて妖精さんが遊ぶ。ふんわりさくさく考えずに読める。そんな構成の作品になっています。

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2007/10/30 00:03

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2007/06/07 16:42

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2007/07/23 16:23

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2007/06/24 00:29

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2007/06/28 07:56

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2007/09/06 02:01

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2008/04/28 22:56

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2007/11/08 01:26

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2007/11/21 19:02

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2008/02/04 06:56

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2008/02/22 02:25

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2008/03/05 21:13

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