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みんなのレビュー324件

みんなの評価4.1

評価内訳

317 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

小市民コンビの再会――炎の前で――

2010/03/26 11:25

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

去年(高2)の夏に起こった『夏期限定トロピカルパフェ事件』で、互恵関係を解消した小佐内さんと小鳩くん。それぞれに彼氏彼女を持ち、小市民的生活を維持すべく孤軍奮闘していたが、高3の秋、二人が通う高校周辺で起こる連続放火事件を介してついに二人の日常が交錯する。放火事件に小佐内さんの影がちらつくからだ。

「小佐内さんが火をつけてまわってる可能性があるのに、じっとはしてられない」と立ち上がった小鳩くんは「ぼくが思うに、これは情報操作で片がつく」と声高らかに宣言する―――というのが上巻までのおはなし。

この下巻では小鳩くんお得意の推理が披露され、連続放火犯は捕まる…のだけれど、このミステリ部分はそれほど重要じゃない。ついでをいうと犯人も「やっぱり」という人物だ。

本シリーズの見所はなんといっても「小市民」という善良な皮を被ろうと必死になりながらもことごとく失敗してしまう小佐内さんと小鳩くんの本性――狐と狼――との葛藤だ。

復讐の楽しさを忘れられない小佐内さん。推理を展開することを止められない小鳩くん。ふたりはその性癖から過去に苦い経験をし、以来、その誘惑を断ち切ろうと努力している…はずなのだが、まぁ、これがことごとく失敗中。ま、失敗するところがまた「小市民」的ともいえるのだけれど。

本書でも小佐内さんは放火事件に乗じてある復讐を決行し、小鳩くんは推理を披露する。そしてその非小市民的活動を通じで再会するわけだけれど、その再会場所がまたまた非小市民的。なんとめらめら燃える火の前(爆裂音つき)で向かいあうのだ。しかしすぐに小鳩くんは一時退場し、ちょっとオソロシイ小佐内劇場が開幕するのだけれど…それは本書の一番といってもいいくらいの見所なので割愛する。とにかく小佐内さんがオソロシくってキュートなことだけは言っておく。

ちょっとオソロシイ小佐内劇場が閉幕した後、狼(小山内さん)と狐(小鳩くん)は再び向かい合い、去年の夏にお別れしてからの一年を、淡々と振り返る。

小山内さんは言う―――
「本当なの。告白されて嬉しかった。瓜野くんって、ほら、結構恰好いい方で自信家だし。すぐにおつきあいすることに決めた。わたし、知りたかったの。恋とはどんなものかしらって」


それに対する小鳩くんの突っ込みは―――
フィガロ?


笑ってしまった。的を射ているような、的外れのような、「小鳩君らしい」なぁ…と。

小佐内さんは彼氏である瓜野くんのために尽そうとしたのだけれど―――小鳩くんも言っているのだけれど―――その尽し方がもういかにも「小山内さん」らしくって(小市民とは程遠い内容なので)、笑ってしまう。こういう不完全さがまた可愛いんだなぁ。

でもそんな二人も高校3年間のほとんどを費やして自分たちが目標としてきた「小市民」の正体に気付く―――
必要なのは「小市民」の気ぐるみじゃない。
たったひとり、わかってくれるひとがそばにいれば充分なのだ、と。


そして小鳩くん小佐内さんに伝える―――
「ぼくにとって小佐内さんは、必要だと思う」


小佐内さんも小鳩くんに伝える―――
「うん。小鳩くん。また一緒にいようね。たぶん、もう短い間だと思うけど」


これは告白?と思いたくもなるけれど、恋愛関係に発展するにはまだ時間がかかりそう(高校生活も残すところ僅かなんだけど)。ただ、小鳩くんには心境の変化を感じられるのでまだ期待は捨てずにいたい。


さて後日談。
和風喫茶に繰り出した小佐内さんと小鳩くんは栗きんとんを前に、栗きんとんとマロングラッセの作り方の話をしている。

えぐい栗に何層もの砂糖をまとわせて栗自体まで甘くするマロングラッセ。煮た栗を裏ごしして砂糖と合わせて茶きん絞りにする栗きんとん。小山内さんは和洋の栗のデザートに何かを例えている。もちろん小鳩くんには小佐内さんが何を言わんとしているか分かっている―――


そのままではえぐい栗を、誰もが愛するお菓子にするための方法論。
煮て潰して裏ごしして、それから砂糖と一緒に火にかけるのが栗きんとん。
漬けこむシロップを少しずつ濃くしていって、いつも間にか芯まで甘くしてしまうのがマロングラッセ。
わかった。


小佐内さんは小鳩くんに訊ねる―――
「小鳩くんはどっちが好き?」


この質問に対する小鳩くんの答えがまたまた可愛いのだけれど、それは読んだ人だけのお楽しみ。

そうそう、小佐内さんが放火事件に乗じて復讐劇を決行した理由が最後の最後に明かされるのだけれど、それもまた可愛らしい答えで(ここでいう「可愛らしい」は時に「恐ろしい」と同義語です)、最後の最後にまたしびれてしまった。

次は『冬期限定○○事件』だなぁ。○○の中には何が入るのだろう。ぜんざい? バレンタインチョコ? クリスマスケーキ? あぁ、早く読みたい。

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ほろ苦い青春ミステリー

2017/01/03 12:23

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投稿者:もなぉー - この投稿者のレビュー一覧を見る

いーちきみきちきーちきち

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2009/03/11 00:10

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2009/03/20 21:50

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