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1Q84 a novel BOOK1 4月−6月 みんなのレビュー

第63回毎日出版文化賞 受賞作品 第44回新風賞 受賞作品

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みんなの評価4.0

評価内訳

1,254 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

ムードで読むか?理屈で読むか?ファッションで読んだ初老族の酒席では議論沸騰

2009/11/18 00:23

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

しばらく前から
「『1Q84』を読んだか?」
と60歳をこえた何人もの仲間からたずねられた。
「村上春樹って読んだことがないのだが、販売企画力がメチャメチャうまく、発売前からベストセラーだったんで買ってはあるんだ。」
でもまだ読んではいなかったからそれ以上会話は発展しなかった。

最近になってようやく読み終えた。

同じような仲間と酒を飲んでいてこの話題になった。絶賛された作品であるからだろう、だれもけなすことはなかった。
なぜ1Q84でなければならないのか?
なぜ月がふたつあるのか?
あれはオームのことなのか?
なんでセックスシーンがやたらあるんだ?
疑問符ばかりのそんな会話があった。
そのうちに酔っ払って、わけがわからなくなったとかそんなことであった。ノーベル賞候補者の小説などまるで縁がなさそうなそのなかの一人に
「どうしてこれを読む気になったのか?」と聞くと
「それはファッションだよ」
なるほど60代のファッションかと、私も同じようなことかもしれない。

実に奇妙な味わいのする小説だった。いや、奇妙な味わいに終始しただけの作品だったような気がしている。読み終えてつかみどころのない、地に足がついていない浮遊感が残る。今生きている現実もわけがわからないでしょう。だからわけがわからない『1Q84』を読むことであなたもわけのわからなくなった世界を緩やかに体感しましょう、と著者に言われて、素直にそれに乗せられて、なるほどと、それでいい作品なのかもしれない。

少女、幼児に性的虐待を加え処罰を免れている「悪人」たちをこの世から消す女の必殺仕掛け人が青豆。
青豆は「本栖湖で過激派と銃撃戦、警官三人死亡」という大事件が3年前の1981年に勃発していた「事実」を知らない自分を発見する。やがて月は二つ存在するという「事実」を知ることになる。狂いが生じているのは青豆ではなく世界なのだ。
謎めいた少女・深田絵里子が新人賞に応募してきた小説「空気さなぎ」を受賞に持ち込みベストセラーに仕立て上げる。そのために元の荒削りな原稿に手を加えるといういかがわしい行為を引き受けるのが天吾。そして受賞に至り、『1Q84』同様に爆発的に売れた。
やがて、小説「空気さなぎ」に登場するリトルピープルがこの世に姿を現し、不穏な活動が開始される。どうやら時間の流れの歪みは「空気さなぎ」の真実が公表されたために生じたようだ。宇宙を支配する巨大な意志力が二つ存在し、善も悪もないのだが、その闘争が始まるのだろうか。

古くは中国戦国時代の荘子が語った「胡蝶の夢」の世界であり、最近では映画「マトリックス」の世界でもある………と勝手に解釈する。手の込んだ入れ子構造になっている。少年時代に書かれたノートが予言の書となって世界が征服される、そんな漫画か映画もあったような気がする。夢か現実かあえてよくわからないままに読者は放置される。「奇妙な味わい」はそこにある。

なにかとんでもないことが起こり、ラストにはいろいろ提起された謎が解き明かされるに違いないと読者をひきつけるエンタメ性の味付けがあるから、来年刊行の続編では天吾が降臨するなにものかと戦う大冒険を期待できそうで、大人の読む現代のおとぎ話だともいえる。が、一方で日本を代表する文化人なのだから必ず全世界の人びとに共感される強烈なメッセージがあるはずだとの思い込みがある。
さてそのメッセージとは何なのでしょうかと問いかけられて、答えを見出せなくなる私を発見する。
そういうちょっと人を食ったところのある作品なのかもしれない。

1Q84とは何かと、酔っ払った勢いでこんなことをしゃべった。
正確には1984年ではないのだが、その数年後のベルリンの壁崩壊をイメージしたものだ。ビッグブラザーが倒れ、それまでの価値観は覆る。過去の事実は新しい時代の担い手により書き換えられてそれが歴史となる。だから月は二つになる。その間は価値観が流動化し、それは混乱の元である。混乱をおさめるにはあらたな絶対的秩序が必要とされる。リトルピープルはそのための先兵なのだ。だが1Q84年はいつでもありうる。たとえば吸収される企業に働く人たちにとってその日が1Q84年となる。月が二つになる程度の激変があったはずだ。今年も1Q84年であることに間違いない。自民党政権は倒れ、民主党は過去の事実を自分たちの歴史観で書き換えようとしている。誰かが月が二つあったことに気づいている。しかも新秩序が未だ見当たらないものだから混乱を極めているではないか。すぐにリトルピープルが姿をあらわすのである。気をつけなさいよ。

エッ本当?その程度のことを言っているだけなのか?と詰問され、答えに窮した。
いやいやそれだけだはない。やりたい時に後腐れなくやる青豆の男漁り、女性リード型の人妻と快楽を共有する天吾。その不毛の性愛の果てに青豆と天吾の二人は宿命的な愛の絆で結ばれていることに気づくのだ。そしてその愛の実現に命をかけることにより、この不条理世界において自らの実存を確信する、というテーマも含まれているのではないか。

宗教と犯罪。古くはドストエフスキー、最近は高村薫との共通問題意識もあるぞ。

ムードで読むか、理屈で読むか。話題性に富んでおり、酒席では飛んだ議論も可能。

大人のおとぎ話にはもはやなじめない初老族としては、やはりファッションとして読むにこしたことはない。

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紙の本

予定調和の物語

2009/08/10 13:13

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:街で "二郎ラーメン" - この投稿者のレビュー一覧を見る

単純化することを恐れずに言えば、1Q84は偶数の物語である。青豆と壮吾(2人の主人公)を交互に一章ずつ、12X2=24章に纏める構成。2つの月、世界。感応するレシバと、それを受け行動するレシバ。空気さなぎに寄って作られるdaughterと原型であるmother.
作品は著者によって完全に統御され、様々なエピソードを紡ぎながら、エンディングへと向かう。銃口を喉に入れ、引き金を引く青豆。24章で壮吾の面前で空気さなぎから生まれる10才の青豆。
1Q84の世界は周到な構成を取りながら、決して作品自体を裏切り、物語そのものを「異なるもの」へと変幻することをしない。唯一、1Q84と言う表題で9をQとすることによって1+8+4=13と言う奇数、それも素数を紡ぐのみである。
小単位ではそれ相応に心を揺すぶるエピソードはあるが、究極に於いて、読者は作品を「読む」という行為に於いて、「異なるもの」、「生なる感覚」を感じ取ることが出来ない。
私は先に挙げたエピローグを正確に予想することが出来た。これは読者にとってとても不幸な事である。

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紙の本

怒涛のように物語が動き出すbook2への序章として

2010/02/26 15:21

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トグサ - この投稿者のレビュー一覧を見る

book1の導入部は比較的、引き込まれやすかったのですが、book1後半からbook2の前半部にかけての乱交パーティーも含めた性描写が延々と続くところは、非常に読みづらく、読書の進行も滞り気味でしたが、book2の前半を過ぎたら辺、物語が動き出すと先を知りたくて堪らず、1日で一気に読み終わりました。

読後感は、重要シーンがありありと目に浮かび、2人の主人公・青豆と天吾の恋愛体験を彼らの親しい者として、ごく近くで目撃したような僕の読書遍歴にもかつてないような読書“体験”を得ました。

どんなに感動したといっても、心は動かされるけれども、ここまで頭の中で映像がありありと現れたのは、僕にとって非常に珍しい読書経験でした。

『1Q84』に登場する2人の主人公
青豆
性的虐待を加える男達を別の世界に送り込む女性。渋滞する首都高を非常階段で降りた辺りから1Q84年の世界に降り立つ?
川奈天吾
ふかえりが書いたとされる摩訶不思議な物語『空気さなぎ』に手を加え、のっぴきならない状況へと追い込まれる。

2人の主人公を取り囲む人々
ふかえり 『空気さなぎ』の作者、『空気さなぎ』は川奈天吾に手を加えられた後、発表されベストセラーとなる
大塚環(たまき) 青豆の親友、“生まれながらの被害者”
あゆみ 青豆の友人(警官)
小松 天吾に『空気さなぎ』に手を加えさせ、天吾をのっぴきならない状況へと追いこまさせる編集者。
老婦人 性的虐待を受けた女性をかくまい、その性的虐待を加えた男性に青豆を送り込む。
つばさ 老婦人の下に逃げ込んだ大塚環(たまき)と同じく“生まれながらの被害者”?

物語に登場する集団
宗教法人 「さきがけ」、その「さきがけ」から派生した武闘派集団「あけぼの」
ビッグ・ブラザー(ジョージ・オーウェル 著『一九八四年 』に登場)⇔ リトル・ピープル(『1Q84』に登場)

物語のキーになる“ことば”
二つの月 ディスレクシア 数学 パラレル・ワールド 猫 性的暴力

『1Q84』の物語形式
『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』と同様に、青豆の章と天吾の章が交互に書かれている。
奇数章が青豆の章で偶数章が天吾の章となっている。

book1を読み終えて
やたら<性>が前面に出てくるなあと印象を持ち、物語が進行しないので読み進めるのに難儀いたしました。
また、第1章から青豆が警察官の制服と拳銃が新しくなった事にこだわっているのが気に掛かりました。
三人称で物語るという形式を村上春樹氏は初めてとった(それまでは「僕」ないし「私」という1人称を用いていた)のですが、この物語る形式を変えただけで読んでいて本当に、この『1Q84』という物語は村上春樹が書いたの?と思えるほど、印象が変わったように思えました。
それから、青豆の親友の大塚環(たまき)が“生まれながらの被害者”として登場するのですが、何故に“村上春樹”が“文学”の世界で“生まれながらの被害者”という一面的にしか見ない見方を、読者に与えるのかが疑問に持ちつつ『1Q84』book1を閉じた。
以上が私の率直な感想です。

僕の記事より。
現在、book2のレビューを作成中です。

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2008/07/31 12:30

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2009/05/26 21:42

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2009/05/31 18:31

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