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みんなの評価4.3

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48 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

人間の究極の幸せは

2010/01/11 23:59

17人中、17人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る

まずは、帯のこの言葉に惹かれた。

  人間の究極の幸せは、
  人に愛されること、
  人にほめられること、
  人の役に立つこと、
  人から必要とされること。
  働くことによって
  この4つの幸せを
  得ることができる―。

シンプルに、まっすぐに、飛び込んでくる言葉だった。

日本理化学工業株式会社は、チョークづくりに取り組んできた
社員74人の小さな会社で、社員の7割は知的障害者である。

1958年に、2人の15歳の知的障害者を雇用したのがはじまりだった。

『日本でいちばん大切にしたい会社』で紹介されて以来、
マスコミで取り上げられるようになったので、ご存知の方もいらっしゃることだろう。

創業者である父のあとを継いだ大山泰弘氏は、知的障害者の雇用をした頃は、
知的障害者に対する理解や障害者雇用に対する理念は持っていなかったという。

ところが、彼らから「働く」ことの意味を教わることになった。

近年のニュースを見聞きするなかで、社会全体が
「働く」ということの意味を見失ってしまったのではないかと感じた大山氏は、
「働く幸せ」、働くことの原点を見つめなおす必要が
あるのではないかと考え、本書を記したのである。

  私は、会社とは社員に「働く幸せ」をもたらす場所だと考えています。

  もちろん、会社を存続させるためには利益を出すことが絶対条件です。

  しかし、利益第一主義で「働く幸せ」を度外視してしまうと、
  会社が永続的に発展する力が失われてしまうでしょう。

  その意味で、私は仕事でいちばん大切なのは「働く幸せ」だと考えているのです。

本書は、プロローグと6章の本文から成っている。

プロローグ 知的障害者に導かれたわが人生
第1章 「逆境」を最大限に活かす
第2章 働いてこそ幸せになれる
第3章 地域に支えられて
第4章 幸せを感じてこそ成長する
第5章 「働く幸せ」を広げるために
第6章 会社は、人に幸せをもたらす場所

各章のキーワードを切り口として、日本理化学工業株式会社の歴史を語っている。

第1章では、東京都立青鳥(せいちょう)養護学校の先生が
生徒の就職をお願いにやってきたときに語る言葉が印象的である。

それは無理な相談だと断った大山氏のところに再び訪ねてきた先生はこう言ったのだという。

  もう、就職をとは申しません。

  でも、せめて働く体験だけでもさせていただけませんか。

  あの子たちはこの先、施設に入ることになります。

  そうなれば一生、働くということを知らずに、この世を終わってしまう人となるのです。

なんという重い言葉だろうか。

そして、この事実は、当時に限らず、今も知的障害者の現実である。

第1章では、創業時代や大山氏自身の東大受験の挫折のエピソードまで遡る。

東大受験を失敗し、中央大学に入ったときに
「これからは逆境を甘んじて受け入れ、その境遇を最大限に活かす人生でいこう」
と決意したことが、その後の選択に影響したのだと、著者は振り返っている。

帯で紹介されていた言葉は、ある人の法要に出席したときに禅寺の住職が語った言葉だという。

  人間の幸せは、ものやお金ではありません。

  人間の究極の幸せは、次の4つです。

  その1つは、人に愛されること。

  2つは、人にほめられること。

  3つは、人の役に立つこと。

  そして最後に、人から必要とされること。

  障害者の方たちが、施設で保護されるより、企業で働きたいと願うのは、
  社会で必要とされて、本当を幸せを求める人間の証しなのです。

その言葉で、大山氏は、施設にいれば楽にすごすことができるはずなのに、
つらい思いをしてまで工場で働こうとする知的障害者たちの気持ちがわかったのである。

必要なときに必要なタイミングで人からのアドバイスをもらっていて、
しかも、著者はそれを素直に受け入れている。

それが、著者の、そして、この会社の成功だったのではないかと感じた。

第2章では、会社の中の障害者と知的障害者の軋轢が起きたときの対処方法、
障害者と健常者のどちらに軸足を置くのかの決断、
ビジネスと思いの両立、知的障害者だけで稼動する生産ラインの考案などが語られていく。

  その人の理解力にあったやり方を考えれば、
  知的障害者も健常者と同じ仕事をすることができます。

  彼らが「できない」のではありません。私たちの工夫が足りなかったのです。

これはひとつの会社の歴史であるだけではなく、
障害者雇用を考える上でも前向きな参考となる事例である。

第3章では地域との関係や新しい商品の開発などに触れている。

チョークといえば、学校で使われているものしかイメージができていなかったのだが、
子供用のお絵かきチョークもあったのかと新鮮な気持ちになった。

そして、第4章では、実際に働いていく中で、
知的障害者や健常者の社員がともにどのように成長してきたのかが書かれている。

  知的障害者たちは、たとえ上司の言うことであっても、
  納得できないことには従おうとはしないのです。

  「権力」は通用しないと言ってもいいかもしれません。

  そのかわり、指示の意味をきちんと理解して、納得したときには、
  健常者よりも生真面目にその仕事に取り組んでくれます。

  仕事がうまくいかないときや、障害者が言うことを聞いてくれないときには、
  自分の態度や指示の仕方を見直すようになります。

  そして、相手の立場にたって、相手に伝わるコミュニケーションをする力をつけていきます。
  
  「人のせいにできない」からこそ、自分を磨くようになるのです。

第5章は、障害者雇用制度への提言、
第6章ではそもそも経済とは企業とは働くこととは何なのかを問うている。

著者の語源へ鋭く迫る言葉が印象的である。

  「福祉」を広辞苑でひくと、「幸福」とあります。

  そもそも「福祉」の「福」も「祉」も、両方とも「幸せ」という意味なんだそうです。

  そして、「福」は主に物質的(お金も含めて)な豊かさを表し、
  「祉」は主に心の豊かさを表すといいます。

  ですから、福祉とは、ものと心、両方の豊かさをあわせもった「幸せ」ということになります。

この幸せそのものの意味を持つテーマに自分は関わっているのだ。

そのことの意味を考えさせられた。

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2009/10/10 01:47

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