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清き心は愛をつらぬき みんなのレビュー
- キャット・マーティン (著), 岡 聖子 (訳)
- 税込価格:964円(8pt)
- 出版社:ハーパーコリンズ・ジャパン
- 発行年月:2009.11
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文庫
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紙の本
ハートフルなシリーズの第3作
2009/12/06 09:32
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:斜麓駆 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ハート・トゥー・ハート」新聞社の社主と記者の3人をヒロインにしたハート・トリロジーの第3作。
第1作「気高き心は海をこえて」(原題直訳では「名誉の心」)では社主でもあるクリスタがドローグル島からやってきたリーフがイギリス貴族社会になじむまでマナーを指導しているうちにリーフに惹かれ結婚するまでを,第2作「熱き心は迷宮を照らし」(原題直訳では「火の心」)ではクリスタの親友コラリー(コリー)が行方知れずの異母姉ローレルの死の謎を突き止めようとトレメイン伯爵グレイの元に潜入し,ついにグレイの愛を得ていくまでのスペクタクルを描いています。
第3作にあたる本作は,第1作・第2作でも登場するリーフの孤独な弟ソロルフ(ソル)とクリスタの親友で新聞社の記者でもある勝気で美しい乙女リンゼイ・グレアムのミステリー風味の強いヒストリカル・ロマンスで原題直訳では「勇気の心」となるでしょうか。
ロンドンでは夜の勤めを生業にする女性たちが連続して殺害されるという事件が起き,リンゼイの弟ルーディが現場付近で目撃されていることから,男爵の子弟でありながら警察に逮捕されてしまいます。弟の無実を信じるリンゼイはクリスタ夫妻やソルの助けを借りながら,探偵とは違った方法で果敢に夜の街に繰り出し,弟の無実を晴らすための聞き込みや証拠探しに乗り出します。ソルは勝気でスタイルのよいリンゼイとは真逆の女性が好みだったのですが,いつしかリンゼイこそが生涯の運命の人と気づきます。でも自分にはリンゼイと見合う財産も身分もありません。自分の心に言い聞かせ,なんとかリンゼイをあきらめようとしますが・・・
シリーズを通して,女性の自立と社会の下層で生業を営む人たちへの暖かい視線が描かれ,作者の暖かさが伝わってきます。また,シリーズを通して登場するディー伯母やインド人のサミール,馬丁たちなど,ヒーロー・ヒロインを支える魅力的な人たちが登場し,硬直化した上流社会の考え方に対する批判を底流に匂わせながら,新しい社会への期待を抱かせる明るい想いをところどころにちりばめた,とてもハートフルなシリーズになっています。
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