紙の本
虐殺器官
2017/02/23 22:28
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投稿者:yasu - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちょっとグロイ表現で少し引く。設定や武器の描写が精密なので、主人公のシェパード大尉を中心とした話をもう少し詰めてほしかった。
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ああなんて美しくて哀しい小説だ。ウィンズロウの『犬の力』と対になる、というか同じ話を描いているとも言えるけど、『犬の力』は激しい怒りを『虐殺器官』は激しい哀しみを感じた。そしてとにかく文章と構成が上手くて面白い。
でもやっぱり「美しい」というのがの一番の感想、日本人が書いた小説を読んで美しいと思ったのは佐藤亜紀さん以来かも。そして一番哀しいのはこんなに美しい小説を書く人がもうこの世にいないという事だなあ。なんてことだ。
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繊細に描かれたハードSF。
社会への問題提起としても、エンターテイメントとしても非常に良くできている。 弱者が美しいものだというエゴ目線がないのもいいところだと思う。
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9.11後の世界を舞台にした近未来SFで、小道具はどれもSF的/ゲーム的であるけれど、中に描かれているものはもっと普遍的な恐怖と感傷のように思える。日本SF版村上春樹と称する人がいるのも頷ける。ホワイダニットみたいな部分もあり、ラストもきっちりオチて、「すごく面白かった」の一言に尽きる。
「虐殺の文法」やエピローグについて、「伏線回収してない」や「説明が足りない」と言っているけど、私は全然違和感を覚えなかった。あり得ない話ではない、と思えるか思えないかの差なのだろうか。ラストは意趣返しなんかではなく、どちらかを選ばざるをえなくなった主人公の「選択」なんだと思う。
全体的にセンチメンタルで、それにかなり引きずられながら読んだから、このような感想になったのかもしれない。
あと解説で泣ける。この人の話をもっとたくさん読みたかった。
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タイトルに惹かれて買いました。そのときの自分が何を期待してこの本を手に取ったのやら不明ですが…。
凄まじいタイトルですが、内容は寧ろ淡々としていて読みやすかったです。もっとドーンとかバーンみたいなのを想像していましたが(頭の悪い言い方)、そういうことはまったくなくて。
世界観はグロテスクなのに、妙な清潔感というか静謐感というか、そういうものを感じました。血腥い描写もあるのに、血腥さを感じさせないところが凄いなあと。
何故人は人を殺すのか。『ああ…』と読了後に何やら納得している自分が居たように思います。
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救われる訳でもなく、絶望でもなく。
なんとも言えない感情が心にずしんときた。
通常の世界において、人を殺す事は絶対的な悪でありながら
戦場においては賞賛される行為であり
かつ自分が生き延びるための手段でもある
兵士として戦場で人を殺すことは任務であるのか
自分自身の殺意であるのか
赦しを求め罰を望んでいた彼のラストでの行動は
果たして自への罰となりうるのだろうか。
任務という言い逃れの出来ない罪を
新たにひとつ背負っただけのように思えてしまう
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面白かったです。もっとシンプルなアクション小説を想像していたので、ここまで主人公の葛藤が描かれるものだと思っていませんでしたが。SFですし小難しい単語は時々出てきますが読みやすいです。作者がもう亡くなってしまっているのが残念。
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よくわからんかった。発想とかはいま考えれば面白いんだけど、主人公の内省がうざすぎた。それも狙いらしいけど…
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00年代 ですか。
なるほど。って位に現在の社会構造の問題を絡めたミリタリー的近未来SF。
海外作品口調なのも題材に合っているかと。
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攻殻、スカイクロラ、MGSなどと技術の進歩した近未来を描いた作品にはそれなりに触れてきたつもりだったが、世界観をここまで精巧に作りこんだ作品には初めて出会った。
テクノロジーの進化と共に自己に対して懐疑的になる人々、と言うのは近未来を描くにあたって欠かせないテーマなんだろうな。
MGSファンとしてはニヤニヤしてしまう単語とか場面もあり、実に楽しく読めた。
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理由が秀逸。あの衝撃だけで星2つ分の価値があった。
ハーモニーも続けて読んでるけど2作とも人間ってすごくあやふやな生き物なんだよっと力説してる。よね?ダメだ、2作ともちゃんと買って本棚に置こう。読み返さないと消化しきれない
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面白かった。
……といって良いのか、悪いのか。
内容は、なんかもう。とにかく読んでみてと言うしかありません。そして、語ろう。
いろいろ、惜しいなと思う箇所は無くはないんですが、この密度のわりにはさくさくと読みやすい文章。ささーっと読み進めて、最後の最後に取っておかれたどんでん返しに、「うわぁ」と言えばいい。
いや、とにかく。
惜しいヒトを亡くしてしまったとおもいます。もっと、読んでみたかったな。
ハーモニーも、本屋で見つけ次第、購入したいと思います。
こっちも、文庫で出てくんないかな。
余談で、メタルギアの方も読んでいたのですが、こっちは、大本の作品に思い入れがありすぎて、ちょっと苦手だった。
とはいえ、ゲームをやってからだいぶ立つので、熱も冷めたし、読み返してみようかなぁ。
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SFものはあんまり読まないので比較はできないんですが、これは間違いなく名作と呼ばれる本なのではないかと思います。帯に「最高のフィクション」と書いてありますが、まさしくその通りです。作者さんが亡くなられたそうで、本当に残念です。もっともっと、この人の作り出す物語が読みたかったなぁ。
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黒沢清『キュア』なラストにニヤリとした。これだけの筆力の人をなくしたというのは不運かもしれないが、このような作品を残しただけでも伊藤計劃は素晴らしい作家だ。
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すなおに謝ります。
この文庫を読むまで、伊藤計劃 Project ito を知りませんでした。
タイトルから、きっとホラー系SFで、好みに合わないだろうと勝手に決めてました。
読んでいなかったことを、少々後悔してます。