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志水辰夫の時代小説では飛脚問屋シリーズが人気がるようだが実際はこちらのほうが読み応えある。ある日、小さな村にやって来た武士が親戚と云う怪我をした渡し船の船頭の代役として住み着くところから物語は始まる。船頭には似つかわしくない知識・経験を持ち、何かを探るような素振りもあるが、はたしてその目的とは何か。派手なチャンバラ劇が有るわけでもないが知らず知らず物語に引き込まれる名作だ。
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20年ほど前に読んだ「行きずりの街」以来の志水辰夫。
登場人物の話す言葉が、時代小説にはそぐわないところが非常にひっかかった。
ハードボイルドっぽさは健在で、主人公があちこち立ち回る描写はテンポも良くいきいきとしているが、ひとたび会話になると誰もが同じ話し方で、人物像が見えてこない。またそれがまるで現代言葉で、時代小説としての雰囲気を壊してしまい興ざめ。最後まで違和感が拭えなかった。
ストーリー全体としても、出だし主人公の正体を謎にしている割には、結局大した暴露内容でもなくやや拍子抜けしたし、必要かなと思うような要素があれこれ盛り込まれていたせいか、展開が冗長でちょっと退屈。
もっとコンパクトだった方が読みやすかったかな。
まあそれなりには楽しめたけど、読了に3日もかかった…。
星2つか3つか迷ったけど、期待してた分残念だったので、厳しめの評価に。
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大好きなシミタツの時代物ですが、今回は主人公の苦悩がいまひとつ。
江戸ではない土地の時代物という点ではすばらしいけど。
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時は黒船来航、場所はとある小さな村。渡し船の船頭に身をやつした一人の武士が村人と交流を深めながら想うことは一体何か。
序盤は流れていくようにゆっくりと、終盤は急流に揉まれていくように男の目的があきらかになっていく。「夜去り川」という題名が良いなぁ。