紙の本
中国の歴史
2022/11/20 19:03
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投稿者:deka - この投稿者のレビュー一覧を見る
今の日本のベースになっている中国に関して大した興味も持っていなかったが現在の中国の存在からしても気になるところですごく大陸の位置で発展に贅沢な環境だったということがすごく印象深かった。今の中国がこれまでの築かれた歴史を背負っているということをしれてとてもよかった。
紙の本
おもしろいけど
2016/03/11 00:31
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投稿者:栞ちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
人類の歴史を数万年の長さで書かれているが、エピローグに書かれている中国とヨーロッパの比較の部分を、もっと掘り下げてボリュームを増やしてくれるとよいのになと思った。
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下巻は東洋を中心とした内容となっていて、日本という国家の成り立ちにも縁深いところが話題となっている。人類の歴史において、農耕による人口集積と階級社会の出現は、文明を形成するための大きな要因となったわけであるが、それがどうしてユーラシア大陸を中心に起こったのであろうか。
肥沃三ケ月地帯と言われるペルシャ湾からチグリス・ユーフラテス川を遡り、シリア・パレスチナ・エジプトに至る地域において、人類にとって必要不可欠な農作物のほとんどが栽培種となっていった。カロリーを得るために必要な穀物や豆類、それらを大規模に栽培するために必要な大型家畜、そして継続的に農耕を行なうために必要な土壌と水を運ぶ河川、、それらの要素が揃っていたのがこの地域であり、三大文明のうちの2つが興る必然があったのだ。
南北方向に比べて東西方向は、気候が似ていて季節のサイクルが同じということもあり、農作物や家畜の伝播が早く、やがてシルクロードによって中国の黄河周辺に興った文明とも接続する。ユーラシア大陸においては人口が飛躍的に増え、国家という概念が生まれて戦争も発生するようになる。そのためにローマ帝国や中国などは単一民族が支配する大型国家が生まれ、周辺地域にまで影響を及ぼすようになっていった。
日本においても、氷河期に大陸から歩いてきた狩猟採集民族である縄文人と、中国における農耕による人口集積から海を渡ってきた弥生人という、異なった起源を持つ人種がゆるやかに融合していった歴史がある。東日本は縄文文化が色濃く残る一方で、西日本では早くから天皇を中心とした国家が興り、武家社会となっていったのは周知のとおりである。
このような地政学や環境条件による歴史的必然を認識した上で、どのような未来をつくっていけば良いのか。過去と未来を繋ぐ現代人にとって必要な教養と言える。
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仕事が忙しくてなかなか読み進まなかった。最終的には上巻の方が面白かった。下巻は少し散漫で重複した内容と文章に感じた。上巻は5★に近い4★、下巻は3★に近い4★。
持つものと持たざるものは環境の差異によるものであって、生物学的な差異ではないとする考えを理解できた。
訳者のあとがきで知ったが、著者がカリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部生理学科教授であることには驚かされた。
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ヨーロッパより先に文明化したメソポタミアやインカ帝国が、何故滅ぼされたのか。その逆は何故起こらなかったのか。現代世界の不平等性を1万3千年前に遡って、銃•病原菌•鉄をキーワードに、スリリングに解き明かしてくれる。
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ついに読み終えたぞという感が強い。なれない固有名詞が多く、特に上巻の中盤では眠くなってしまったが、途中から加速度的に面白くなってくる。
下巻は民族移動について詳しい。民族生物学とか人種に基づく考察だけではうまくいかなくて、言語学を交えた考察が深くされてるんだけど、とても興味深かった。お気に入りはオーストロネシア人の、太平洋とマダガスカルへの拡散についての章。総じて、発見の塊みたいな本でした。
ああ、あとエピローグでは歴史科学について書いてるのが面白かったです。もしこのエピローグを読んだ人で科学としての歴史ということに興味がわいたら「系統樹思考の世界」を勧めたい。コントロールの入れようのない歴史学という分野において、現在では定量的な蓋然性の評価がおこなわれるようになっている。
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人類の進歩が何故均一でなく、地域による差異があるのかっていう話。それは人種の優劣ではなくて環境によるものだというのが筆者の結論。喰える植物と家蓄に出来る獣のおるところにうまれた奴が勝ったんだと筆者はいうとります。マァ、それはそうだろう。我々だって封建時代程じゃなくとも生まれた環境によってハンディはあったりするもんね。タイトルに引かれて、読んだけど、言ってみれば、それだけの本でした。
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論の立て方、視点のユニークさなど参考になる点が非常に多い
楽読しながら知的好奇心をくすぐられる
中立的かつ俯瞰的な視座を持ちたい
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なぜインカ帝国が滅亡したことをこれでもかと言わんばかりに丁寧な論述には、名著間違いない。
クドイ過ぎだよ。と言われてしまうとおしまいだが(笑)
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ニューギニア人ヤリの疑問
「あなた方白人は、たくさんのものを発達させて
ニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人には
自分たちのものといえるものがほとんどない。
それはぜだろうか?」
への解答。
1. 大陸間での栽培化、家畜化が可能な動植物の分布に差があった。
・ユーラシア大陸にはそれらが豊富にあったが
他の大陸には殆どなかった。
・穀物の栽培、家畜の使用によって余剰食糧の備蓄が可能になり、
非生産社会級の専門職を養うゆとりが生まれ、
技術や文化の向上に繋がった。
・その結果人口の稠密な大規模集団が形成され、
軍事面、技術面、政治面で有利になって他の集団を圧倒した。
*オーストラリア、南北アメリカでは人類が移住した頃に
前後して大型哺乳類が絶滅し、アフリカ大陸では家畜化に
適した性質の哺乳類がほとんどいなかった。
2.伝播、拡散速度の違い
・ユーラシア大陸は東西に長いが、アフリカ、南北アメリカ大陸は
南北に長い。南北方向への移動は気候の変化が大きいため
困難を伴い、時間がかかる。
東西方向には比較的障壁が少ないので
素早く伝播、拡散が起こる。
3.大陸間での伝播の困難度の違い
・オーストラリア大陸は海洋による隔離の影響が大きかった。
4.大陸の大きさ、総人口の違い
・人口が多いほど、文化や技術を発明する人間も増える。
また刺激し合うことでより発展の速度が増す。
・人口が多いほど、多くの病原菌に触れる事になり、
死者も出るが抵抗力を持っ機会も増える。
以上のことから、著者は
「人類の進化の差は人種の優劣によるものではなく、
置かれた環境による影響が大きい。」
と結論づける。
ごく自然な結論であるが、
現実に圧倒的な征服者である欧米人が人種優勢論を唱えることは
現代に於いては道徳的なタブーであるのだろう、
そこは非常に気を遣って何度も否定しているのが印象的だった。
また、同じユーラシア大陸の中でも、先に文明が発達した
メソポタミアと中国がヨーロッパに追い越されてしまった
理由については、次のように考察している。
・メソポタミアは最初に穀物の栽培に成功したが、
少ない降雨量と低い森林再生率によってやがて生産力が
低下してしまい、文化の中心が西へと移っていった。
・中国は早くから統一王朝ができて中央集権化が進み、
国内の権力闘争の影響を受けて海外渡航を禁止し、
孤立政策をとってしまった。
対してヨーロッパでは多くの国が存在したため、
他の大陸への探検を認める君主もいた。
それがコロンブスなどの遠征を可能にした。
つまり、持続可能な食糧生産と、
政治的多様性を持ち得た集団が、
生き残ったという事だろう。
現代に生きる我々にとっても、
ここから学ぶことは多いように思うん��けどなぁ。
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『銃・病原菌・鉄 下巻』を読んで、全体を通読。
著者が医学部の先生というのも、訳者あとがきで知った。どうりで、訳本にしては論理的で読みやすいと思った。理系の人の本は概して読みやすい。
全体を通じて、著者のいいたかった結論。
(1)ヨーロッパが近代化の成功したのは、人種的な差ではなく、環境の違い。
(2)人類の歴史において、差がでたのは、野生の植物で栽培に適したものがあったか、家畜になる野生の動物がいたか、新しい栽培種や家畜が移動しやすい大陸の形をしていたかによって違いがでる。ユーロシア大陸は他の大陸に比べ、穀物になる野生種がおおく、牛、馬、羊などの家畜にできる野生動物がたくさんいたこと、新しい家畜、穀物が移転するには、南北に長い大陸より東西に長い大陸であるユーロシア大陸が有利だったこと。(p363)
(3)ユーロシア大陸の中では、中国は統一が進んでいたため、新しい技術が発明されていても、政府が一律的に禁止してしまい発展がとまった。これに対して、ヨーロッパは多数の小国に分かれていたため、統一性がないかわりに、新しい技術、新しい冒険などに支援する国を見つけることができたこと。(p382)
日本のことはあまり触れられていないが、日本人は遺伝的には、中国、南方、北方の三つの方向からの住民の混血だと言われている。このように、違う言葉を話す小規模なグループが、すくなくとも、小規模には殺戮をしたのかもしれないが、マクロ的には混血化したというのは、日本人の柔軟な優れた特性ではないかと思う。
日本民族とかいって肩肘はるのではなく、むしろ移住民にオープンな社会体質を誇りにすべきではないか。そのような他民族、あるいは他宗教への寛容性が、これからの日本人の活躍の場を広げるような気がする。
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人類13000年に渡る壮大な歩みを様々な視点から辿ることのできる素晴らしい読み物です。著者は自然科学の生態学や進化生物学を専門としていますが、父母の影響を受け途中医学や言語学も志していたこともあるため、この本の内容は疫学や遺伝学、文化人類学、地理的要因を基礎とした世界中の植物や動物の分布はもちろんのこと、言語学からの文字と技術の伝播についても詳しく述べられているのですから驚きです。事実を丹念に積み上げ検証を伴う科学的な手法を用いることによって、人類の歴史を単なるロマンに終わらせることのない説得力のある内容に仕上げています。
私は人類の祖先ホモ・サピエンスはアフリカで誕生したということをこれまで知識として持っていました。しかし、この事実はなんだか漠然とした違和感がありました。人類が誕生した土地なのに現在アフリカ地域は世界的にみると決して発展を遂げているとは言い難い、何故なんだろう・・・。著者もヨーロッパ人がアフリカに入植するのではなく、アフリカ人がヨーロッパに入植しなかったのは驚きである・・と述べていたりします。スタートで有利でいたはずなのに気の遠くなるような膨大な時間は因果関係を全く異なるものとしました。そこにはどういう要因が潜んでいたのか。俄かに知的好奇心が湧きだすのです。表題になっている銃や病原菌や鉄はその地域ごとの格差を生んだ象徴的な要因として登場します。スペイン人のインカ帝国の征服の場面などは歴史の必然性を物語っていて印象深いものでした。大陸ごと気候や地形の違いなど地理的条件に伴う人間の生活様式の違いが様々な社会を生み、それをその時々に合わせ取捨選択した結果が発展や孤立につながり、その結果として現在のような格差のある世界が出来上がったという論理が展開されています。
この中で技術の伝播を述べている章で、技術は非凡な天才がいたおかげで突如出現するものでなく、累積的に進歩し完成するものである。・・という内容にあらためてたゆみない名もなき人々の努力の積み重ねの上に私たちの今の生活が成り立っているのだと実感することができました。また環境とは全く違った文化的要因、最初は取るに足らない要因が定着してしまって恒久的に定着してしまうような現象も、タイプライターのQWERTYキーボード配列の採用の経緯を取り上げていて興味深いものでした。初めの些細な差異が時間の経過とともに大きな変化をもたらすという歴史の予測不可能な側面は、以前に読んだ「歴史はべき乗則で動く」の内容を思いださせるものでした。
壮大な人類の歴史を学ぶことは、そこに不変の法則を見出し、今に生きる私たちに何らかの示唆を与えてくれるのだろうと考えています。
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昔読みたかったのが、文庫版になってたから上下読んでみた。
人類史の謎と言いつつ、結局のところ「運」と言ってしまっていいような、いい意味でニュートラルな環境決定論ありきの長い考察。
それでも飽きずに読めるのは、自分自身(と研究分野そのもの)の限界を知りながら、トンデモ理論を持ち出さないであくまで整然と説明してくれるからだと思う。
憧れの美徳の一つ。(長い説教がなければ)上司にほしいタイプ。
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非常に興味深い考察。思ったより時間かかっちゃったけどww
これで、また新しいネタを仕入れることができた!
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上巻で人類史の根源は語り尽くされた気がする。
下巻は各大陸の具体的な発展の話だった。後は国家の成立について。
オーストラリアの特異性、中国の統一、アフリカの民族分布など。突然言語学レベルの研究になって面食らった(私は面白かったけど)。
結果論で考えてしまえば今の世界が必然的であるように思うけど、「なぜ違う道には進まなかったのか」と考えると深くなるのね。まったく無から食料生産、文字などの必要性に気づき、作り出した人々は凄い。
あと2000年くらいでアメリカでも文字が発達していったのかもと考えるのは胸が熱くなる。
どんなに未熟な古代国家でも、成立するのは人類の大進歩の証なんだね。
私としては古代宗教の話や「時間」の発見なども言及して欲しかったなー