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柚木草平シリーズ、
ルポライター柚木草平は、編集者の依頼により飛び降り自殺した女子中学生を調査することに。
悲しい話だった。
実業家で亡くなった少女の母親、少女の通っていた七宝焼のショップ経営者など、相変わらず美人で強い女たちが登場し、彼女たちに惑わされているようで自分を持っている柚木草平。
とにかくこの語り口、雰囲気が好きなんだといつも思う。
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少女たちの強い絆が柚木に深い悲しみを背負わせる。
ひっそりと身を投げた少女に何があったのか?永遠の38歳を描く、シリーズ最高傑作。
柚木草平シリーズの新作待望の文庫化です。前作から12年ぶりの長編だそうです。(刺青白書は番外編という扱い)
作品の時間軸としては、前作、「誰もわたしを愛さない」から数カ月となっていますが、12年の歳月を感じさせる事のない、いつもの世界となっています。冒頭の娘の加奈子との会話には、思わずクスリとさせられてしまいますし、オールスター総出演は嬉しいものです。(無理なく登場しているのが良い)
総じて、このシリーズ。ミステリー色が薄いのですが、本作では、何重にもひねりが加えられています。(本質的には、柚木草平のいいかげんさを楽しむ小説だと思います。)爽快感を得られる結末ではありませんが、柚木らしくて良いのではないでしょうか。
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元刑事のダメ記者が、少女の自殺を追う話。
話としては、無駄に長くてちょっとめんどくさいけど、主人公の会話が楽しい。登場人物全ての会話が楽しい伊坂幸太郎とは全然違うけど、それだけでも読む価値は有るかもないかも。
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樋口有介さんの作品の中で、柚木草平シリーズが特に好きですね。
まだ読み始めたばかりですが、450ページ以上あって読み応えありそうです。
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12年振りのシリーズ最新作だそうです。
需要のある時代になったので書いた、とのこと。
男女の性差がなくなってきておるこのご時世、ダメなおっさんである柚木草平が若い女性読者のハートを掴むのだ。
38歳という微妙な年齢設定に今更萌える。
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樋口有介「捨て猫という名の猫」読了。このシリーズで一番面白かった。エロシーンを出しそうで出さないストイックな日本版ハードボイルド。
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2冊目の柚木草平。
相変わらずののらりくらりとしたキザな会話、登場人物は癖のある美女ばかり。それも、みんなどこか歪んだ人ばかりで辟易します。
柚木の推理、というか物語の展開が強引だと思う。違和感を感じるのはわかる。でも、思いつきとか勘だとか、○○は不自然だろう?→○○はありえない、という決めつけとか、それで展開する物語は、ミステリーじゃないよね。まあ、ハードボイルドだからそれでもいいのかもしれないけれど、本で読むよりドラマで見る方が自然ではないかと思う。
それでも、普段テキトーな柚木が、真剣に心を傾けることもあるんだというのが意外であると同時に、納得させられる。そして、そこに引き込まれる。
それにしても、出てくる子供たちがあまりにも哀れで救われない。
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柚木シリーズ久し振りの長編とのことでしたが、期待を裏切らない内容でした。
でも麦ちゃんが舞台から消えるのが早過ぎたことが残念。
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「秋川瑠璃は自殺じゃない。そのことを柚木草平に調べさせろ」
編集部にかかってきた1本の電話から、柚木は女子中学生の自殺事件を追い始める。
やがて、真相にたどり着く柚木。
しかしそれは、身勝手な大人たちに振り回されたあまりにも哀しい少女たちの死でしかなかった。
2012年10月25日読了。
12年振りのシリーズ新作とのことで、懐かしさから手に取りました。
相変わらすの主人公と彼を取り巻く関係者たちに、違和感なくあっという間に世界に没頭。
ですが。結末は決して気持ちの良いものではありません。
親子関係が希薄だと言われている今の世の中ですが、いくらなんでもここまで非常な母親はいないだろうと思いたい。
フィクションの世界なのに、自分の中の怒りを抑えるのが結構大変でした。
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中年青春小説か。ストーリーはデジャブ感があるいつもの内容だが、結局たいていの新刊を(最近は文庫で)読んでしまうのは、会話の妙というか、諧謔性を楽しむためなのかもしれない。万人にお勧めできるわけではないが、私はまた読んでしまうのだろう。
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中学生が自殺する。そして「自殺ではない。柚木に調べさせろ」という電話が編集部にかかってくる。
前の「誰も私を愛さない」もそうだったけど、大人の事情というか欲望というか、勝手に振り回される子供の悲劇なんだろう。冒頭の柚木と娘のやり取りが、普通ではないはずなのに、読み終わったとたん、普通に平和に思い出されて泣けた。
どれだけ体が大きくなり、生意気な口をきくようになっていても、子供は子供で、無力なのだ。
大人が、その無力さを守ってやれないなんて。
とはいえ、柚木もまた無力なのである。
が、それは子供のそれとは別の、多分狡猾さといえるものなのだろう。
大人が、あえて目を閉ざすそれから目がそらせないから、柚木は酒を飲むんだろうなと思う。
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思った以上に大きな話になって意外でした。死んでしまった人は帰ってこず、物悲しさが残ります。シリーズもののようですが単品でも大丈夫。他の作品も読んでみたいと思いました。
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柚木草平シリーズ。長編作。
相変わらず美女ばっかり出てくるけど、それはこのシリーズのお約束ということで。ちょいちょい美女との会話に浮かれて話が脱線してしまう柚木だが、私はその柚木の軽口がテンポ良くて、味もあって好き。ミステリとしてもちろん面白いけど、このシリーズはこの会話の掛け合いがあってこそ、とつくづく思う。
そして今回、出てくる美女たちがそれぞれ結構なえげつなさで、結末はなかなかのハードなものに。柚木さんじゃないけど、久々に読みながら犯人に対し本気で怒りを覚えずにはいられなかった。事の真相を知れば余計に怒りがフツフツと。後味の悪い事件だったけど、それがヤサグレ中年男の柚木には妙に合うのかな。
長編作としては前作よりも間が空いたようだけど、需要は十二分にあると思うのでぜひぜひ書き続けていただきたい。
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樋口有介は、ずいぶん前。駅前の小さな本屋で、最初に『ぼくと、ぼくらの夏』、翌日に『風少女』を買って以来のファンだ。
ジュブナイルというか、青春の物語というか。ジュブナイルに毛が生えたみたいなw感じなところがいいんだと思う。
確か、2000年代の初め頃だったか? 中公文庫からポツポツ出てた頃も、本屋で見かける度買って読んでいた。
ただ、創元文庫の柚木草平シリーズの『彼女はたぶん魔法を使う』を見た時は、「あぁまだ樋口有介って書いてたんだなー」と妙に懐かしくw感じた記憶があるから、
その頃は全く読まない作家になっていたんだろう。
その後、その『彼女はたぶん魔法を使う』と『初恋よ、さよならのキスをしよう』を読んだのは何年前だったっけ?
いつ頃読んだか皆目見当がつかないくらいだから、内容もほとんど憶えてなくて、ただ、柚木草平シリーズはイマイチだなぁーという印象だった。
そう、なんかこう、物語の広がりが今一つ物足りない、みたいな感じ?
今一つ物足りないから、読み終わって、今一つ食い足りないんだよなぁー、みたいなw
まぁ、それは、樋口有介=青春の物語というイメージなのに、主人公が中年男という時点で、そもそも食い足りないみたいな、読者側の勝手な思い込みも大きんだけどさw
とはいえ、樋口有介だって年をとるわけで、ていうか、もういい加減いい年(知らないけどw)なわけだ。
いつまでも青春の物語を書くわけにもいかないだろうし。
ていうか、この本のあとがきで著者は「若くて綺麗な女性を嫌いな男がいたら、それはただのビョーキなんですから」と書いているが、著者のその「若くて」って、中一も範囲なの!?と、かなり引いた(爆)
ま、それはともかく。
いや、あまり、ともかくでもない気もするのだが、それはとりあえず横に置くとして、この『捨て猫という名前の猫』は、食いでがあるところがいいんだと思うた。
よくよく考えると、かなりエゲツナイ話なんだけど、主人公とその周りのアホバカえぇかっこしぃーな会話がそれを中和するから、読んでいて気分が重くならないのもいい。
というか、そのエゲツナイ事件や出来事も、過去の出来事や事件のその関係者の哀しみや葛藤、後悔、諦念、身勝手、執念等々、様々な思いが絡み合うことでそれが起きたというところに、青春にはない、それなりに生きた人ならではの哀感みたいなものを感じるのだろう。
最後の方で、登場人物の一人が語りで手である柚木に「私のことを、そんなにロマンチストだと思うの」という場面があるが、そこがまさにそれで。
それなりに生きている人なら、誰しも大なり小なり抱えていくことになる負の側面を情感で化粧してやることで、読者の心を優しさの方に振れさせているように思った。
そこに横溝正史っぽさを感じて、いいと思うのだろう。
そんな反面、真ん中くらいである登場人物が言う、「あの業界ってね、モデルもカメラマンもクライアントもコーディネーターも、全員がバカなの。二年くらいしかやらなかったけど、脳が半分くらい、溶けてしまったような気がする」という辛辣なセリフには笑った。
いや、その「あの業界」が本当にそうなのかは知らないが。
でも、今って、本当にそういう業界が多いよなぁーみたいな?w
ていうか、現在の状況を見ていると、そのことは、自分も含めて誰もが頭の隅において置いとかないとヤバイよね、なんてw
たぶん、渦中に入り込んじゃったら、目の前に見えるものすら見えなくなってしまうってことなんだろうなぁー。