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リーマンものは好きなジャンルです。このジャンルはスーツ萌えで人気集中なので、見る目もちょっと厳しくなったりします。
この話はリーマンものとして王道テンプレをみごとに踏襲していて、かなりコンサバ。でも、そこがよかったりします。
攻の黒木はアパレルメーカーで人気のティーンズブランド事業の部長。そんな彼と同期の椎名は新入社員時代からセフレの関係です。
椎名のいいところは、黒木の有能さを認め、嫉妬したりせずに純粋に憧憬している面です。とても前向きで性格のいい、かわいい受。そして、男らしくもあるのです。で、ちょっと天然。
ごくノーマルで常識的な椎名は、男同士だから黒木との恋愛はありえないと思い込んでいるフシが見受けられ、それが二人の関係に大きく影響している気がします。
それでも、公私共々の相棒として黒木の傍にいることに大きな喜びを感じているんですよね。胸がキュンキュンします。
一方、黒木は俺様の典型的タイプ。デートもHも主導権を握っています。でも、椎名に対してさりげに優しかったり甘かったりするところに萌え。
仕事でいくら隔たりができても、気にせず喜んで、妙なライバル心をむき出したりもせず傍にいて彼をサポートしてあげたいと考えている椎名。自覚はないけど、すごい「黒木ラブ」です。
ところが、そんなお気楽な椎名も年を重ねるごとにだんだん黒木にふさわしい男になりたいと考えるようになっていくのです。ちょっとマトモに目覚めたわけですが、黒木にしてみれば突然の独り立ちのように思えて、心中焦ったにちがいありません。
このあたりから、傲岸不遜だった攻の素顔がぽろぽろと垣間見えて、ちょっとかわいく思えたりしちゃいました。黒木が余裕かましてるようで、案外ものすごく必死なところがツボです。受に振り回される傲岸不遜な攻という図が楽しめます。
仕事ものとしても、きちんと描かれていて興味を引かれるものがあります。
ああ、ちゃんと仕事がんばってるなと受けとめられました。
エロは、もちろん「セフレ」前提なのでとても楽しめます。セフレでも、実際の関係はまるで恋人同士なので、悲しくもやましくもありません。ひたすら、ラブラブ。強引Hでかなり濃厚。
海老原センセの描くカッコいいリーマンの絡みシーンを拝めるのも、うれしいところです。