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元贋作師アニーシリーズ3作目。
納骨堂で壁画修復をしていたアニーは、その墓地にラファエロの真作があるという話を聞く。そしてその話を教えてくれた女性が行方不明となり、そのことが気になったアニーは彼女を探しているうちにその死体を発見する。そして、ラファエロ真作ではないかといわれた作品は贋作でもないデジタルコピーになっていた。
ラファエロの真作はあったのか、そのことを告げた女性は本当に自殺だったのか。マイケルとフランクそして今彼のジョシュの間で揺れ動きながら、アニーが例によって例によって手当たり次第に首を突っ込みながら暴走する。
今回はマイケルとフランクの出番こそ少ないが、全体の構成の中では重要な役目を果たしている。
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納骨堂で壁画修復中に出会った大学院生に、堂内にラファエロの真作がある可能性を告げられたアニー。
かつてその作品を贋造した祖父を守るためアニーは調査に乗り出すが…。
相変わらずアニーが元気でいい!
何て言うか、ちゃんと年相応の女性なんだよね。
危機の最中にも思考があちこち飛びがちだったり、彼氏がいるのに恰好いい男にフラついたり。
ダイエットのために美味しいピザの3切れ目を我慢したあと、怪しいヤツに閉じ込められた小部屋から脱出する際にお尻から地面に落ちる羽目になって、「あのピザの3切れ目を食べてお尻にもっと肉をつけておけば良かった!」なんて思うところ、もう最高!
すごく身近に感じる。
時々に挟まれる絵画や画家、贋作作りや修復に関する薀蓄も物語の邪魔にならない程度で、でもすごく面白くていいんだよね。
今回前面に謳われている贋作撲滅師との対決が、条件闘争みたいな感じでそれほど描写されず(アニーが行動する動機にはなっているんだけど)、またアニーの祖父との確執や、そのいやらしさが今ひとつ伝わってこなかったのが残念。
でも、物語のそこここに作者の美術に関する愛が溢れ出していて、美術好きーとしては高感度高し!
脇を固めるキャラクターもいい味を出しているので、楽しく読めるシリーズ。
4作目の訳出は未定らしいんだけど、是非是非!お願いします。東京創元社さん!
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最初内容がわからず辛抱して読まなければならない作品もありますが,最初から飽きさせない仕掛けがいっぱいあります。各章のはじめには有名な画家の名言が書かれてあり,その横にはその名言をすこし変えた言葉がアニーのおじいさんであるジョルジュ・ルフルールの名で書かれています。毎回出てくるこの名言が芸術と文学のコラボのように華を添えています。アニーが贋作という偽物づくりの職業でありながら(もと贋作師ですが)真実を明らかにしていくという相反するようなところが実によう仕上がっています。
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アニー・キンケイドのシリーズ3作目。
絵画をめぐる事情や知識が程よく書き込まれ、贋作騒動をめぐってスピーディな展開。
面白く読めました。
アニーは、画家兼擬似塗装師(フォーフィニッシャー)。
天才贋作師ジョルジュ・ラフルールを祖父に持ち、子供の頃は贋作も描いていた。
祖父が回想録を出版してしまい、頭が痛いのだが‥
今回、アニーはベルビュー墓地に隣接する壮麗な納骨堂で、壁画の修復の仕事をしている。
日系の大学院生シンディと墓地で出会い、ラファエロの名画「ラ・フォルナリーナ」の真作がこの納骨道内にあるのではないかという疑問を、投げかけられる。
まさかイタリアの国宝が‥?
ここにあるフォルナリーナは購入された古い模写のはずだが、見てみると何とパソコンで印刷されたものにすり替わっていた。
絵画泥棒でやたらとハンサムなマイケルに出くわしたアニーは、何かあると探り始める。
しかも、シンディは連絡がつかなくなり‥?
祖父とは仇敵の贋作撲滅師も登場。
アニーに脅しをかけてきます。
ラ・フォルナリーナの真作を探すしかない!ってホントにここにあるの?
2作目からモテ期で恋人ができたアニーだが、友人達はあまり似合わないと忠告してくる。
アニー自身も迷いがある一方、大家のフランクとは間の悪い大接近!?
フランクの意外な過去も‥
マイケルも泥棒は足を洗ったといい、仕事の誘いをかけてくる~?
アニーの進む道は?
章のはじめに、芸術家の箴言と並んで、それを茶化すような祖父の名言?が出ています。
ユーモラスで、いきいきした作風。
巻末には毎回、フォーフィニッシュの豆知識(この本では、大理石模様の着色)も。
広範囲の人に楽しんでもらえそう。
オススメです☆
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アート・ラヴァーズ・ミステリ・シリーズ第3作。
納骨堂の壁画修理を請け負い、夜間作業をしていたアニーの前に、謎の女子学生が現れる。納骨堂に飾られているラファエロの名画の模写が本物ではないか、という話を聞かされて驚くアニー。さらに墓場泥棒にも遭遇し、なにやら事件のにおいが……。
ユーモアあふれる文章は読んでいてとても楽しい。アニーが次になにをやらかしてくれるのか、ドタバタな展開から目が離せない。