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「ゆれる」プロダクションノーツを含む、
映画にまつわるエッセイ集。
読書の習慣はあまりないように書いているが
この人の文章はキレイ。
「夢売るふたり」についてもアレコレ書かれているのに
ついぞ「阿部サダヲ」の名が出てこなかったのだけが不満。
【図書館・初読・4/9読了】
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映画監督西川美和のエッセイ集。
10数ページ程度の連載をまとめたもの、数ページの軽い文章、
『ゆれる』にまつわるもの、その他監督業のことの4部構成になっている。
視点が深く鋭く、当然感性細やかなのが存分に溢れ出ているものの、
男性的というか、なよなよしたところのない、さっぱりくっきりした文章である。
小説を読んだ時にも感じた点。
どの話も示唆に富んでいて、はっとするような思考を見せられるけれど、
オーディションの話と、吉原で働く女性のインタビュー、松たか子とクレーン免許を取りに行ったエピソードが特によかった。
撮影に使ったドブネズミをペットにする助監督など、
西川さんを筆頭に出てくる映画人も魅力的である。
映画というものがどんな風に撮られるのかを垣間見ることができたのも新鮮。
軽やかで愉快な文章ながらとても太い芯が通っている、下手な物語よりもずっしり残るエッセイだった。
『夢売るふたり』のエピソードが多々出てくるから、
観てから読むとより楽しめるように思う。
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僕が日本の現役の映画監督で最も尊敬する西川美和先生のエッセー集!
『夢売るふたり』のウェイトリフティング役の女優がそれらしく見えるようにウェイトリフティングの練習をしていたらそっちの道に目覚めちゃった話がツボだった。そして、香川照之はやっぱりすごい!
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飾ることなく等身大の西川美和が垣間見れる、映画に関するエッセイ集だが、その感性と文章力が素晴らしい。
彼女の映画の成り立ち、映画に対する思い入れとバックボーンの一端が面白くかつ巧みな文章で綴られている。
映画の生みの苦しみは相当なものだろうが、まだお若いので、今後の作品(映画も文字も)を大いに期待したい。
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華やかで大衆娯楽の花形だった古き良き映画界と観る人の価値観や楽しみ方が多様化していくこれからの映画界の狭間で語られるあまりに一般的な映画監督のイメージからかけ離れた西川さんの映画にまつわる⚪︎⚪︎の話が親しみやすくて楽しめました。
西川さんの映画のテーマはちょっと重めなイメージで敬遠してたけど今度観てみようかな…(。-_-。)
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映画にまつわるエッセイ集。ただし、後半は映画をネタにして、様々なところで発表した雑文で埋められている。「映画にまつわるX」だけだったら、読み応えがあったんだけど。
と、不満もあるが、日本で「女映画監督」という職業人って、有名所ではこの人だけじゃないの。そりゃ、いろんな苦労や嫉妬もあるだろうけど、それをさらっと脇に流せる才能がこの人のすごさ。
個人的には松たか子とフォークリフト免許を取りに行ったエピソードが一番のツボだった。
そして、近年のエッセイ集では避けて通れない「3.11」のこと。映画関係者として何ができるかを自問し、行動した結果、映画人としての無力さを感じつつ、自分には映画しかないと決意する。
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「ゆれる」や「デイアドクター」で好きになった映画監督のエッセイ集。小気味良いのは、ブラックな事もさらりと本音で書かれていると言う事。個人的には、松たか子さんとフォークリフトの免許を取る章が一番好きだった。
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映画監督であり、小説家でもある西川美和さんのエッセイ集。
Xについてのパートは正直ウトウトしながら読んでしまいました。しかし、後半の日常にまつわるお話や、映画『ゆれる』にまつわること等は、面白く読むことができました。
映画をつくる裏側はなかなかわからないので、興味深いです。心の内を吐露していながら嫌味でない、しかし詩的な表現もあり、好きなフレーズがたくさんでした。