電子書籍
もう一つの進化の仕組み
2016/10/25 07:10
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投稿者:せいけん - この投稿者のレビュー一覧を見る
自然淘汰と突然変異によらない、もう一つの進化の仕組みが、わかりやすく解説されている。分子生物学にまで踏み込んだ個所もあるが、進化論に興味がある人にはオススメ。
紙の本
基礎科学へと
2015/12/31 23:04
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投稿者:タヌ様 - この投稿者のレビュー一覧を見る
よく手を入れた本である。著者の実学の流行りよりも基礎科学をというあとがきが印象的であり、はしがきの源氏物語も教養を語るに十分であった。
内容はさほど難しくない、高校で生物や化学を文系程度しかやってなくても理解できる。DNAを包むたんぱく質の出現する遺伝形質にあたえる機能など全く知らなかったし、この分野の学問の進歩には驚かされるものがある。
iPS細胞や再生医療に目が向きがちななか、基礎的な学問の進歩から展開されて医療や薬学など幅広い分野へと応用されているのだという実例は、基礎科学へのお誘いとして高校生の理科志望によい本である。
紙の本
DNAの配列を用いて多様な表現型を生み出す「エピゲノム」について分かり易く解説した書です!
2020/02/17 09:22
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、DNAの配列を用いて多様な表現型を生み出すシステムである「エピゲノム」について分かりやすく解説された科学書です。同書では、私たち人間も含め、すべての生物は「エピゲノム」を獲得することで、環境に従順に適応する力、複雑な体を作る能力、記憶や認知能力が得られたと著者は言います。この「エピゲノム」は近年の技術進歩によって、その機能や仕組みがより詳細に明らかになってきました。それを同書では、余すところなく解説しています。「エピゲノム」についてわかる画期的な一冊です。
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エピゲノムに関しての入門書が少ないので貴重だが、例え話が多く、しかも長いのが気になる。肝心の本体の内容の方が説明が短くて分かりにくい。
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わくわくしながら読みました。おもしろかったです。
たぶん、現在市場にあるエピジェネティックについての一般書として最良の本ではないでしょうか。
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分子遺伝学のホットトピックであるエピジェネティクスを紹介した一般書の中ではかなりオススメできる本.高校生物程度から解説が導入するので,じっくり読んでいけば理解できると思います.
ただし,用語は大学レベルのものがガンガン登場するので,重量感のある印象をうけるかも.読み切るのは簡単ですが,この本の内容をマスターするには教科書を読むのと大差ないほどの努力を要するかも知れません.
これまではラマルクの「獲得形質の遺伝」の否定に見られるように,生後の自分の行動や努力が,遺伝的に自分の子供へと与える影響は無いとされてきました.
しかしそうした社会的な影響もエピジェネティクスを介して遺伝的に後世まで継承される可能性があることが分かってきました.これは単なる生物学の発見だけでなく,我々が社会生活を営む意味を考える機会にもなりますね.
より詳しく学ぶ場合は『生態進化発生学』などがオススメです.
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エピゲノムって何?から始まる、初心者向け遺伝子生物学。
題名の面白さから手に取ったんですが、高校時代生物は苦手だったことを思い出しました。合間に入る閑話休題みたいな話は面白いんですが。普通の人は100万色を認識出来るが女性の8人に1人はスーパー色覚を持ち1億色認識出来るらしい。世の中はどんな風に見えるんだろう?
ゲノム刷り込みによる染色体とか優劣による染色体とか事例を交えた話も面白い。鼻が私に似ていて気に入らん!とか言ってる娘の染色体はどうなってるんだろう?
DNAがらみのSFも多いし一読の価値は有るかも。
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当方にとっては難しすぎるという意味で★3つ、この本の価値では決してないと思いますのであしからず。
初心者向けか、、、大学受験で生物を選んだレベルでは、この本で言うところの初心者には当たらないものと思われる、無念、、、
ただ最後半はなかなか面白い、著者が非常に俗なレベルに話を落としてくれているからだろうな。
それにしても科学とは「我々はどこから来たのか、我々は何者か、そしてどこに行くのか」を知ることですか、自然科学は今もって学問として成立していますなぁ。
それに比べて人文系でこのような純で壮大な目的を高らかに宣言することは最早稀じゃないかな、やはり共産主義の崩壊という現実が「社会科学」の息の根を止めたのかも。
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最近の生命科学の発達は著しく、なかでもDNAにまつわる研究は枚挙に暇が無い。様々な病気や、障害の原因DNAが次々と発見され、素人目には、まるで寿命から知能指数、性格に至るまで、ほとんどすべてがDNAで決まってしまうような錯覚に陥る。しかし、だからといって一卵性の双生児が、まったく同じ人間に成長することはなく、例え、その一人が遺伝性の病気を発症したからといって、もう一人も必ず発症するということはない。そもそも、自分たち一人一人の身体がすでに、全て同じDNAを持った細胞の集まりであるにも関わらず、個々の細胞はまるで別々の形をしていて、種々の働きをこなしている。さてもいったい、個々の細胞のDNAはどのようにして発現しているのか。最新の研究結果の明らかにする「DNAだけでは決まらない新しい遺伝学」=エピジェネティクスのダイナミズム。なぜ、三毛猫のクローンは成功しないのか、女性が遺伝的に強いのは何故か、スーパー色覚発現の条件から、老化、社会的遺伝に至るまで、興味に事欠かない濃い一冊。DNAを突き詰めるほどに、生命は、機械的でも、宿命的でもなく、自らの意志と、めぐりあわせの偶然が織り成す奇跡だと信じさせられる。
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「エピジェネティックス」という聞きなれない世界を紹介しようとする本著だが、組成式や構造式が多く紹介される前半では手にしたことを軽く後悔した。終盤は生活習慣病やアンチエイジングといった身近な話題が取り上げられ、それらと密接にかかわるエピゲノムについて少し理解できた気にさせてくれる。
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DNA だけに頼らない遺伝の仕組みについて、素晴らしい文章で綴られている。良い入門書の典型だと感じました。
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一卵性の双子は全く同じ遺伝子を持つのに、微妙に違うのはなぜ?その答えはエピゲノムにあり!話題のエピジェネティクスについて楽しく学べる本です。
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エピジェネティクスの最新の話題が詰め込まれていて、ある程度話をかじったことのある人にはいい本。それでも難しかったので、まったく予備知識のない人には中盤以降きついかも。レビューの論文を読んでいるよう。ただ源氏物語からの導入はとってもわかりやすくて、洒落ている。
飢餓状態への対応策としてエピジェネティクスが進化してきた可能性って、おもしろい。ホルモンの話でもそうだけど、わたしたちのからだは栄養の獲得という観点で作られている面が大きいんだなと改めておもう。それは生物として当然の摂理だけど、飽食の時代をもし何万年と生き抜いた人類がいるとしたら、どんな進化を遂げているんだろう。
ミツバチの話は初めて知った。食べ物によってあそこまで形態が変わることもあるなんて、エピジェネすごすぎる。
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ここ数年の最新の研究で明らかになってきた遺伝の仕組みについて解説した本です。
DNAは不変的なものではなく、その生物を取り巻く環境によってDNAそのものやその周囲が変化する。その変化は細胞分裂や世代を越えて継承される。
大学の時読んだ生物の教科書では、ヒストンというタンパク質はDNAを巻き付けているだけ、イントロンはDNAタンパク質をコードしていない無駄な部分とだけ扱われていたのが、実は遺伝子発現にダイナミックに関わっている。
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「DNAの偽装」エピゲノムは同じDNAの配列を用いて柔軟で多様な表現型を生み出すしくみ。遺伝の概念を覆す生命科学の最前線を紹介する。