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○「女性、そしてすべての人に教育を」と立ち上がった少女、そしてタリバンに撃たれた少女、マララさん。
○この副題にもあるように「タリバンに撃たれた少女」としてマララさんを知る方は多いのかもしれません。しかし重要なのは「教育のために立ち上がり」のほうです。彼女はどこにでもいる少女で、友人と冗談を言い合ったりもする少女。けれど彼女は、政府や警察などのあらゆる公共機関が働かないなか、本来解決されるべき現実の問題に目を向け、そのために声を上げ続けているのです。
○全体を通して感じたのは、彼女がすごいのは、行動力もそうですが、なによりその洞察にあるということです。片方では、勇敢なパシュトゥン人としての誇りをもち、故郷のスワート、そしてパキスタンという国、そこに暮らす人々をとても愛しています。敬虔なイスラム教徒でもあります。けれど、彼女はそれらに対する批判的な視線もきちんと備えているのです。たとえば彼女は、ただ単に、タリバンのような人たちを批判しているだけではありません。この本では、タリバンによって殺された踊り子の女性を傍観している人々の内面をも描き出しています(2部12章)。
○自分の属する社会、コミュニティを”理性的に”批判することは、じつはとても難しいことだと思います。ですが、彼女と彼女の周りの人々はそれをしている。それが広まれば、どれほどの脅威になることでしょう。教育の重要性とは、ここにもあるわけですね。
○ですが、その活動を間近で見るお母さんの気持ちになると、読んでいて感極まるところもありました。
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2012年10月、パキスタンのタリバン支配地区で、15歳の少女マララは下校途中に頭部を撃たれた。
生存はほとんど絶望しされたが、その後奇跡的に回復し、9か月後には国連本部で教育の大切さを訴える演説をおこなった。
ノーベル平和賞の候補者にも名が挙がったマララ・ユスフザイ。
彼女自身によるこの著書には、この大きくニュースで取り上げられた一連の出来事の理由や背景事情が詳しく書かれている。
女性が笑い声をあげることは禁止。マニキュアをしているだけで牢屋に投獄され、女子の学校は次々と爆破された。
女性が教育を受けることは許されず、外出も家族や親族の同伴がなければ許されない。
また欧米先進国を感じさせる文化は堕落したものと否定され、テレビやCD、DVDは没収し燃やされた。
街の繁華街からは賑わいが消え、タリバン兵士だけが目を光らせて歩きまわる・・・
西洋の事情にも詳しい学校長の父のもと、開明的な教育を幼少時からマララは受け、教育と自由の大切さを討論会やブログなどで積極的に訴えた。
やがてその活動は欧米メディアに注目され、海外の報道関係者から積極的にインタビューを受けるようになる。
しかしやがてその活動はタリバンから危険視され・・・
一時の勢いは衰えたとはいえ、今なおタリバンはパキスタンやアフガニスタンで反政府運動やゲリラ活動を行い、多くの教育関係者が殺害されている。
イスラム原理主義を奉じるタリバンから見れば、女性はまるで家畜と人間の中間の存在のようだ。
しかしマララは本書で、本来のイスラム教は女性に対して、教育や商売、文化的な活動を認めておりイスラム教を危険視しないでほしいと訴えている。
英語はもちろん自国語のほか、コーランのアラビア語原著を読めた彼女だからこそ、分かりえた事実だったのだろう。
現在は手術をうけた英国にそのままとどまり、学校に通いながら活動を継続させている。
しかし今なおタリバンは彼女を殺害対象から外していない。
信仰心厚く、毎日アッラーに祈るマララ。彼女の祈りは世界を少しずつ動かしている。
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スクールバスに乗った女の子がテロリストに狙い撃ちされるなんて。2012年10月9日、パキスタンでの出来事だ。学校を破壊し、女子に教育を受けさせないようにする者たちが現代に存在している。恐ろしい現実だ。
学校で学べることは本当にありがたいことなのだ。
銃弾を受けながらも奇跡的に生き延びたマララ・ユスフザイは2013年7月12日、16歳の誕生日に、国連本部でスピーチした。「社会の半数の人間が抑圧されていたら、なにごともうまくいくはずがありません」
本とペンを持って闘おうという彼女の呼び掛けが胸に刺さる。
読むべし。
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彼女の強さを、少し分けて欲しいと思って、これは読みたいと思った。マララは親から受けた教育は素晴らしい。両親の考え方、伝えた言葉が、マララを作っている。学校は大切だから、パキスタンにもっと学校を!女子にもっと学校教育を!と思うけれど、この地域ではまず大人が教育を受けていないかったり、固定的な考え方を持っていたりするので、これは、学校を作ればいいという話ではない。
こういう社会において、教育とは何かを考えると、教育の本質に出会える気がする。
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マララのように、強くて芯のある女性になりたい。日本で普通に生活していては、決して知り得ぬパキスタンの内情が知れる。
イスラムの世界は想像をはるかに越えるものだった。
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2014年一冊め。女の子にも教育を!と世界に訴え、タリバンに撃たれたけれど、生き残った少女マララ。なんかもう壮絶すぎて何いってるかよくわかんないんですけど状態。タリバンとかパキスタンとか、知らないことだらけ。ただ、私エリートですアピールがすーごい。そこさえ我慢できれば、良本。
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読了しました。
16才の少女マララは、第二の人生を歩み始めている。第一の人生は、タリバンというテロリストに破壊されてしまった。彼女を通して語られるパキスタンの現実は、あまりにも酷く絶望感に満たされる。でも、彼女はその問題も教育の力で変えることができると信じている。新たな生命を得た彼女は、国連で「全ての子ども達に教育を与えて欲しい」と呼びかけた。『教育こそ唯一の解決策です。まず教育を。』
涙が止まりません。。。
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教育、宗教、テロ、性差別、、、色々と考えさせられる。
“ひとりの子ども、ひとりの教師、一冊の本、一本のペンが、世界を変える”
まさにその通りだと思う。
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「すべての子どもたちに教育を」と、タリバンに命を狙われながらも、
活動を続けるマララさん。
マララさんの勇気に心打たれました。
私たち日本人は、教育を受けられることが特別だなんて
思いもしないけれど、同じ地球上でも、国が違う、宗教が違うだけで、
教育を受けることができない女の子たちがいる。
ましてや、当然であるはずの教育を受ける権利を
主張するだけで、命を狙われるなんて…。
「ひとりの子ども、ひとりの教師、一冊の本、そして一本のペンが世界を変えるのです。」
私たちにも何かできることがあるはず。
これは、私たちに関係のないことではないのだから。
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マララユフザイちゃんの自伝。マララちゃん16で今年17か、結構年が近いな。
"男は伝統的なウールの帽子をかぶって、顔にはハンカチを巻いて鼻と口を隠していた。風邪ひきみたいだ。大学生のようにみえた。バンのうしろにはドアがない。男はうしろからとびのって、身を乗りだしてきた
「どの子がマララだ?」男が厳しい声でいった。
みんなは黙っていたけど、何人かの目がわたしをみた。
それに、顔を隠していないのはわたしだけだった。
男は黒いピストルを構えた。あとでわかったけど、コルト45だったらしい。何人かが悲鳴をあげた。モニバがいうには、わたしはモニバの手をぎゅっと握った。
友達の話によると、男は続けざまに三発打った。一発目はわたしの左目のわきから首を通って、左肩のあたりで止まった。わたしはモニバのほうに倒れた。左の耳から血が流れた。残りの二発はそばにいた仲間を撃った。一発はシャツィアの左手に、もう一発は、シャツィアの左肩を貫通して、カイナート・リアズの右上腕部に当たった。
あとで友だちからきいた。男のピストルを持つ手は震えていたそうだ
病院に着く頃には、わたしの長い髪も、モニバの膝も、血まみれになっていた。
どの子がマララかって?マララはわたし。そしてこれがわたしの物語"
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タリバンに銃撃された16歳の少女の話。
パキスタンやタリバンの過酷な状況をここまで
具体的に知らされたのは衝撃的でした。
マララの国連での演説の内容はよかったと思います。
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マララさんが撃たれた背景にある、パキスタン情勢も書かれており、銃撃がなぜ行われたのかも知ることができる。教育が受けられる権利の重要性を改めて実感した。
日本語訳も非常に読みやすかった。
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この本を読むまでは、マララさんのイメージと言えばハッキリとした主張をしていた女の子と言う程度だったことしか実感できてなくて、何だか私自身を恥じるような気持ちで読み進めた。
日本のように当たり前の教育すら受けられず、教育が平等に受けられることを訴え続け、タリバンからの銃撃にも多くの支援により奇跡的に助かり、彼女の再起で再び訴えるパワーの源にしている姿に頭が下がる。
国連でのスピーチの堂々たる姿には、こんな経緯があったことを改めて知る。
どんな逆境に置かれても、信念を貫く強さあってこその一つ一つの言葉に重みを感じる。
マララさんが投げかけた言葉が世界を変えるきっかけになって欲しい!
生きてくれていて本当に良かった。
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帯文:"女性が教育を受ける権利を訴えて、イスラム武装勢力に銃撃された16歳の少女の日記。"
目次:プロローグ 私の世界が変わった日、第1部 タリバン以前、第2部 死の渓谷、第3部 三発の銃弾,三人の少女、第4部 生と死のはざまで、第5部 第二の人生、エピローグ ひとりの子ども,ひとりの教師,一冊の本,一本のペン
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すべての人がこの世界に対する影響力を持っていることを理解すべき。
想像を絶する過酷な環境で教育・女性の権利を求め続けるマララは私たちにとてつもない勇気を与えてくれる。