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久しぶりに、読み終わってゲロりそうになった漫画です
もちろん、つまらなかったのでなく、ヤヴァいほどに面白かったからですが、こんな結末アリかよ、と喉が裂けるほど叫びたくなるほどでした。ある意味、外さないアンチハッピーエンド?
単に、戦争の悲惨さを描いているだけの、お約束の漫画じゃないですね、これは。「戦争はしちゃいけない」なんて、定番のメッセージすら感じられません
ともかく、生と死だけが、咽ぶほどに充満しています。命が散る表現と命を散らす描写がエグい。ジャンルこそ大きく違うが、『世界鬼』や『進撃の巨人』に匹敵するほどの凄惨さとやるせなさ、無情感がどのコマにも溢れ、詰め込まれていました
軽々しく扱っていい命も、丁重に扱うべき命も、良識も信念も殴り棄てて邪悪と異端の極地に立たなければ、自身の明日を確保できない戦場には、有りはしない、と思い知らせる内容でした
戦っても死ぬ、戦わなくても死ぬ
人の命も、生も、死も戦場では等しく、クズ以下だ
だからこそ、過去を背負い、未来に夢見ず、現在だけをただ一心不乱に生きる『覚悟』があり、自分がすべき事を『決断』できる人間だけが、生き残れる、身近な人間と赤の他人の屍の上に
この作品の世界は、あくまで内戦下ではあるが、規模は違えど、私たちも戦う事を強いられる状況にいるとも言えますかね?
人の上に立つ方法や、清濁併せた手段で勝つ方法も、この漫画の中にはないです
あるのは、純粋なまでの生存本能に対する執着の必須性
生き残る意思を自身から捨てる者が、生きられる世界など何処にもありはしないんでしょうね
ホントに、つくづく異端な漫画です
内容が内容だけに、子供にゃ読ませられないけど、かと言って、大人でも結構、胃と心に圧し掛かってくる漫画でした
今の日本に、必要な漫画の一冊に推したいです