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小さな異邦人

小さな異邦人 みんなのレビュー

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みんなのレビュー41件

みんなの評価3.7

評価内訳

41 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

ミステリの名手は最後まで衰えず

2014/03/12 08:47

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぎわ - この投稿者のレビュー一覧を見る

同じ女性を同じ晩に同じ場所で複数の人物が殺す『私という名の変奏曲』、異様な復讐を描いた表題作を筆頭にトリッキーな(いっそトリッキーすぎると言ってもいい)短編揃いの『夜よ鼠たちのために』。大学時代にサークルで先輩たちに薦められてこれら連城三紀彦作品を読み、感嘆させられました。
 個人的に最も鮮烈な印象を受けたのは『瓦斯灯』所収の短編「花衣の客」。恋愛の心理とミステリ的な意外性が完璧に融合した大傑作だと思います。
 他には、誘拐ミステリ『人間動物園』も、往復書簡形式で逆転また逆転な『明日という過去に』も、とある家庭が舞台のショートショート連作という趣で分量的には平日昼下がりの帯ドラマにちょうどよさそうだけどもし実現したら変な意味で評判になりそうな『さざなみの家』も、とても好きです。

 そんな作者が昨年逝去。六十五歳なんて早すぎると嘆いたものの、本になっていない作品はまだあったのですね。ネットで検索したところ、長編すら何作も残っているようで、未読の既刊ともどもいずれ読みたいものだと思います。

 三年前に突飛な理屈で別れた妻の影を見る「指飾り」。
 地方駅で不審な挙動を見せる女と、彼女が指名手配書を見ていたその日の晩に時効となる殺人犯、そして彼女らに関わることになった刑事を描く「無人駅」。
 互いの夫の交換殺人が奇妙な結末に至る「蘭が枯れるまで」。
 悪夢が意外な形で収束する「冬薔薇」。
 妙な噂が立ちがちな上司と通り魔事件が絡む「風の誤算」。
 少女の経験するいじめと、彼女の母が幼い時に遭遇した父親の死亡事件が不思議な交錯を見せる「白雨」。
 同僚駅員との不倫旅行がおかしな切符盗難をもたらす「さい涯てまで」。
 八人の子がいる一家に、家族が全員いるのに誘拐電話がかかってくる「小さな異邦人」。
 短編ながらどんでん返しを秘めた作品が実に多く、期待通りにとても楽しめました。
 タイムリミットもありサスペンスフルな「無人駅」と、どこからこんな取り合わせとあの真相を思いついたのかと言いたくなる「白雨」が忘れがたいですが、一番好きなのは作者最後の短編という表題作です。「夜よ鼠たちのために」などで見られた、既成概念の拡大や転倒がこの作品でも用いられていて、被害者の見当たらない誘拐事件を鮮やかに成立させています。連城作品のイメージをいい意味で裏切る(過去にも時々こうした作品はありましたが)結末であったのも、うれしい誤算でした。

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2014/08/28 17:11

投稿元:ブクログ

+++
8人の子供と母親からなる家族へかかってきた1本の脅迫電話。「子供の命は預かった、3千万円を用意しろ」だが、家には子供全員が揃っていた!?生涯最後の短篇小説にして、なお誘拐ミステリーの新境地を開く表題作など全8篇。
+++
表題作のほか、「指飾り」 「無人駅」 「蘭が枯れるまで」 「冬薔薇」 「風の誤算」 「白雨」 「さい涯てまで」
+++

男女の愛の行方の哀しくも切ない物語たちであるが、なによりの印象は女性の強さである。どの物語でも、犯人であったり主役で会ったりする女性の芯の強さが際立っている。それは愛ゆえなのかもしれない。その辺りを丁寧に繊細に描きつつ、ぞくぞくする企みをそっと隠して、最後の最後に明かして見せる巧さは見事である。重たい曇り空が似合う雰囲気の一冊である。

2014/03/16 15:16

投稿元:ブクログ

小さなさざ波に巻き込まれ、それがいつしか大きな渦に呑みこまれて行く男女のねじれた愛憎劇が中心。艶のある文章と内面をえぐる心理描写のツイスト技で、読者を連城ワールドへ引きずり込む手腕はさすがの一言。短編だと大掛かりな仕掛けは期待できないけれど、その分旨み凝縮でキレがいい。

表題作の誘拐ミステリには驚かされた。「子供を誘拐した」というありふれた文句の活かし方が素晴らしい。結果的には強引な印象を受けても、プロセスの運び方と、そこに撒かれた伏線のレベルが高いから、完成度で納得させられる。

「花葬シリーズ」を思わせる『白雨』も秀逸。日本語に対する感覚が鈍っていきそうなので、定期的に読んでおきたい作家です。ご冥福をお祈りします。

2014/06/27 21:36

投稿元:ブクログ

どこかの書評で「名文!」と書いてあり、なんとなく興味を持って読んでみたが、ごめんなさい、やっぱりタイプじゃない。なんとなく時代錯誤感もあるし、文章も凝ってると思うのだけれども心に響かないというかわざとらしいというか。がんばって読んでいたがキツくなり、2編ほど抜かしてしまった。最後の、表題作が一番よかった。読んだことを忘れないように書いておく。

2016/01/15 09:21

投稿元:ブクログ

恋愛とミステリを絡めるのが本当にうまい。
「蘭が枯れるまで」がちょっとよく理解できないのは、恋愛人生経験が不足!?
「小さな異邦人」に出てくる一家(というか子供たち)が微笑ましいけど、これでいろいろ話作れそうだよね。

2014/04/20 20:47

投稿元:ブクログ

ミステリ短編集。しっとりとした雰囲気の作品から、ややコミカルな読み口の作品までバラエティ豊かです。
お気に入りは「冬薔薇」。まさしく迷宮に迷い込んだかのようなぐるぐる感がたまりません。その中で揺れ動く主人公の危うさもすごく好みだし、ラストの哀しさも印象的でした。

2014/03/17 23:38

投稿元:ブクログ

八人の子供がいる家庭への脅迫電話。「子供の命は預かった」。だが家には子供全員が揃っており……。
単行本未収録の作品を集めた短篇集。連城三紀彦ならではの、繊細な筆致と騙しの技巧との両立が素晴らしい。お気に入りは表題作と「蘭が枯れるまで」かな。

2014/08/17 18:49

投稿元:ブクログ

幻想的ながら本格ミステリで他に類を見ない作家であり、早い死が惜しい。この短編集も「蘭が枯れるまで」「冬薔薇」などに持ち味が発揮されている。7.0

2014/10/13 21:27

投稿元:ブクログ

男女間の複雑な感情の行き交いを軸に、意表を突く展開を盛り込んだミステリ短編集です。
ときに流れるような筆致で描かれつつ、トリッキーな真相を用意しているあたりは作者のさすがの巧みさだと思います。
「白雨」や表題作は特にくるりと翻る情景の鮮やかさがとても素敵だと感じました。「無人駅」は全体にただよう色っぽさというか、情感の含ませかたが素敵。こういう露骨ではなく漂わせる官能的な文章はとても貴重だった、と今こそ、思います。

2015/09/17 17:23

投稿元:ブクログ

8つの物語からなる短編集。どれも不思議な物語。元妻を追う男、時効を迎える男にまつわる話、同級生の交換殺人、夢か現実かわからない殺人、社内のウワサの張本人、母の死の真相、不倫旅行の真実、誘拐の真の目的、などなど。よくよく考えると、じゃああれは?と突っ込みたくなる所も多々あるが、推理小説ではないのでこんなものか。始めての連城作品だったので、直木賞の恋文も読んでみたい。

2015/11/01 11:25

投稿元:ブクログ

私の評価基準
☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
☆☆ 普通 時間があれば
☆ つまらない もしくは趣味が合わない

2015.10.31読了

亡くなられた連城三紀彦先生の

指飾り
無人駅
蘭が枯れるまで
冬薔薇
風の誤算
白雨
さい涯てまで
小さな異邦人

の8編からなる短編集。

タイトルの小さな異邦人を除く7編は、連城節の効いた、高度成長期を彷彿とさせる湿度のある小説です。
修辞句の多い、描写に情感のこもった、独特な雰囲気のある小説で、もう名人芸だと思います。
表題の一作は、最近の若い作者によく見られる感じの小説に仕上げていて、連城先生らしくない作風ですが、今風な、こんな作品も書けるんだよ、とのメッセージなのでしょうか。

言い古されたことですが、昭和は遠くになりにけり、ですね。
連城三紀彦先生の御冥福をお祈りいたします。

2015/01/10 16:06

投稿元:ブクログ

初連城三紀彦作品なんだけど、上手い作家だなというのが第一印象。

長年修行を積んできた熟練の職人の手による
懐石料理のような無駄なく端正に仕上げられた作品群。

美味しいんだけど、少量かつ薄味で物足りなさを感じつつ
ふんわりとした後味を残しつつ、次々と運ばれる料理で、
面白さというよりも、上手さが際立つ職人技を堪能するような短編集だった。

ささやかな心理描写の描き方がさすがに上手い。

2015/02/28 12:43

投稿元:ブクログ

わかりにくいなあ・・・私も年とともに深読みする力が衰えたのかも。ただ人生の微妙な色合いを描いていて、そこに今の私は興味ないということか。昔はよく読んでたなあ。

2015/10/03 10:06

投稿元:ブクログ

連城さん筆力があるから、ちょっとしたコネタを読ませちゃうんだよね。表題でもある「小さな異邦人」が、彼らしくないコミカルなタッチなミステリーで、うまいなって思った。それでも彼の小説はいまだに昭和の香りがする。

2015/04/10 13:34

投稿元:ブクログ

ひとつひとつが予想外の地点へ着地する、その繋がりが面白い短編集でした。ひやりやどきりとするものあり、微笑ましかったりするのもあり、どれも美味しくいただきました。
…著者様亡くなられていたとは、残念。

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