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この「100分de名著」シリーズにはまっている。毎月とても面白い書を選択してくれる。3月の「孫子」は何度も読んだり、中国制作のビデオを見たり、とても身近な存在だ。解説書はさまざまあるが、これはテレビと併せて読むようにしてあるので、とても分かりやすい。
孫子の真骨頂は、やはり「戦わずして勝つ」だろう。なぜ古典となり得たのか。具体例を一切取り上げないことで、孫武の思想の自由度を高めた。それは組織や経営にも当てはまり、時代が変わっても読者を獲得できたという。
次号のテーマは「万葉集」である。これもなかなか一息に読める作品ではないので、ここで取り上げられて幸いに思う。楽しみにしている。
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(2014.04.10読了)(2014.02.26購入)
100分de名著で取り上げられた中国の古典は、『論語』『老子』に次いでこれで三冊目です。
『論語』『老子』は、一端をかじったことはあるのですが、『孫子』は、はじめてです。
『軍師官兵衛』『風林火山』などで出てくるので、戦争をやる場合に必要になるのかということになりますが、詳細に述べているわけではないがためにいろいろと応用がきくようです。
戦わずして勝つのが一番いい、とか。戦うには、情報が大事だ、とか。また、『孫子』をもとに後世につくられた『三十六計』には、あれこれ検討した結果として、どうやっても勝ち目がなかったら、逃げろ、とか。
いろいろと仕事や人生で応用できることがあるようです。
【目次】
【はじめに】乱世を生きぬくための哲学
第1回 戦わずして勝つ!
第2回 心をつかむリーダーとは?
第3回 勝つための知略
第4回 勢いを作りだせ!
●孫武(4頁)
『孫子』は、春秋の五覇と呼ばれた諸侯の一人、呉王闔廬に仕えた孫武がまとめたとされる軍事思想です。
●最上の勝利(24頁)
およそ軍隊を運用する際の原則は、敵国を保全したまま勝利するのを最上の策とし、敵国を撃破して勝利するのは次善の策である。
●最善の策(26頁)
百戦して百勝するというのは最善の方策ではない。戦闘を行わずに敵の兵力を屈服させるというのが最善の方策である。
●将軍に必要な資質(32頁)
一番大切なのは「智」、つまり、情報を的確に分析し、冷静な判断を下せる知性だというのです。
二番目の「信」は、国に忠誠を尽くし、君主からも、部下である兵卒からも信頼される信義の心。三番目の「仁」は、部下を使い捨てにせず、隠密行動を行う間諜にも篤い愛を注ぐことができる思いやりの気持ちです。ようやく四番目にくるのが、敵を恐れず前線で采配を振るう勇気。そして最後に、規律を厳格に適用する「厳」が挙げられています。
●冷静に(35頁)
怒りや恨みといった感情は、いつか時間によって癒される。しかし、国家や人命は、ひとたび失ってしまえば二度と帰って来ないのだ
●勝敗(44頁)
たとえ戦いに勝っても、自分がいたからこそ勝利したなどということは決して言わない。手柄はすべて主君のもの。逆に、敗れたときには甘んじて罪を被る。
●勝てない場合(69頁)
勝算が立たないからここで潔く散りましょう、劣勢だから全員で討ち死にしましょう、といった発想は、『孫子』にも『三十六計』にも出てきません。
☆関連図書(既読)
「孔子『論語』」佐久協著、NHK出版、2011.05.01
「論語」貝塚茂樹著、講談社現代新書、1964.08.16
「論語の読み方」山本七平著、祥伝社、1981.11.30
「老子」蜂屋邦夫著、NHK出版、2013.05.01
「老子」小川環樹訳、中公文庫、1997.03.18
「タオ 老子」加島祥造著、筑摩書房、2000.03.25
(2014年4月13日・記)
内容紹介(amazon)
約2500年前の春秋・戦国時代の兵書として知られる『孫子』は、長く中国ではもちろん、日本の戦国武将やフランスの皇帝ナポレオンに影響を与え、今なおビジネスやスポーツの現場でも愛読されている。単���「戦術・戦略論」では語れないその大いなる普遍的世界観を読み解いていく。
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「彼を知り己を知らば百戦して殆からず」「風林火山」「呉越同舟」などで有名な孫子の概略が理解しやすい。
戦わず、敵地も温存して勝利をおさめるのが優れた勝ち方であり、そのために事前の情報や準備、戦略・計略を説く兵書から、その基本理念、リーダー論、数々の知略、組織論について取り上げる。
呉越同舟(協力すること)や(集団のエネルギーである)勢いなど、自分が誤解していることも分かった。
14-193
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この手の本は,現代社会の中でどう位置づけられるかと読む人は多いのだろうけれど,単純に経営者寄りでもなければ労働者寄りでもない作りになっているのが面白い.戦わずして勝つと言ってみたり,情報操作を是としてみたり.