投稿元:
レビューを見る
さっぱりわからない。私自身の勉強不足という点が最大の原因だと思われる。あと、奥泉光が苦手なのもあるが。分厚いだけあってかなり膨大な情報量で頭がパンク寸前。
投稿元:
レビューを見る
途中まではまずまず楽しく読んでいたのですが、中盤以降から出来事・事件の羅列になり読むのがツラくなってきた。
これじゃ歴史の教科書だよ。 もっと「私」自体を動かして欲しかった。
投稿元:
レビューを見る
次々と「私」が入れ替わって、増殖していく、まさに「東京自叙伝」だ。
混乱しながらもページをめくる手が止まらない、圧倒的なパワーを持つ作品だった。
投稿元:
レビューを見る
始め、とにかく語り口の文体が気になって仕方なかったが、そのうち、それが不思議なリズムとなって、全体に統一感を与えている感じがしてきた。面白い!物語は東京という土地の地霊の脈脈と受け継がれてきた記憶の羅列のようなもので、前半はなかなかに面白かったが、後半はあまりにも事件の羅列という感じで失速した感がある。それでも圧倒的な、日本人の精神にのしかかるような作品だ。
投稿元:
レビューを見る
途中までは面白く読めたのですが、
後半、次々入れ替わる『私』に飽きてしまったのか、
もはや私も流し読み。
前世の記憶がある『私』。入れ替わった人物
(人間じゃない場合もあるけど)として、
その時代の大きな出来事の一端に関わっているようです。
前世、過去の記憶で因縁の人・場所で繋がっているのは
面白かったのですが、その数が多くて混乱してしまう。
何度となく転生を繰り返して色んな経験があるせいか、
少々のことでは動じないというか、妙に図太いくて
都合が悪くなるといつの間にか、その人から離脱してる。
そして人の死には割とドライ。
東京に対してはとっても執着があるみたいです
(地霊だから?)。
転生回数が多いから、その分知識が蓄積されていると
言いたいのか「○○をやったのは私」「最初にしたのは私」と手柄告白。ふぅーん言ったモン勝ちなんだねぇー。
投稿元:
レビューを見る
この著者には苦手意識があった。「シューマンの指」がまるで楽しめなかったので。しかし今作は割りと楽しみつつ、サクサク読み進められた。
戦後の混乱期ぐらいまでは面白かったけど、その後はちょっとダレたかな。歴史の勉強にはなるけどね。
投稿元:
レビューを見る
東京の特定の場所に縁のある人物、あるいは動物に生まれ変わり、見てきた時代を語る、というまさにタイトル通りの物語。
江戸の武士から始まりる前半は、人物像が際立ったストーリーだが、後半は三億円事件の犯人やらジュリアナ東京のお立ち台で踊る女性やら、時代を象徴するありとあらゆるものに、ころころと姿を変えていく。こうなると、ストーリーそのものよりも、そんなことがあったねぇという、知ってる時代をおさらいする楽しさに変わる。
読後もやけによみがえってくる、独特なリズムの語り口調で繰り広げられる、特別仕立ての東京の歴史物語だ。
投稿元:
レビューを見る
江戸の終わり、明治の始まりまで「わたし」を中心に物語が展開されるわけですが、「わたし」という1人称でこれだけの時代を見るのは難しい。その仕掛けが面白かったです。
読み終わって見ると、あ~なるほど。タイトルどおり。と、思いますね。古い時代は当然見たことがないからわかりませんが、現代の描写は実感できるものがありますし、全般を通して、「東京」を通した世相がよく露されていると思います。
「わたし」は、結局、「東京」なんだなあと最後に気づきました。これを読むと、なんだか現代が「壊れてきている」ような気もして、社会というものを考えさせられる本でした。
投稿元:
レビューを見る
世の中は、なるようにしかならない。
だからといって、厭世的、自堕落になるのではなく、余計な過去や未来を気にしないで、「今この時間を一生懸命に生きる」のだ。
これが、まずもっての読後感である。
中盤から最後にかけては一気に読んだ。ページを繰る手が止まらない感じを久しぶりに受けた。
中盤あたりから、大勢の人の中でたくさんの「私」が出現して主人公の「私」を苦しめる場面が登場する。これは何を意味しているのか?野次馬的な私、いわゆるイデオロギーとは無縁の私、絶えず時流に掉さす私が増殖してきているということではないか。政治になんか関心ない、今がよければいいという人間が増えてきているということか。
主な章の感想を記す。
第2章。主人公は太平洋戦争時の軍人。「誠心誠意」はしかるべき人の前でこその「誠心誠意」とのことだ。なるほど、世渡りの極意か。これまでの自分を振り返ると、自己満足の「誠心誠意」ではなかったか。大いに反省すべきである。
第4章。戦後の政財界のフィクサー的な人物が描かれている。なんとなく実在の人物をモデルにしている気がして、巻末の参考文献を見ると、瀬島龍三という人物がいる。確か亡くなられたときの新聞記事で「これほどたくさんの機密を棺桶のなかに持っていった人物はいない」という趣旨の書かれ方をしていた記憶がある。あらためてネットで調べるとそのようである。日本の戦後の歩みにおいて、表舞台に立つ人もいれば、陰で隠然とした力を発揮した人もいたということか。ところで、日本テレビが推進しようとしたというマイクロウェーブ網構想は、今で言うところのインターネット網と同じではないか。アメリカを中心としているところまで同じだ。先日読んだ、「暴露」を思い出した。結局は似たようなことを繰り返しているのだ。
第5章。主人公はバブル時代を謳歌した女性。妹との比較が考えさせられた。姉は時代に流されながらも、今がよければいいとばかりに遊びまくる。が最後は自業自得で身を滅ぼす。妹はバブリーな世相には目をくれず質素に真面目に生きようとするが、挫折しオウム真理教にはまり、罪を犯して10年間服役する。何事もほどほどがよいということか。
感想にまとまりがないが、この小説はよかった。
歴史は繰り返すものだと思う。だからといってそれに抗っても仕方がない。なるようにしかならないのだから。
投稿元:
レビューを見る
初読。図書館。この表紙の鼠が隅にいるデザイン、いいね。歴史小説としてどの事件を取り上げているかという視点が面白い。ミョーに細かい事件までとりあげてみたりして。またその視点の皮肉まみれなところも痛快。突き放してるよね。
投稿元:
レビューを見る
地霊に東京の歴史を語らせるという趣向は面白い。ただ歴史をすらーっとなぞるだけなので、大きな仕掛けのあることを期待すると肩透かし
でも久々に奥泉光の「奇想」と「話芸」のコンビネーションが楽しめました。昔「我輩は猫である殺人事件」や「鳥類学者のファンタジア」を読んでわくわくした頃のフィーリングがちょっと戻った感じはあります。
投稿元:
レビューを見る
江戸時代から現代までのありとあらゆる「私」の自叙伝。けっこう飛ばし読みしちゃったけど、こんな小説読んだことなくて、何度でも出てくる「それが私です」に笑ってしまう。アースダイバーみたく建物や人を通り抜けて地面の奥の奥に、なんかその土地の衝動というか、まさになるようにしかならない大きい力の流れがあるような気持ちになった。
投稿元:
レビューを見る
三島由紀夫の「豊饒の海」を一面に響かせながら、まったく相反する輪廻の物語。幕末から現代までの東京が鼠からやくざにまで生まれ変わり、その流れの面白さの上、細部に渡って興味深い。一気読み。
投稿元:
レビューを見る
奥泉光の作品は読んだことがなかった。朝日の書評に載っていたのでいい機会だから読んでみました。
地霊がリビドーとなって暴れまわる。その様が東京の成り立ちとして語られている。なかなか面白い発想でした。
私は最近柳田国男全集を読み続けているのですが柳田の自己批判からの帰納法による改善の配慮から世界を見ていくのと対照的に地霊と言う発想からリビドーが織りなす世界をいささか表層的な東京の大事件を絡めながら書かれている。その辺を比較しながら読むといいと思った。
小説はほとんど読まないけれどたまにはいいかなと思った。
投稿元:
レビューを見る
ぶっ飛んだ内容で、
最初はなんじゃこりゃと思いながら
次第に引き込まれていくものの、
事件や出来事の中身は変わっても
話の展開がワンパターンすぎて
途中で飽きてしまった。