パスカル数学論文集 みんなのレビュー

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者：ちこ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は、16世紀にフランスで活躍した哲学者であり、数学者でもあったブレーズ・パスカルの論文を収録したアンソロジーです。パスカルは、神童として数多くのエピソードを残した早熟の天才で、その才能は多分野に及びましたが、39で逝去すると短命でで生涯を終えました。「人間は考える葦である」という名文句や、パスカルの三角形、パスカルの原理、パスカルの定理などの発見で知られる人物ですが、同書に収められた彼の論文を読むと、その精神や姿勢が垣間見られます。また、当時としては最先端の知識をもっていたことは想像に難しくないのですが、現代からすると、多くの誤りなども見られて、パスカルの人間味が感じられる一冊でもあります。「円錐曲線試論」、「巾数ノ和」、「数3角形論」、「単位数を母数とする数3角形の様々な応用」、「数序列論」、「連続数ノ積ニツイテ」、「巾数ノ一般的解法」、「A.デトンヴィルからA.D.D.S.氏への手紙」、「A.デトンヴィルからド・カルカヴィ氏への手紙」、「直角3線形とその蹄状体との理論」、「単純和、3角和、ピラミッド和の性質」、「4分円の正弦論」、「円弧論」、「回転体小論」、「ルーレット一般論」、「あらゆるルーレットの曲線の長さ」と多くの作品が収録され、読み応えは十分です！