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コミックからレポートからライトノベルまで、ごった煮感満載の短編集。収録作はこちら。
「緑の果て」手塚治虫
「虎は暗闇より」平井和正
「インサイド・SFワールド この愛すべきSF作家たち(下)伊藤典夫
「セクサロイド in THE DINOSAUR ZONE」松本零士
「上下左右」筒井康隆
「カラッポがいっぱいの世界」鈴木いづみ
「夜の記憶」貴志祐介
「幽かな効能、機能・効果・検出」神林長平
「時間旅行はあなたの健康を損なう恐れがあります」吾妻ひでお
「素数の呼び声」野尻抱介
「海原の用心棒」秋山瑞人
「さいたまチェーンソー少女」桜坂洋
「Four Seasons 3.25」円城塔
最初期からゼロ年代まで幅広く、内容的にも様々なものを詰め込もうとした努力は評価しますが、うーんちょっと統一感なさ過ぎかなぁ。いくつか心に残る作品はあったものの、読了後の充実感は「まぁこんなもの」ぐらいなところですヽ( ´ー`)ノ
といっても、激しくヒットする作品があればそれなりに読む価値はあるわけで、あとは単純に好みの問題かと。鴨的には残念ながら今ひとつな結果に。うーむ。
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とりあえず、桜坂洋『さいたまチェーンソー少女』だけ読んだ。鶯神楽によるコミックは読んだことがあるが、原作は初めてだ。物語を伝えるのに「脳内の情報を文字に変換するのは無駄が多い」、だが、イラストよりも無駄は少ないのかもしれない、そして無駄が多い手段だからこそ、読書は楽しいのだと思う。『All You Need Is Kill』よりも短くまとまったこちらが好きだ。他2篇と「書き下ろしを加えて近く書籍化予定。」こちらを待ってもよかったな。
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原宿ブックカフェをみていて筒井康隆さんの「上下左右」が気になって借りてみた本。
UFOが出て来るのですが、それよりも、こういう表現があるだなあというところが面白かったです。
SFで短編、もっと読んでみたいなあと思いました。
ブログはこちら。
http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/4748073.html
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秋山瑞人『海原の用心棒』、桜坂洋『さいたまチェーンソー少女』が読める。それだけでもファンにとっては嬉しいものです。6月24日は世界的にUFOの日。おっくれってるぅー!ファンなもので。
『海原の用心棒』は鯨が主役の海洋小説。『おれはミサイル』と同じような感じで、戦ったり逃げたり、生き様が凄まじい。
『さいたまチェーンソー少女』はコミカライズ版で読んでたんですが、小説だと、より疾走感が感じられました。
あと、筒井康隆氏の短編が独特で、NOVAの倉田タカシ氏みたいだな、とか思ったり。
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ちょっと読み終わってから間が開いてしまったのでお気に入りのメモだけ
上下左右はネタに気づいたときなるほどと思える発想。
さいたまチェーンソー少女はめちゃくちゃな設定ながら純情をも描いている。
Four Seasons 3.25は円城塔節ながらも男的には切ないおはなし。
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SFマガジン700号記念アンソロジーの国内編。漫画あり、エッセイありの幅広い品揃え。お気に入りは神林長平「幽かな効能、機能・効果・検出」、筒井康隆「上下左右」かな。編集後記を読むと『日本SF短編50』も欲しくなるのが困りもの……
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手塚治虫・松本零士の名作から、筒井康隆の実験的作品、貴志祐介の幻のデビュー作、「All You Need Is Kill」の桜坂洋の読者賞受賞SFなど、SFマガジン創刊700号を記念した新旧SF作家の短編アンソロジー。
編者が「編集後記」で記しているが、本書は過去のSFマガジンにおける名作を網羅しているというよりも、書籍未収録のものや知る人ぞ知る秀作など「隠れた名作」を収録した、という感が強い。とはいえ、過去から近年のSF作品の流れをこれ一冊である程度なぞることができ、個人的には楽しく読めた。以下、一作ずつ簡単に感想を書く。
◆手塚治虫「緑の果て」
宇宙もの。地球と異なる惑星での謎の生命体との出会い。若い男女(?)の悲哀の演出がやっぱりみごとだなと思う。
◆平井和正「虎は暗闇より」
現在だとこの作品はなかなか出せないだろうなという、書きぶりに時代を感じる作品。どこか狂気的なストーリーが印象的。
◆伊藤典夫「インサイド・SFワールド この愛すべきSF作家たち(下)」
エッセイ。当時の世界と日本のSFの状況が感じ取れる。皮肉めいた表現の端々に心くすぐられた。
◆松本零士「セクサロイド in THE DINOSAUR ZONE」
やっぱりというかなんというか、少年と謎めいた女性が話の中心。人間の起源に迫るタイムトリップもので設定が深い。
◆筒井康隆「上下左右」
4×5の各マスをアパートの住居に見立ててその生活ぶりを描く、活字の限界に挑んだ筒井さんらしい作品。結局何が結末なんだかよくわからないが、そのへんも筒井さんらしい?
◆鈴木いづみ「カラッポがいっぱいの世界」
女性どうしのとりとめのない会話が中心で、最初は正直読みづらかったが、読み進めるうちになぜか独特の感性が色濃い文章の雰囲気に惹かれた。
◆貴志祐介「夜の記憶」
「悪の教典」で私がすっかりはまってしまった貴志祐介のデビュー作。このアンソロジーを手に取った本当のきっかけ。だが内容はゴリゴリのハードSFで、「カラッポが~」よりも読み進めるのに苦労した……。しかし謎めいた世界観から結末に至るまでの構成は圧巻。やはりこの人はすごい。
◆神林長平「幽かな効能、機能・効果・演出」
主人公二人の軽妙なやりとりが、どこかアメリカのコメディSFを見ているようで面白い。理論立てて語られる文章にはいつも感心するばかり。
◆我妻ひでお「時間旅行はあなたの健康を損なうおそれがあります」
自伝的漫画。どこか自虐的で面白い。当時のSFファンってこんなものだったのかも、と思わせる。
◆野尻抱介「素数の呼び声」
ライトノベルの雰囲気を感じる、未知との出会いものSF作品。「~じゃないですか」のくだりには笑ってしまった。
◆秋山瑞人「海原の用心棒」
本アンソロジーではずばぬけてページ数の多い作品。だがクジラによる語り口調の文章は読みやすく、内容もミステリーっ気が最後まであって読後感がよい。
◆桜坂洋「さいたまチェーンソー少女」
「All You Need Is Kill」���原作者とみて興味をひかれたが、タイトルの通り設定が謎だらけ。でもその無茶苦茶さを説得力のある表現で書きつづっているのが面白い。R指定のつきそうな残虐シーンが満載だが、漫画化もされているそう。
◆円城塔「Four Seasons 3.25」
この方の作品は初めて読んだが、文句なしに一番読みづらい(笑)。いったいどうしたらこれほど複雑な思考ができるのかととても感心するとともに、自分の読解力の無さが恥ずかしくなった。結末の驚きも掲載作随一。
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SFのアンソロジーはこれでもかというくらい出た気がするけどもちろんこれもハズレなし。
特に秋山瑞人の「海原の用心棒」がとにかくよかった。「おれはミサイル」を読んだときにも感じた読後のせつなさがたまらなくて心から読んでヨカッたなぁ!と思った。
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楽しみだった短編集
まずはマンガの「緑の果て(手塚治虫)」 。蛇足がおもしろいな。
なかなかのスリル「虎は暗闇より(平井和正)」 も軽快でよい。
「インサイド・SFワールド・下(伊藤典夫)」 はエッセイだな。読み飛ばし。
「セクサロイドin THE DINOSAUR ZONE(松本零士)」 のタイム・バラドックスもなかなかだが、ありきたり。
「上下左右(筒井康隆)」 は意味不明。読む気になれない。
作者には少し興味があったが「カラッポがいっぱいの世界(鈴木いづみ)」 はイマイチかな。
なんせ最高なのが「夜の記憶(貴志祐介)」 。久しぶりに素晴らしい作品に出会えて感動!! 最後の人類とその未来。素晴らしい。余計な解説なく切り落としたストーリーに感服。素晴らしい!
「幽かな効能、機能・効果・検出(神林長平)」 もなかなかの作品だが、貴志作品の余韻があり、どうしても評価が落ちる。
マンガの「時間旅行はあなたの健康を損なうおそれがあります(吾妻ひでお)」 はまったくのゴミ。
これまた素晴らしいファースト・コンタクトものの「素数の呼び声(野尻抱介)」 。1.4GHz のウォーターホールだとか遊離酸素だとかの小物もおもしろいし、種の起源までぶっ飛ぶオチが切れ味抜群だ。
かなりいい味の「海原の用心棒(秋山瑞人)」 なんだが、長くてダレる。潜水艦、岩鯨ってのはいいんだがなぁ。
「さいたまチェーンソー少女(桜坂洋)」 のノリはイマイチ。好みではないな。
苦手な「Four Seasons 3・25(円城塔)」はやはり克服できずに読了。
貴志、野尻作品が最高だったな。ほかはまぁまぁ。
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秋山瑞人の「海原の用心棒」目当てなのでそれについて。
秋山瑞人と言えば寡作を持って知られデビュー作から未完という体たらくにミナミノミナミノの続刊は全く期待できてないが中編・短編は「おれはミサイル」「海原の用心棒」という陸海空三部作があり短編集という形で刊行予定とのことだが残り一編の「陸」の話がないまま時が過ぎている。
海原の用心棒は海を舞台に鯨と潜水艦の奇妙な出会いを描いた物語。話の展開は猫の地球儀に似ている。やはり巨大な圧倒的力を持ったものが戦う展開で語り手はそれを見ているだけ。思えば秋山作品の大部分はこの構図が見て取れる。キーワードは「憧れ」か?
読後感は相当良かった。やっぱり秋山瑞人の書く小説は面白い。もっと読みたい。
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なんとなく物足りない。自分が読んでなかった頃の話を楽しみにしてたのに、最近の読んだことかある話の方が好みだったせいだろうか。
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読後、頭までSFにすっぽり埋まりたくなった。筒井康隆と平井和正の作品がお気に入り。円城塔も好きだけれど、私の頭ではもう何度か読まないと面白くならない。
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よもや“海原の用心棒”が文庫に収録されて読むことができる日が来ようとは(あれ目から汗が…).10年,10年だよ…(正確には11年か).さて,これで陸海空3部作の空(おれはミサイル)と海が揃った.後は陸が出れば文庫になるはず.20年後に出ていると良いな…(すみません,他の作品群も粒揃いですが,何せ秋山瑞人作品が掲載されていることに比べれば瑣事なのです).
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日本SF界の礎にして最先端であり続けた専門誌〈SFマガジン〉の
創刊700号を記念したアンソロジー【国内篇】。
1959年の総監当時から現在までの掲載作品から、
平井和正、筒井康隆、鈴木いづみの傑作短篇、
貴志祐介、神林長平、野尻抱介、秋山瑞人、
桜坂洋、円城塔の書籍未収録短篇の小説計9篇のほか、
手塚治虫、松本零士、吾妻ひでおのコミック3篇、
伊藤典夫のエッセイ1篇を収録。
編者・大森望による「編集後記」も併録
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創刊700号記念で編まれたSFアンソロジー。
なんと、短編小説だけでなく漫画やドキュメンタリー的な作品まで掲載されていて良い意味で節操がない。
複数の作家が登場するメリットとして最大の部分は、このジャンルと読者としての自分との距離感がより分かりやすくなるということ。
好き嫌いもそうだし、何を求めてSFを読むかがよりハッキリする。
読んでみて、これから読んでみたい作家、きっと読まないだろうという作家など様々な印象を受け、良質なブックガイドとしても有用さがある。
単純に面白かったのは、16個のマスをマンションに見立て、1マス1マスが部屋となり各部屋で会話が繰り広げられる筒井康隆「上下左右」。
ヤリ始めたらマスが真っ黒に塗り潰される、そんな演出に思わず吹くw
フロイト理論を『ミステリーゾーン』タッチに仕上げた平井和正「虎は暗闇より」も読みだしたら止まらない。