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千里伝の第四巻 仙人総揃いの完結編
千里は最後の最後まで周囲に助けられながら、立派に成長している。
仁木さんは、「僕僕先生」でも世界のあり方を題材にしたところがあるが、どちらも、整然と統制されいつでも平穏な閉じた世界は否定され、喜怒哀楽すべてを受け入れる世界を、多様な人々が一緒に生きていける世界を目指しているようだ。
愛国心や宗教による排他的な感情が支配しがちな現在の世界、千里が欲したすべての人が争いながらも認め合い同じ天地に一緒に生きていく世界にすることはいつになるのか?
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千里伝最終章
時間のゆがみの中に入ってしまった 滅びたはずの隋の王と闘うことに 今回もバソンや絶海 趙帰真たちと心通わせ一丸となって戦う 気持ちの揺らぎとか絶望感とかがうまく伝わってきてドキドキした。
ピキ…泣いちゃいました。
フャンタジーです!すごいです!!この世界観!!
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武神賽を手に入れて己の望む世界にしてしまった帝たちを千里は仲間と共に打ち砕くことが出来るのか?そして千里が望む世界とは……
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千里伝シリーズがついに完結した。シリーズを通して千里の成長がよかったな〜。読みやすいんやけど、時々自分自身がハッとなる台詞とかがあって引き込まれるわ。
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http://takotakora.at.webry.info/201408/article_2.html
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千里…立派になりましたね。…人の美点を認めて、自分にはそれがないことを認めることができるようになった。それが、最後の最後に人の心を掴んだって感じでした。
ああなった絶海は、蔑収じゃなきゃ受け止められなかったけど、他の人は皆千里に動かされたんだものね。
最後の終わりは、ちょっと読めちゃったけど、心に残る言葉や部分がいっぱいありました。
真に強い者は、戦い続ける者だという、泰山府君の言葉。挫けても挫けても、諦めないこと。
強さは、他に任せておけばいい。という蔑収の言葉。
才能がある人では、絶海の心は分からなかった。何をやっても、なんか出来ちゃう人っているんですよね。器用貧乏にもなりがちだけど。でも、それを見て、羨むのも妬むのも、なんか違う。それじゃ、何も変わらないし、前を向けなくなるだけなんだなって。
自分が持ってないことを認めて、持ってるものの中で戦わなきゃいけない。積み上げることなら誰だってできるから。何度だってまたやり直せるから。
千里は言ってました。次勝ちゃいいだけだろ!と。いつか、肩を並べられたら、それでいい。時間はかかるかもしれないけど。蔑収は、いつか一緒にその時を迎えたかったんだろうなぁと。
ちょっと絶海が羨ましい。一番、人間をしている。という、千里の言葉。
弱さも器のちっこさも、人間なんだから、当たり前です。絶海の周りが異常なんです。バソンは恵まれてなんかないんだよ。そうじゃなきゃ、生きられなかっただけで。強くなきゃ、生き残れないだけなのです。
何にもできなくったって、生きられる世の中だったら、きっとバソンはこんな風にならなかったはずだもの。それはとても不幸なことかもしれないのに。
千里は、絶海の心はもしかしたらこれからも分からないかもしれない。でも、それはきっと少し不幸なことなのです。
大多数の人間は絶海みたいな人です。弱いのです。そして、弱くなきゃ、たぶん強さの意味は分からないのです。弱くても、弱さに向き合えなきゃ、強さを勘違いすることもあるのですが。それが絶海だったわけですが。
千里は、自分が弱いことを認めていました。だからこそ、出た言葉なのだと思います。
総じて、面白いシリーズでした。個人的には僕僕先生の方が好きですが、なかなかよかったです。
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千里伝の完結篇。
ここまでこじれた利害関係をどのように落ち着けるのかと興味をもって読み進めました。
途中で何度も繰り返される「一方にとって理想的な姿は、果たして反対側の視点から見ても正しいのか」という難問の答えは、「白か黒かだけが選択肢じゃない」でした。
強くなることを目指して互いに切磋琢磨する少年たちの成長譚として、人間と人間以外の存在が共存する中国歴史ファンタジーとして、更には善と悪の区別という究極の問いに挑む作品として、いろいろな側面で楽しめる充実したシリーズでした。