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少しずつ登場人物が重なりあう5つのストーリー。将来に悩む若者たちがどうにか一歩を踏み出そうとしている様子、心理が本当にリアルに描かれていて、見事だなと思う。
西加奈子さんの解説も読み応えがあり、そして共感できる。オススメ。
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やっぱり朝井リョウの描く痛さが好きだ。
「若かった」とか「未熟だった」とか都合のいい言い訳で蓋をして見ないようにしていた、あの気持ちやこの気持ちを、目の前にどかんと置かれるよう。
どんなに見ないように、気づかないようにしていても確かに存在していたいろいろな気持ちが思い出されて、胸がちくちく痛みます。
きっと、今と切り離された完全な過去の気持ちであったら、懐古の気持ちだけで済むのかもしれないけど、まだ痛みを感じるということは、大人になっても相変わらず同じところをぐるぐるしているってことなのかもしれません。
完璧な丸にはどうしてもなれない。
もがいてもがいて、妥協を覚えて、たまにはっと気づいて、またもがいて…
自分の形を見つける、まだまだ途中なのかしら。
引用にもいくつか書いたのですが、なんといっても朝井リョウの表現が、私にはとてもしっくりきて、読んでいてとても心地がいいです。
「心地いい痛み」の存在に気づかされる作品。
痛いけど、くせになってしまいます。
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自分や周りに対して感じていた、若くて未熟なときにしか持たない感情を、言葉にするとこうなるんだと思った。
今思い出しても苦いのに、当時読んでいたらどう感じるんだろう。
連作になっていることによって、同じ出来事でも視点が異なり、当時は理解できなかった友人の言動や自分に対する自分の気持ちが何だったのか、見えてきてしまう。
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目を背けていたかった辛さを突き付けられる感じ。
過去の、もういまはどうもできない。
でも、自分だけじゃないんだなぁという安心も得られる。同時に、憧れの存在も特別なんかではないんだという失望の現実とも向き合わされる。お見事、是非大学生くらいのこの世代を経験した方に読んでいただきたい作品です。
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短編なんだけど
それぞれの登場人物が
繋がっている。
最後は
泣くのをこらえたよ
2014.5.2
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チア男子読んでからファンになった朝井リョウさん。
年下の作家さんの本なんて恐らく彼以外読んだことない気がするのですが本当文才がすごいと思う。些細なシーンでも朝井リョウが描くとなんか特別に見える感じ。
働きながら作家活動を続けているそうで…何かしらのつながりで会えたりしないかなぁー今一番会ってみたい人ですね。
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このハタチ前後に何かしら経験するであろう、
痛さとか青さみたいなものを書かせたら
現時点で朝井さんにかなう人はいないんじゃないかなあ。
「今」を書かせたら今ピカイチだと思う。
ハルとナツ先輩のお話が好きだった。
「普通の女子大生になることを選べなかった」
「普通になることを選ぶ勇気がなかった」
とハルは言うけど、私は特別になることを選べなかった。
だからハルのことを誰も笑うなんてできないはずだ。
椿も梢も翔多も結実子もオカジュンも礼生も、
大人からみたら下らないかもしれないけれど
この下らなさの中でもがいていた自分たちを、
私は知っている、あの若さと苦さを覚えている。
まだ覚えている内に読めて良かったなと思います。
下らないと一蹴する人間にはなりたくないな。
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短編集ながら二十歳を向かえる青年の大人へと、青春の真っただ中とを行きかいつつ、それぞれが、また大人へと成長するときには、また生まれつときはこうありたいと願う姿を表現されていた。
ただ、短編集が苦手な自分には難解でした(^^;
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高校っていう狭い世界での『すごい』、ってことばが、大学っていう少し広い世界に出ただけで通用しなくなること。
身を以て感じたことだったから、上手に言葉にされてて思わず泣きそうになった。
高校生の時に出会いたかった1冊!
2014.5.12
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学生時代の人間関係が如実に表れている。
短編集の形でありながら、各編が巧妙に絡み合っていて、
読んでいて小気味いい。
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5編の短編小説ですが、少しずつ登場人物同士に繋がりがあります。主人公はみなハタチ前後。私自身、明日がハタチの誕生日でして、ハタチになる直前のこの時期に読めて良かったです。特に「僕は魔法が使えない」「もういちど生まれる」「破りたかったものすべて」が好きで、読み終えると胸につーんと沁みました。劣等感が強いからこそ、人から「すごい」と言われたくて、見栄を張ってしまうということが私もあります、小さな頃思っていたハタチは現実よりずっと大人で、しっかりしてたはずなのに。誕生日ケーキ食べたって振袖を着たって、変身するみたいにパッと大人にはなれないけれど、逃げずに向き合うべきものに向き合って、もういちど生まれたいと強く思いました。
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桐島~より断然良くないですか?
特に2番目の主人公のあっけらかんとした気持ちのよさと、5番目のハルの情けなさが好き。
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朝井リョウはこの世代を書くのがうまい。
何者やスペードの3ほど毒はないけれど、それでも刺さるしキュッとしてしまう。
同世代でよかったと思う反面、世代ではない人がどう読むかは気になる。
5月
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一言で言うと桐島部活やめるってよの大学生版。
正確に言うと浪人生とか専門学生もいるからハタチ版という感じですかね。
何人かの主人公が登場しますが微妙に関連し合っていて
こういうのを描かせると朝井リョウという作家は本当にうまいですね。
関連のさせ方がしつこ過ぎずさり気無く。
最初の2作品はイマイチ感情移入しにくかったですが
3作目くらいから急激にのめり込んでしまいました。
大学っていうのは無責任を背負って自由を装っているという
表現があったのですがまさにその通りだと思いますし
こんな視点を持って大学生活を送れば少しは違ったかななんて思ったり。
いずれにせよ20歳(大学2年)ってリア充では決してなかった自分でも
一番面白かった時期でその頃を思い出しながら読むことができました。
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自意識の息苦しい感じが懐かしくもあり、この後そこまで人って変わらない気もする。私が成長遅いだけ? 登場人物の名前のセンスが好き。
#bookoff