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帯の佐藤優さん推薦とのフレーズで購入。
読みどころを4点に絞っているのがわかりやすく感じました。
そして、著者(&訳者)のように、決してスノーデン氏の擁護一色、
というわけではないのもまた、興味深く思います。
“国家の干渉を憎むスノーデンが、国際政治の複雑なゲームに巻きこまれた結果、
国家主義的なロシアの庇護を受けるようになるというのも興味深い”
高邁な理想を持ちながらも、それを阻む現実の理不尽への憤り、
そうしたスノーデン氏の想いは、非常によく理解できます。
でも、その理不尽さを超えるために選んだ手段が、
その理想自体を否定している手段であるという矛盾、
そしてその“現実”から目をそらしているという点。
現実感覚と乖離している理想論に拘泥しすぎている、としか感じません。
泥棒を糾弾するために、殺人犯に助力を求めている、
そんな危うさを、スノーデン氏には感じていたのですが、、
その根拠の一つを感じさせてくれた一冊でした。
さて“スノーデン氏”はどこの国のための“スパイ”なのでしょうか。
それが今後つまびらかなっていくのかどうか、気になります。
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チェック項目5箇所。全世界のインターネットユーザーに対する無差別監視――その起源は正確に特定することができる、2011年9月11日、全米を震撼させ激高させた、あの残虐なテロの日である、その後の10年間で、個人のプライバシーを侵すのもやむなしという政治的な合意が英米両国で新しく築かれた、同時に、テクノロジーの急速な発展により、大規模な盗聴がますます容易になりはじめた。「私たちは政府の違法行為を嫌というほど見てきました。私のことを悪く言うのは、おかど違いです。彼らは人々の自由度を狭めています」。「すぐれた価値観を持った、すぐれた人々がいます。でも、いまの権力構造は自己目的化しています。全市民の自由を犠牲にして、みずからの権力を拡大しようとしています」。中国がアメリカの軍事施設や国防総省などに悪質なサイバー攻撃を仕掛けていると訴えてきた、ところが米国もまったく同じことをしていたことになる。「私は正しいと思うことをし、この不正を正すための運動を始めました。私はただ自分が知っていることを人々に伝え、私たちみんなに影響することなのだから、それを私たちみんなで堂々と議論できるようにしたかった。正義を実現したいと思いました」。
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・イギリス「ガーディアン」のジャーナリスト目線で語られている。
・時系列の書き方。
・自然な日本語で、読みやすかった。翻訳者に感謝。
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今回の本は、レビュープラス様からの献本です。ありがとうございます。
世界をあっと言わせた出来事で、しかも腹が立つ出来事の1つにはいるのが今回の本に描かれているアメリカ政府やイギリス政府の盗聴問題、いやただののぞきではないかと思ってしまう。何しろ何の関係もない一般人のメール、通話、ソーシャルネットワーキングサイトを無断で訪問するのだから。
エドワード・スノーデンという人物像と公開に至るまでのイギリスのガーディアン紙の様子を知りたかったので今回の献本はありがたかったです。
「表現のすべてが記録される世界になど住みたくありません」と本人が述べているように、国家による干渉に対するアレルギー反応を持ち、職務に対して疑問を持ち、ついには暴露に打って出た。NSA(米国家安全保障局)から、トップシークレットのデータを持ち出して、香港でイギリスのガーディアン紙の記者たちに会って、公開する理由を話してデータを渡すなんて、よほどの覚悟がないとできないことだ。
それにガーディアン紙の記者たちには、どこかの国の記者クラブで馴れ合っているマスコミと違って骨があり、イギリス政府から圧力がかかっても記事を書いて発表した。スノーデンによると2001年の9・11事件以降、アメリカも政権とマスコミの多くが政府のやることに対して監視する機能を放棄して、非国民的な報道を控えるようになったとある。商売だから売り上げがないと生きていけないのは分かるが、ジャーナリストが政府という巨大な権力を持ち、ほったらかしにしていると好き放題振る舞う可能性のある機関に対して、批判精神を持たないのは困る。
それにしても海底地下ケーブルから情報をすくい取って情報を盗み読みしていたとは、天下の石川五右衛門やルパン3世でも思いつかない相当アバンギャルドな発想だ。
ロシアという自由とは無縁な独裁国家に逃げ込むとは皮肉な話だ。ロシアがこれからスノーデンをどのように扱うか注目したいところだ。
今日も、相変わらず情報をかすめ取って情報分析に励んでいるのかな。アメリカとイギリスのあの機関は。回心するとは到底思えない。キーワード検索で引っかかったもので興味深いタイトルや内容であればクリックして読むという作業をしていると思うが、調査するのもたいへんだろうなあと思う今日この頃だ。
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事実は小説より奇なりというが、本当に小説や映画のようだ。読んでいるうちに一級のフィクションの世界にいるような気になってしまうのだが、これが世界の事実である。
笑っちゃうぐらい嘘のような、事実である。
スノーデンファイルをめぐって国家権力と闘った『ガーディアン』をはじめとするメディアや個々のジャーナリストの独立心、信念、プロフェッショナリズムにも驚かされる。果たして、一応に浅く、同じような報道しかしない日本のマスメディアにこういう態度が取れるのだろうか。
エドワード・スノーデンという特別な一人の青年のおかげで、世界の認識が大きく変わった。これがどういう結果につながっていくのかは分からないが、彼の行動は正しかったと僕は思うし、敬意を払いたい。世界にはこういう人間が必要だ。
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これが現実に起こったこととは信じ難いが、確かに現実なんだなあ。既に世界には自由なんてないのかもしれない。日本は諜報活動にうってつけの場所だそうだが、色々怖い世の中だ…。
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話題のノンフィクションです。
全世界のメールや通話情報など大量の情報がNSA(米国国家安全保障局)により監視・収集されていたという驚きの事実。その始まりは、やはりあの事件、“9.11”でした。 そして、この実態がエドワード・スノーデンの登場により白日の下にさらされたのです。
方法については、もちろん様々な立場から様々な評価がなされています。また動機の面からも「理想が高潔であれば、何でも許される」というわけではありません。しかしながら、この事実が、全く人々の目から隠蔽されていてよいものではないでしょう。
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少し前に世間を騒がせた内部告発者スノーデンと、それを公表するために協力した「ガーディアン」紙をはじめとするさまざまな関係者のはなし。まるでスパイ映画のようですが、実際の話です。
アメリカの国家安全保障局NSAに勤務し機密情報を扱っていたスノーデンは憲法を越えたアメリカの動きにやがて不信感を覚え、内部告発することを決意します。
同時多発テロ後、アメリカはテロリストの摘発と拘束を目的として大手IT企業の協力(企業はこれは強制的だったと後で主張している)を得て、通信網に盗聴器を設置、これによりテロと疑わしい人物どころか、世界中の一般市民、同盟国の主要人物にさえも盗聴していたことになります。いや盗聴だけでなくメールなども見ることができたと言われていますから、プライバシーが知らないところで崩壊していたことになります。当然、敵対国どころか同盟国からも非難を浴びることになったオバマ政権。イギリスもこの盗聴に一役絡んでいたこともあって、世界中を巻き込んだ騒動になりました。
スノーデンに味方する意見もあれば、反逆者と汚名を着せる者もいますが、スノーデン自身は報酬を得たいためでもなく、売名行為でもなく、中国のスパイでもないことを公表しています。その証拠にアメリカに不利になるような情報を渡すことはしておらず、盗聴器をしかけていたという事実のみを公表し、あくまで世間に問題提起しただけです。
テロを防ぐためだか何だか分かりませんが、だからといって手当たり次第に情報を我が手中に納めようとするその行動が、スノーデンには理解できなかった。曰く「愛情や友情の表現のすべてが記録される世界になどすみたくない」。
内部告発に至るまでの慎重なやりとりはもちろん、告発された側の苦しい言い訳やウソはまるで映画に出てくるイケてない政治家のようで、ここまでくれば現実世界もこんなもんかと思わせます。今日本でも問題になっている集団的自衛権を行使する主な相手が、同盟国も信用しないこの国とはいかがなものか。
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ちょっと知らない世界を覗いたようで、面白かったです。
アメリカってのは、よほど力が大きいのだろうなと、うっすらと感じさせられました。でもまだぼんやりと感じる程度です。
次は、「暴露」を読んでみたいなと思いました。
スノーデンという人は、相当強い正義感を持っているのでしょうか。それとも、米国政府に深い恨みを持っているのでしょうか。スノーデン個人に非常に興味を持ちました。
現在、ロシアに亡命しているというスノーデン。次に何か動きがあったときには、注目したいです。
経済的な側面で日米関係を見ることが多い私ですが、政治とその裏側の人間臭さにも、これからは目を向けてみたいです。そう認識させてもらえたという点が収穫でした。
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盗聴行為自体は、もはや常識と思いますが、これほど広範囲かつ好き勝手にやっていたのが、物議を醸しだしたのかと。スノーデン氏の経歴が高卒スタートですが、それでもこういう情報にアクセスできるようになれるアメリカの凄さを感じました。
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NSAはなんでも盗みだすことができる。
中国に悪びれた様子は全くないアメリカはある意味、さすがである。
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これは面白い。
【R+】レビュー:「スノーデンファイル」ルーク・ハーディング(訳:三木俊哉) | 御経塚通信 http://okyouduka.com/201408/books/6770.html
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とっても考えさせられる本でした。何をしてもネットでの活動はグーグルやフェイスブックなど、ネット企業のクラウドに記録される運命なので、神経質にならずにその利便性を享受しようと思っていたのですが、このデータが政治的に活用されるとなると考えもの。理性的な判断のもとで正義に基づいた管理がされているうちはまだ良いのですが、それが一転して恣意的政治勢力の手に渡ったりする可能性などを考えると恐ろしい。この本を読む限り米英はもうすでに暴走しまくっているようだし。本当に考えものだ。
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エドワード・スノーデンが、アメリカ合衆国の大量監視活動を内部告発した事件をたどるノンフィクション。
出来事が時系列に並べられていてわかりやすい。
好き嫌いのはっきりした書き方(嫌いな奴は嫌な奴として描かれる)は少々気になるが、知るべきと言う点でおすすめ。
内容の興味深さもさることながら読み物としておもしろい。
肥大化した権力がすべてをコントロールしたがる姿は、資本主義も共産主義も全体主義も似通っている。
思想や体制がどんなものでも、権力をこじらせた世界が行き着く先は同じみたいだ。
盗めるから盗んじゃう大国、大国に強く抗議できない同盟国、批判するけど友好関係も考慮する国、便乗する国、とばっちりをくらう国。
最初から敵対している国々は堂々とアメリカを批判できるけれど、それは「不正を断じる」というより「攻撃の機会を徹底利用」に近い。
そういう中で、これはおかしいと行動した告発者と、それを守ろうとするジャーナリストたちの存在は希望だ。
アメリカはひどい国だけど、こうやって「正義」や「愛国心」を守ろうとする人がたくさんいるのはすごいことだ。
(国側の主張も「正義」や「愛国心」を盾にするから、これは危うい動機でもあるけれど)
この人たちを支持するとか、情報を渡す企業を支持しないとか表明することで、ヘタレ一般人も国にあらがえる。
曖昧に流しちゃった感のある日本でも、読んでおいた方がいいような本。
とりあえず暗号化を勉強すればいいのか?
イギリスの、諜報活動の透明性(うさんくさい表現だ)を保つための機関や、正当性を判断するべき裁判所の偉い人たちがインターネットをよくわかっていないおじいちゃんたちでダメだこりゃ、という部分でスマイリーキクチの件http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4812445043を連想した。
よくあることなのかな。
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9.11以降のNSAによる監視。ジャーナリストとの接触、ネット活動歴、NSAに入り込むまで、国家やマスコミや社会の反応。
世界的大ニュースが、日本ではスルーされてしまっている感。