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安中千絵
学習院大学法学部卒業。女子栄養大学栄養学部卒業。東京都立大学大学院修士課程修了。都市科学修士。管理栄養士。JSA認定ワインアドバイザー。株式会社タニタなどを経て独立。現在、企業の食・健康事業のコンサルティングや、メディアの栄養情報の監修・情報提供、執筆、講演等を中心に活動中
カフェインというと、悪者と考えられがちですが、実際はさまざまな薬効を持っていて、脂肪燃焼にも関与しています。
この他、カフェイン以外にも、コーヒーの成分には、ニコチン酸(ビタミン・タバコのニコチンとは全く違うものです)という、中性脂肪の分解を促進し減らすはたらきがあるビタミンが含まれています。
それは、「運動の持続を助ける」という効果です。 ある研究では、筋肉運動を行う1時間前に、カフェインが約180(コーヒーに換算すると約1杯半)入った飲みものをとった人の方が、そうでない人よりも運動中の疲労感が少なく、長時間運動を続けられたという報告があります。これはカフェインに、集中力を高める効果があることなどが理由ではないかと考えられています。 運動時間が長くなれば、当然それだけエネルギーも消費できるので、コーヒーにダイエット効果を期待する人にとっては、これも嬉しいはたらきのひとつでしょう。
またカフェインには筋肉痛の軽減についても効果があります。 運動1時間前に体重1 kg あたり5 のカフェイン(体重 60 kg の人の場合、コーヒーだと3杯程度)を摂取すると、運動後の筋肉痛が緩和されるという報告があります。 筋肉痛の軽減は、ダイエットには直接関係ありませんが、筋肉痛が負担になって運動が続けられなくなってしまうのを防ぐことが期待できそうです。
おなかが空いているときにコーヒーを飲むと、空腹がやわらぐような気がしませんか? これは単に水分でおなかが 膨れたからでも、気のせいでもありません。 食欲には、自律神経がかかわっているのですが、交感神経が活発になると食欲は抑制されます。 コーヒーに含まれるカフェインには、交感神経の活動を亢進させ、食欲抑制ホルモンであるコレシストキニンの放出を刺激するなどのはたらきがあります。このため、空腹時にコーヒーを飲むと食欲が抑えられるのです。
便秘を軽く考えている人が多いのですが、便秘は健康に深くかかわる重要事項です。 腸は、免疫にかかわる細胞の7割が存在し、消化管ホルモンやハッピーホルモンと呼ばれるセロトニンをはじめ、あらゆるホルモンを分泌する、第2の脳とも呼ばれるからだの司令塔です。
なぜコーヒーには便秘予防効果があるのかについては、カフェインには腸や副交感神経を刺激するはたらきがあり、これが腸のはたらきを活発化させる一因と考えられています。カフェイン以外の成分にも副交感神経を活発にするはたらきが認められています。また、コーヒーの香りに含まれる成分にもリラックス効果があるので、こうしたことも便秘予防にかかわっているのかも知れません。
◇焙煎方法 コーヒー豆は浅煎り、中煎り、深煎りまでが8段階に分類されています。 ��煎り:クロロゲン酸を多く含みます。 深煎り:焙煎することによって増えるニコチン酸を多く含みます。ニコチン酸は中性脂肪やコレステロールを減少させるはたらきがあります。 カフェインは焙煎ではあまり変わりません。ダイエット効果を狙うのであれば、浅煎りの〈ライトロースト〉〈シナモンロースト〉を選ぶと良いでしょう。
◇豆の種類・挽き方 アラビカ種とロブスタ種の2種類が日本では主に流通しています。 ロブスタ種の方が、クロロゲン酸が多く含まれています。しかし、アラビカ種に比べると味が劣るため、これはレギュラーコーヒーやインスタントコーヒーや缶コーヒーなどの増量材などとして使われています。 アラビカ種の方が、風味が良く、コーヒーショップなどで売られている豆は、ほぼアラビカ種になります。挽き方は中挽きがバランス良く成分が抽出できるのでおすすめです。
コーヒーでうつ病と自殺が減る 日本ではうつ病が非常に増加しています。また自殺も増えており、日本は世界第2位の自殺大国になっています。 うつ病も自殺も大問題ですが、そのどちらもコーヒーでリスクが減少すると、アメリカのハーバード大学が報告しています。
この研究ではカフェイン摂取量とうつ病との関係もみていますが、カフェイン摂取量が多いほど、うつ病発症が低いことが分かりました。
この研究では、 コーヒーを1日5杯以上飲んでいる人は、ほとんど飲まない人に比べ肝臓がんにかかる確率は1/4となっています。 コーヒーを多く飲む人の方が、肝臓がん発症率が低いという結果は、日本の別の大規模疫学調査、宮城コホートと三府県コホートの分析結果でも確認されています。
2012年に発表された、アメリカ国立衛生研究所(NIH)で行われた大規模疫学調査で、コーヒーの摂取は、男女ともに大腸がんリスクを下げることが報告され、注目を集めました。
大切なのは、からだに必要な栄養はとった上で、エネルギー源を減らすということです。からだに必要な栄養をとらないでダイエットをすれば、脂肪だけでなく、大切な筋肉や骨、組織も細らせることになってしまいます。 すぐに簡単にやせる、魔法のようなダイエット法は残念ながら存在しません。 楽に短期間でやせるといった 謳い文句のダイエット法は警戒すべきです。
血糖値の急上昇は、脂肪の合成を促進するホルモンであるインスリンを、大量分泌させることになります。血糖値を急上昇させるのは、太りやすくなるという意味でも好ましくありませんし、糖尿病の罹患はもちろん、気持ちの上げ下げや、老化にも関係があります。
加えて1日 30 分、運動の時間には、ランニングやスクワット、筋肉運動なども自発的に行っています。また刑期の中盤からは、運動の時間に、腕立て伏せを300回以上したりと、結構な運動量をこなしています。
ところで、堀江さんが服役していた長野刑務所は、全国の刑務所でも三本の指に入る、食事が美味しくて有名な刑務所だそうです。 堀江さんの著書に書かれている食事内容をみましたが、品数も多く、味付けもバラエティーに富んでいて美味しそうです。かなりスゴ腕の管理栄養士さんが献立を立てていることがうかがわれ���ダイエットメニューとして、食材や味付けの配分の参考にもなりそうです。
での生活は、まさに日本型低脂肪食+運動の〈王道ダイエット〉
バターコーヒーダイエットは、コーヒーのカフェインや抗酸化作用によるはたらきに、高エネルギーのバターを加えることで、1日をエネルギッシュに過ごすことができる上に、ダイエット効果が得られるというのが考案者の考えです。 このダイエット法では、バターコーヒーを飲む他にも、1日のエネルギーの5~7割を脂質からとり、糖質は厳しくカットするという、超低糖質食と組み合わせることが提案されています。 また、バターコーヒーに使うバターは、牧草肥育牛のものが推奨されています。 その理由は、牧草肥育牛のバターは、普通のバターに比べ、EPAやDHA、DPAなどのオメガ3脂肪酸と共役リノール酸という、脂肪の分解・燃焼を助ける脂肪酸が多いためだそうです。
◇種実:アーモンド、くるみをもっととりたい 日本人があまり食べていないのが種実なのですが、種実も不飽和脂肪酸を多く含みます。特にくるみはオメガ3脂肪酸の良い供給源になります。また種実類は抗酸化ビタミンであるビタミンEが豊富なアンチエイジング食材でもあります。その他、血糖値上昇を抑制し、腸内環境を整える食物繊維も多く含みます。 種実類の中でも特にとりたいのは、アーモンド・くるみ・ピスタチオです。 1日にとる量は、1日アーモンドなら 10 粒、くるみは4粒、ピスタチオなら 20 粒くらいを目安にすると良いでしょう。種実に関しては、慶應義塾大学の井上浩義博士の著書がとても詳しいので、一読をおすすめします。
日本人があまり食べていない種実類に抗酸化力のあるビタミンEが豊富