紙の本
ヒロシマ
2015/09/30 18:47
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:T.s - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦後70年。原爆がヒロシマに落とされてから、ヒロシマは変わった。
ヒロシマと原爆、そして平和。これは永遠のテーマであり、切実な世界への願いである。
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被爆者の「実相」に迫ることができる一冊。
本書は投下された原子爆弾の破壊力であったり、人体に与えた影響はもとより、被爆者たちが歩んだ戦後の人生を刻銘に記すことで、原子爆弾が人の人生に与えた影響を、非人道的兵器であることの証明を示してくれている。
8月6日が来るたびに世界は前進しているのか、後退しているのかを考えてみる。今年の8月6日はどうなんだろうか。
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この時期には、毎年一冊は戦争関係の本を読もうと心がけています。本書はピュリッツァ賞作家ジョン・ハーシー氏による史上初の原爆被害記録だということで手に取ってみました。原爆投下から間もないころ1946年の取材による本編は、本書の訳者である谷本清牧師を含む6名の被爆体験が描かれています。
ここに描かれている惨状にも関わらず、今なお核兵器廃絶への前途は遼遠です。今を生きる人間の使命として、「ヒロシマ」「ナガサキ」の記憶は伝えられ続けなくてはなりません。自らその直接の体験がなくてもです。その第一歩として、まずは広島平和記念資料館(原爆資料館)(http://www.pcf.city.hiroshima.jp/)を訪れ、そこに残された写真・生活道具・石・・・、なんでもいいのでそれらの前に立ち止まってしっかりそれらと対峙して欲しいと思います。
今年歴史的な出来事がありました。10分でも訪れたという意味はとても大きい、でもそこに残されたもののメッセージを受けとめるには10分はあまりに短過ぎます。
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ヒロシマを暴いた男を読みたくて、題材となっているヒロシマをまず読んだ。
お恥ずかしいことにこのような本があると知らなかったので、とても勉強になった。
原爆が落とされた、何十万人もの人がその影響で亡くなったという事実は知っていたが
実際に落とされた日にそれぞれその場所で生きていた人たちのことは深く知らなかった。
印象に残っているのは谷本さんの経験談。他の5名の方ももちろん印象に残っているけど
一人で船を漕いで水を汲みを繰り返す。
自身の怪我が軽傷だからといってそんな行動力を起こせるだろうかと自分に重ね合わせて考えてしまった。
私にはその慈悲深い心はないかもしれない…
p229のあとがきで「ハーシーの文章は、簡潔で乾いているが、細部まで神経が行き届いており、被爆者への愛情や、人間が極限状態で取る行動の悲哀を帯びたユーモアさえ感じさせる。」とあり
私が読書中に感じていた感想と同じだった。
淡々としていながらも、深く対象者に対して敬意を感じた。
目を背けたくなる描写はあったがとても心地の良い文章だった。
このまま二度と核を使わない
それは守らなければならない約束だと思う。
そのためにどうしたらいいのか、答えは出ない。
読みやすい本ではあったが、同時にとても難しい本を読んだ。
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広島市幟町にある、平和大聖堂を訪問したことがきっかけとなり、この本を手に取りました。1946年5月に広島を取材した米軍の従軍記者による貴重な報告。原爆に直面した様々な方々の人生の物語。1946年8月に記事を掲載した雑誌(New Yorker)が発行されると、様々な国で大きな反響があった、という事が納得できる素晴らしい作品。★五つ、人生の必読の書であります。