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人情話の時代劇
2022/07/13 00:14
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
第一のお話は、義兄の、義妹を嫁がせるまでのお話なので、もっと複雑な心情のぶつかり合いがあるのかと……思いましたけど……ね。あっさり、嫁いで行きました。その後も、なかなか、引っ張って、良い終り方でした。
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長く脚本家として活躍して来た著者らしい、どこまでも王道な、人情時代劇。想い人を探して江戸へやって来た女性がお金が無くて困窮したり、大名行列を横切って武士に突き飛ばされ、昏睡状態に陥った息子の為に復讐する父親の話などなど。現代にも通じる、江戸っ子達の悲喜こもごもが描かれている。全4編。
最後の「祝言」で、血のつながらない兄・六平太へ複雑な想いを抱きながら呉服屋へ嫁いでゆく義妹・佐和の物語は、それまでの登場人物が勢ぞろいして、4編のまとめ的な意味合いであるのと同時に、一つの区切りにもなっていて、筋自体はとっても王道なのだけれど、佐和の姿に思わずホロリとした。
勧善懲悪、ほぼ大団円の物語なのだけれど、自分自身のせいではなく、不覚にも浪人となっていまい、一時期荒れていた六平太の悲しみとか、最後の佐和のいない家の寂しさとか、所々悲しみが滲んだ物語。
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L 付添い屋六平太1
カバー画の影響をモロに受けてしまってどーにもこーにも受け付けない。もっとシックなものにできなかったものかね。イメージに引っ張られてよくない。
諸々詰めすぎ感あり。
もっと着崩した浪人然としててもいいはずなのに…だから表紙絵がさぁ…。妹佐和も子供の頃に長屋住まいになってるはずなのに、武家が染み付いててどんだけ裕福なんだ、と疑問。佐和が稼ぎ頭といってもアンバランス。なーんかちくはぐで気持ち悪い。
超大物脚本家小説デビュー!なんて書かれるから、一体どのへんの俳優想定して書いてんだよ…と思っちゃうし、あのへんか、と思えるような書き方。付き添い屋という言葉が目新しいだけで中身に特徴なし。
血の繋がらない兄妹って設定ならもっと違う書き方あるだろ、と不満。
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一ヶ月、小説を読まないようにしていて、復活の際の一冊。
やっぱり時代小説からと思いまして。
ずっと気になっていて、やっと手にしました。
淡々と、でもおもしろく読めました。
筋の通った登場人物に惹かれます。
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2,3巻を先に読んでいたので、佐和の結婚の経緯が良くわかった。複雑な想いを抱えての結婚が、後の不幸となる、ということか?
でも、良い経験かも・・・
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時代劇の脚本家が時代小説を書いたらしい。
主人公の六平太は藩のお家騒動に巻き込まれ、浪人となった。しばらくは理不尽を嘆きながら、酒を飲み、やさぐれ、自暴自棄になった過去がある。しかし今は、年の離れた妹の佐和と二人で暮らし、剣術の腕をいかした付添い屋稼業で生計を立てている。付添い屋とは、いうなればボディガード。裕福な商家や町人の子女などが遊興や野暮用で町中を歩く際、半日くらいの契約で、掏りや暴漢から守ることを請け負う稼業のこと。
一読しただけだと、登場人物が多く、キャラクターがよくわからなかったので、間をおいて二回読んだ。そうしたら結構、味のある話で面白かった。4編の短編で構成されている。
気に入ったのは『初浴衣』という短編。
大名行列の前を横切った少年が殴り飛ばされて、意識が混濁したことに怒り心頭の父親が藩邸に糞尿をばらまいた。義憤にかられた六平太と面子をつぶされた藩の家老がみせる駆け引きが面白い。父親に味方した町人たちは武家に対して、知恵でたたかう。したたかで痛快だ。家老は家老でただの頭でっかちかと思えば、最後の最後で粋なことをする。
その他に『雨祝い』『留め女』『祝言』の短編がある。
この小説は六平太とともに、妹の佐和も大きな役割を担っている。『祝言』は佐和が結婚する話。
佐和と六平太は兄妹だが血のつながりはない。そのあたりの事情は最初の短編『雨祝い』に詳しい。『祝言』で嫁ぐ佐和の心情の移り変わりを読むと、おめでたい話なのに、せつない部分もある。
人気脚本家らしいから、もしメディア化するなら個人的には石原さとみあたりに演じてもらいたい。
ひとつ難を言えば六平太の強さがピンとこないこと。
なぜかというと、必殺技(剣)がないから。相手を上手くいなし、反撃の芽をつぶす太刀裁きは、達人ぶりを感じさせるのだが、特徴がないだけに、球種が豊富で丁寧なピッチングでゲームをつくる中継ぎ投手のような印象だ。抑え投手には絶対必要な伝家の宝刀がない。
プロレスで例えるなら、いくら強くてもアントニオ猪木が鉄拳制裁や延髄蹴りを出さずに勝利してしまったら観客が沸かないのと一緒で、六平太にも何か読者をわくわくさせる必殺技を編み出して欲しい。
六平太の飄々として、女心に疎く、ちょっと間抜けな、でも強い、といったキャラクターを全く想像できない表紙は、メディア化の際はとっとと変えた方がいいと思う。
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時代小説のシリーズ物というのは、なんといっても登場人物像がいかに魅力的か?と、いうことが一番だ。
初めて手にしたこの「付き添い屋 六平太」シリーズ第1巻。
信州十河藩で、藩主の籠の警護を役目とする供番だった秋月六平太。内紛の煽りで父は切腹し、脱藩することになった。後妻のハハと、その連れ子、佐和と江戸の長屋で暮らすが、六平太は、家を顧みないで身を持ち崩していたときに、苦労を重ね、母はなくなる。
義理の妹が成長するに従い、なんとなく家にいづらくなり、恋人の髪結、おりきの元に。
愛情豊かなおりきと暮らすうちに六平太も、持ち前のおおらかで正義感強い本来の男に戻る。
そんな魅力いっぱいの主人公があれこれと事件に巻き込まれるのは、時代小説の王道!
出てくる脇役にまで愛情たっぷりに描かれ、実に楽しみなシリーズ。
そうであろう、この作家「向田邦子賞」も受賞する、「剣客商売」「御家人斬九郎」「鬼平犯科帳」などの脚本を手がける売れっ子脚本家が、初めて小説を描いた作品!1949年生まれ。
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この作品は、脚本家・金子成人(かねこなりと)さんの、小説デビュー作。
2014年に刊行されているので、1949年生まれの著者が65歳位の時に書かれたものと思われる。
100頁まで読んで、図書館に返却。
●2023年4月20日、追記。
本作の内容は、次のとおり。
---引用開始
時は江戸・文政年間。秋月六平太は、信州十河藩の供番(篭を守るボディガード)を勤めていたが、十年前、藩の権力抗争に巻き込まれ、お役御免となり浪人となった。いまは裕福な商家の子女の芝居見物や行楽の付添い屋をして糊口をしのぐ日々だ。血のつながらない妹・佐和は、六平太の再士官を夢見て、浅草元鳥越の自宅を守りながら、裁縫仕事で家計を支えている。相惚れで髪結いのおりきが住む音羽と元鳥越を行き来する六平太だが、付添い先で出会う武家の横暴や女を食い物にする悪党は許さない。立身流兵法が一閃、江戸の悪を斬る。時代劇の超大物脚本家、小説デビュー!
---引用終了
文政は、1818~1830年になるようだ。
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一気に読了しました。テンポもよし、内容もよし。大好きなシリーズに出会えました(^-^) 金子成人「付添い屋 六平太」№1、龍の巻・留め女、2014.6発行。元は信州十河藩で大名の共番、浪人になって10年、付添い稼業5~6年、32歳の秋月六平太の物語。六平太と元鳥越の市兵衛店で一緒に暮らしているのは15年前後添えの連れ子としてきた義妹の佐和20歳。佐和がとにかく素晴らしい女性。なお、六平太には音羽におりきという情婦がいる。雨祝い、初浴衣、留め女、祝言の4話。どれもいい話です!
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浪人の秋月六平太は外出する人の付き添いをする付き添い屋。仕立て仕事をする妹と二人暮らしをしている。懐の寂しい浪々の身だが、女髪結のおりきとは夫婦同然の仲だ。
困っている人を見ると自らの身を顧みずに助ける義のある男で、剣を振るい悪を懲らしめる。そんな六平太の活躍を描いた作品。
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タイトルにもなっているのに付添い屋の仕事を殆どしないことに目を瞑れば、江戸の町を舞台にした人情ものとしてはそれなりに面白い。
まさに今住んでいる家の辺りに秋月家があるのもプラス要素です。
でも、徒歩が基本の時代とはいえ、よくここから護国寺まで頻繁に歩いて行くものだな。
バスでもたぶん40分ぐらいかかったはずで、かなり距離がありますよ。