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能、雅楽、義太夫といった芸能人たちに身体の使い方を学ぶ対談集。おもしろいので、もうちょっと突っ込んだ内容も聞きたかったです。
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民族特有の歩き方についてが特に興味深い。
村上春樹さんのエッセイ(イタリアのメータ村)の件は以前に読んで印象深かったから。
私自身、足の骨格のせいか、子どものころから父親と歩き方がそっくりなこともあり、人種によっての骨盤の傾きの違いについても腑に落ちてすっきり。
ランニングをしていて、黒人の人たちの腰高な足の回転の素晴らしさはトレーニングだけで習得できるものではないなあ・・・と感じることが多いもので。
とても日本人的な自分の骨格を活かした走りを身に付けたいものだ。
また、日頃、男子大学生と接する機会が多いのだが、身体が薄く、姿勢が悪い子が多いなあと思っていたので、その辺りも「なるほど」としみじみ。
そして若い人に限らず、自分の身体をコントロールできていない人が多いなあと思う。
コントロールできていなくも生きて行ける世の中になったからだろう。
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茶道家、能楽師、文楽人形遣い、マタギ、元力士や元ラグビー選手等々、各界の「身体運用の達人」たちへのインタビュー。日本人に特有の身体運用の技法は存在するのか、という仮説に挑む。奥が深すぎて面白すぎる。
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身体技法の専門家に著者がインタビューして回った対談本。相手は漫画家、尺八奏者、マタギなど様々。
それぞれ畑の違う人たちと、身体知について著者がそれぞれ共感していく。
自分の身体がいかなるものなのか知っていくことって、歳を追うごとに重要に思えてくる。
合気道やってみたいなあ。
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日本古来の身体の使い方を追求する斯界の第一人者12人との対談集。 日本の身体(しんたい)は、もはやそれ自体が文化だなぁ。
三味線のお師匠さんや尺八奏者との話はイマイチ。やはり、実際に自分で身体を動かしてきた人の話は腑に落ちるし、説得力もある。でも、意外なところで漫画家(宮本武蔵を描いた「バガボンド」の作者;井上雄彦)との話は、作者もその作品が好きなんだろう、盛り上がっていて面白かった。
歪みが目立ってきた我が身体、いろいろ参考にさせてもらって、末永く無理なく使えるものに改善していきたい。
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内田先生がいろんな分野と人たちと、日本人の身体について語る。一目見てすっかりファンになってしまった人形浄瑠璃の桐竹勘十郎さんや、前々から興味津々のマタギ、おなじみの能楽師安田登さん、茶道家などなど、私も興味のある分野の方が多かったので、どの対談も面白かった。
ところで、漱石先生は安田登さんの下掛宝生流で謡を習っていたのか!そういえば宝生流の能楽堂が水道橋にあったな~と調べてみたら、水道橋のあの場所に出来たのは大正12年の関東大震災のあとで、関東大震災で焼ける前は神田猿楽町にあったんだとか。そういえば猿楽っていうのは能楽の最初の形だな。地名となにか関係があるんだろうか。そして猿楽町は「こころ」にも出てくるのでした♪ちょうど次に読もうと思っていた夏目漱石の『夢十夜』(http://booklog.jp/users/junjinnyan/archives/1/B000J8UKY4)の話が出てきたのにはおどろいた。
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茶道家、漫画家、治療者、マタギ…。様々な達人に内田樹がインタビューする、という企画だけでもう楽しみすぎる本だった。その楽しみを上回る内容が、本をめくればそこに現れてきて、幸せな読書の時間を過ごせた。
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ひさびさに内田さんの本ですごく面白く読みました。対談集で読みやすい。合気道の人がイタリアに講演しに行ったらグレコローマンの聖地みたいなところでやけに敵対的だったので飲み込んでやりました。とか、ワンピースでは覇気と呼ばれるところの感覚などがテーマ。最近二元論が個人的テーマなので良かった。
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日本の身体というより正確には、日本の芸道における名人レベルの身体の使い方といえる要素を対談の中から探りだしていく。
筆者が書いているように、対談を書き起こした人の技量もすばらしい。
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日本人特有の身体性がり、呼吸法、歩き方、武道に流れる思想等、失われつつある貴重な日本の財産を継承したいと感じた。剣道やりたい。
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武道とは場を主宰することを、奥義とする。人知を超えた圧倒的な自然力、超越的な力を身体を通じて発動させる、その任に堪えるものへと身体を整えること、それが修業である。
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「日本人には日本人固有の身体観があり、それに基づく固有の身体技法がある」という内田先生の仮説を検証するための、日本的な身体技法に関わる様々な分野の人たちとの対談をまとめたもの。
普段から内田先生と関わりの多そうな方から、マタギまで。
特にマタギの話が興味深かったです。
やはり鎌倉時代がキーポイントみたいです。
そして日本の風土との関係も無視できない。
その風土の価値をゼロカウントして進むグローバリゼーションには違和感を感じます。
身体技法まで欧米化しつつある現代では、やっぱり土に根を下ろして生きたいなと思いました。
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帯背
身体を、12人の達人と考える
見返し
日本人には日本固有の身体観があり、それに基づく固有の身体技法があるという仮説を検証するためにさまざまな分野の達人たちにお会いすることになった。
本書は、『考える人』誌上において、2008年冬号から2011年冬号まで12回にわたり、素晴らしい「身体」を持つ12人の方々と著者が対談を重ねたその原稿を、編集したものである。巻末の原稿は、その対談を元に、著者が「日本の身体」をテーマに特別に書き下ろしている。
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茶道、能楽、雅楽演奏家、マタギなどなど、日本人固有の身体の使い方をしている人達と内田先生の対談集。
思えば心の使い方とかコミュニケーションの本って何冊か読んだけど、身体に関する本は初めてかもしれない。
『今の日本社会は、微妙な「嫌な感じ」に逐一反応する個体よりも、相当に不快であっても、それを感じないで平気という個体の方が生存戦略上有利であるようにシステムが構築されています。いわば、社会全体で鈍感な人間を再生産している。』という一節が印象的だった。
心もそうかもしれないけど、身体ってある程度無理が効くし、いろいろ我慢するように社会から要請されている部分もあるから、そうするうちにどんどん鈍感になってるのかもしれない。
風土が歩き方をつくるという、日本人と大陸人の歩き方や姿勢の違いの話も面白かった。
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能と合気道をたしなむ著者が、茶道家や文学人形遣の方々と身体感覚について語っている。
僕は、マタギの工藤光治氏の話がおもしろいと感じた。この本のテーマから少しはずれるのだが、工藤氏は世界遺産の指定がマタギの生活(野生動物の生息)に影響を与えていることを、現場の人として体感している。
世界遺産の指定による保護が必要な部分もある。
「保護」という行為が、長い時間を経て平衡を得た生態をくずしいくことを心に留めておかねばならないと感じた。