紙の本
おおむね善良で幸福な人びと
2017/06/11 14:57
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投稿者:ペンギン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちょっと悪意があっても、今が一番と思えなくても、単調な毎日に焦りを感じても、おおむね善良で幸福な人びとは平凡な人なんじゃないかと思う。テレビに出るとか、人気ブログを書くとかは関係ない。幸福の判断基準が平凡かどうかの問題だ。
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誰もが一度は思い描いたことがあるであろう、もう一人のわたしたちのものがたり。永遠に続く、もし、がここにある。
もし、あの人と別れていなければ。結婚していなければ。子どもが出来ていなければ。仕事を辞めていなければ。仕事を辞めていれば…
もしかしたら違う人生があって、違うわたしがいて、いまのわたしはここにいないのかもしれなかったのに。
最初の物語がなかなか厭な物語だった。年に一度の旅行に不倫カップルがくっついてきてダブル旅行になるのだけれど、もちろんそれはいい旅行にはならなくて、、
この6編のお話のなかのどこかにあなたに似たもしものあなたが存在するはずです。
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短編集。もしあの時違う選択をしていたら…そう想像することは後悔が強いからなのか。もう一人の想像上の自分は幸せなのか不幸なのか。ありふれた日常を切り取る。結局自分の選択したことの結果。
この短編の中で一番後悔がつきまとって人生の中でずっと抱えていくのは『どこかべつのところで』の依田さんの出来事だと思う。
他の人の話は自分が招いているので、何度立ち戻ろうがその選択をやってしまうと思う。
角田さん、うまいなって思う。しかしながら、がっつり書かれた長編の方が好きだ。
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自分の中にあまりもしも、の想定はない。
後退も苦手で、間違ってる気がしても、どっちかというと前進しつつ軌道修正。
たからなのか?あまり入り込めず。
内容に集中できなかった。
もやもやと、もしもの自分を想像する話、6編、
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過去の岐路での選択を思い悩む人達を描いた6つの短編。ふと立ち止まった時にもしあの時に違う選択をしてたらとは誰でも考えてしまう。結局はそんな仮定の人生なんか無くて、今の現実を受け入れて生きろという事か。人の心って厄介で面倒だなと思ってしまう。
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後悔していることは無数にあり
切実にやり直したいことも沢山あり
気を抜くと痛かった場面に立ち戻ってしまう。
そんなこんなの心持ちを角田さんの言葉で
そっと気付かせてくれる短編6篇。
私が意識して選択しなかったもう一方の私を
考えないようにしているのは、
こういうことだったのかもしれないなぁと
何度も何度もうなずきました。
角田さんは何気ないけどひっかかる心模様を
的確な表現で描いてくれますね。
この本を読みはじめてから、
生活のちょっとした選択を、躊躇しました。
欲張りな私は、後悔を最小限にしたいからです。
どんなに考えても、何かを選べば、
選ばれなかったものが消えてなくなる。
そこに後悔が生まれれば、
そこから何か新しいものが始まり新しい場所に連なっていく。
後悔したって、後戻りしたっていいんじゃないか。
傷を負って血を流して痛かったことを何度も思い出すことでわかることもある。
選んだものが連れて行ってくれる場所を
もっと信じて生きていきたい。
本を読み終える頃、そんな風に思えてきました。
角田さん、久しぶりに読みました。
やっぱり、好きだなぁと思った一冊です。
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「もしあの時この選択をしていたらorしていなかったら」をまとめた本。
うーん、この本、自分もよくそんなことを考えてしまうからかなり共感する部分が多かった。
この人と出会ってなかったら人生変わってただろうな〜とか、この大学に行っていたら私はどんな学生生活を送っていたんだろう?等々。
でも、もう1つの道をいくら考えようとしてもそんな道はないわけで…。
「自分は「もし」に佇むもうひとりの私より幸せでなければならない」
「就職するときインテリアコーディネーターになろうなんて思わないでしょ、でもなんとなく面白く思えてきて、そっちにいって、そうするとそこで、また新たな出会いとか別の仕事の興味とか、出て来るわけじゃない」
「紀美子ははっとする。春花の活躍を見れば見るほど、自分がその分地味で不幸であるかのように思っていたことに、はじめて気付く。関係ないのに。」
この3つの文は、本の中で自分が特に共感した部分。
私自身はもうひとつの人生を歩んでいる「私」より幸せでありたいと思うし、
どんなことに関しても、やってみれば意外に興味が湧いてくると思うから挑戦してみたい、
あと、人と自分を比べてもどうにもならない。
でも、いつになったら今の自分に満足出来るのだろう?
いや、今の状況を嘆いているならば、過去に後悔するのではなく、
自分で現実と向き合ってその状況を変えていかなきゃなあ。。
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やっぱり、角田さんはすごい。
実際にあったかもしれないような話ばかりなのにグイグイ引き込まれる。
選ばなかった方の選択をした自分が今もどこかにいるような、別の人生をどこかで送っているんじやないかという感覚。
言葉で現すのはとても難しいけれど、誰もが一度は味わっているのではないかな?
それを、角田さんはみごとに言葉で表現している。
どの登場人物も、ごく普通の人に違いないのにそれぞれに魅力的であり、また親近感が湧いた。
過去にこだわるのは、ネガティブな印象があるが、それも悪くないと思える。
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もし○○だったら…。
「もし」を読み続けてるうちに気持ちがどんよりしてしまった。
人生を振り返ることも大切かもしれないけど、前を向いて生きて行きたい。
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短編集
どれも、日常のきゅーーんと切なくなる感じ(恋愛ものじゃなくても)
奥さんに離婚を迫られたり、昔の彼女の開いたお店に行ってみたり、猫がいなくなったり。
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「ぜんぜん平凡とちゃうやん。」と思えるようなお話ですが、それもこれも含めて、冷静に考え直すことができることが『平凡』な人生なのかな?と。
平凡バンザイ!
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(2014/10/15読了)
もうひとつ…夫婦と訳ありの友人たちとの旅
月が笑う…離婚を突きつけられた男の幼い頃の出来事
こともなし…ブロガー主婦の恋愛と結婚
いつかの一歩…昔の女の営む飲み屋を訪れた離婚した男
平凡…有名人となった幼馴染との再会
どこかべつのところで…飼い猫を探す女と見知らぬ情報提供者
最初の話はあまりこのまないけど、全体的には面白かったです。着眼点や気持ちの表し方に共感。
子供を思う悲しいような気持ちを母性と書いてあったのには、なるほどと腑に落ちました。
ふった男を心の中で呪って、どれくらいふこうになって欲しいかに「平凡」すごくわかる気がしました。
もう一方の道を選んだら、私の人生はどんな風に変わっていたんだろう。
この本は、まるで違う自分の人生を想像しているので、私の思う「今の人生から変わっているか」とは違うかもしれないけど。
「もし」を考えるている彼女たちは、必ずしもその理由は後悔からではない。
私は今、今を大事にしたいと思っているので、後悔からではなく興味から、もう一方の人生を想像してみたいと思いました。
(内容)
もし、あの人と結婚していなければ。別れていなければ…。仕事を続けていれば。どんなふうに暮らしたって、絶対、選ばなかった方のことを想像してしまう。6人の「もし」を描いた傑作小説集。
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平凡な生活を振り返り、「もしもあの時別の選択をしていたら」を想定する、6つの短編集。
友人と争った恋の相手と結婚したが、友人は有名人になっていた、ブログアップした世界のほうが日常に優先してしまうとか。
自分は「もし」に佇むもうひとりの私より幸せでなければならない。……印象に残る一文だ。
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文章力もシチュエーションへの共感も高いんだけど、「あのときこうしていたら」というテーマの繰り返しに、ちょっとうんざりしてしまう。決して後ろ向きなたらればじゃないんだけど、それでもその時を振り返ることがあまりないわたしにとっては、そのテーマ自体が受け入れがたかったのかもしれない。
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表題作を含む6つの短編集。6人の「もし」を描いたほろ苦いような、ちょっと複雑な恋愛小説。恋愛や結婚、友人関係など人と人の出会いと別れというのは全て縁だろうと私は思っている。なので、この作品も縁なんだろう。いろいろなスタイルの恋愛を書きあげた作品なだけあって恋愛ってやっぱり、難しいなと痛感をさせられた。