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姑にしたくない女コンテスト、があったら間違いなくbest3には入りますね。嫁にしたくない女コンテストでも、きっと。
友だちにしたくない女コンテストも、そうかも…
って、これだけ書くと、どんなに嫌な女だろう、と思ってしまいますけど、そうならないのがサダさんの人間味というか、魅力というか、なんというか。
一歩も二歩も三歩も離れて見ている分にはわかりやすくて爽快で面白いのだけど、いざ自分の生活圏にいたらそりゃもう困ってしまう人で。それなのに、なぜでしょう、嫌いになれないのは。
人が人とのつながりのなかで生きていくには、嘘やら見栄やら建前やらを駆使して、嫌われないように、目立たぬように、穏便に平和に、と心を砕かなきゃならなくて。
そういう毎日に疲れた心に効くんですね、サダさんの言葉と行動が。
自分じゃできないから、きっと。
でも、サダさんの人生って、どうだったんでしょうね。百歩譲って近所から村八分にされてしまったとしても家族が守ってくれれば大丈夫だと思うのですよ、でもそれすらない。
子どもたちにまで忌み嫌われ、責められ見下され…最後の最後に、ちょっと救いはありましたが、本人には届くはずもなく。
そんな人生、どうだったんでしょうか。
いやいや、そんなことさえサダさんにはわかってたんでしょうね。というか、歯牙にもかけないのかも。
自分の信じる道を、自分の思うように生きた人生ですから。そこに外野の入るスキなんぞないんでしょう。
まさに、あっぱれ!ですよね。あっぱれサダさん!
色んな人間関係に悩んでうじうじ考え込んでいる人に、こんな生き方もあるのだよ、と見せてあげましょう。
ただ注意書きに「危険なので絶対に真似はしないでください」と書いて。
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『すずらん本屋堂』で宮崎美子さんが まるで『ごちそうさん』のかずえちゃんみたいと言っていたので 興味をもって読んでみました。サダさんはかずえちゃんより強烈でした(笑) でも面白くて一気に読んでしまいました。
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サダという器量の悪い女の結婚してからの一生の話。
器量が悪く、妬み嫉み僻み精神から性格もよくない。
でも人を見返してやろうと、男ばかり9人も産み
精米所を開いて成功させて冨をつかむ。
そのサダの話をサダが死んだ翌日に産まれたひ孫が
仕事や家庭がうまくいかず、サダの法要で実家に戻って
和尚様から聞くという物語になっている。
物語といしてはとても面白い。
この憎らしいサダがどういう人生を送ったのか
知りたくてあっという間に読んだ。
憎らしさにも理由があるんだけれど、言葉数が少ないので
誤解されたまま、誤解を解くのはプライドが許さず
そのまま誰とも人間関係は悪いままで死んだ。
こんな人もいるかもしれないけど、読後感は
いまいちだった。とにかく性格悪すぎだろうって。
息子たちも一人も母親の死を悲しまず悪口言って
笑っているってなんかひどすぎるなって思った。
今でいう毒親みたいな扱いにされている感じ。
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ある女性の一代記
女傑とか女丈夫とか言っても間違いではないと思う。
ただ、心持には難があって周囲から孤立しがち。
実際に居たら付き合いにくいし傷つくと思うけど、
物語としては面白い。
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自分の思った事を貫いて生きた女性サダ。
でも自分の子供達にあんなに嫌われちゃ~悲しくなっちゃうな。
長男が母の事を、人として何かが欠けていると表現した場面が凄く印象に残った。
サダはちょっと強すぎたね。
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読みにくくはないが、タイトルと内容にギャップを感じる。なぜ”日本一”としたのか、いまひとつしっくりこない。主人公の描き方に違和感はないが、「それで何?」という読後感。読まなくても良かった。
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サダ。
いいのか、悪いのか。
たぶん近くにいたら嫌だろうなと思う。
自分の思うままに生きる。
それがダメだというわけではないけど。
まぁ面白かったです。
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両親の故郷、野津町が舞台の小説
主人公のサダの方言のせいかリアリティがあって、終盤の妹が死んでからの展開に号泣…一気読み。
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仕事も夫との仲もうまくいかない私が実家に帰ったときに、地元の僧侶から会ったことのない曽祖母についての話を聞く。曽祖母は相当の変わり者であったが、芯を持った人であった。周りからは煙たがられていたが最後まで自分を通していた。もちろん内面では色々と考えるところはあったろうが。僧侶に話をしたのは戦死した長男と年齢が同じでどことなく似ていたからだろう。
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こういう性格の人って世の中生きにくいよな(--;)今と違って、昔は自分を殺して生きていく時代だし(._.)それに負けず自分の道を貫くサダさんは凄い!でも気持ちを解ってくれる人と出会えて良かった(^^)他人だけでなく、身内にまで疎まれているけれど、サダさんの弔い上げはきっと素敵な場になりそう(*´-`)
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サダ。
猿顔・低い声・合理主義・嫌われ者・口が悪い・負けず嫌い・女性。
舞台は昭和初期の大分臼杵、猿顔の嫌われ者・サダの一代記。
この人とは友達にも家族にもなれそうにない・・・
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小さな農村に嫁ぎ戦争を生き抜いた「最強女」の一代記。
一気読みしました。止められなかった。あと、泣けた。
他の方のレビューを拝見すると、主人公・サダに感情移入「出来た派」の人と「出来なかった派」の人がいらっしゃいますけど、私は恐らく後者です。
いや、したいんですよ!でも、出来ないんですよ!だってサダ強すぎるんだもの!
出来の良い兄と美しい妹に挟まれて育ち、サル顔の自分ひとりだけ片田舎に嫁がされて、姑には露骨にイヤな顔されるし亭主も何だかぼんやりしてるし……。初っ端からこれでもかこれでもかと不景気なステータスを背負い込まされるサダ。
しかし、サダは嘆かない。嘆いたままで終わらない。運命を切り開くのは自分自身に他ならない、と知っているから、とにかく動く、黙って働く。徹底的な合理主義。
この行動力!この頭の回転の速さ!そして気持ちの強さ!
サダの人生の全部が全部を真似したいわけでは勿論ないんですけど、それでも彼女の生き様には羨望を感じずにはいられません。
私が持っていないもの、常々「持ちたい」と思っているものを見せつけられて、夢中でページをめくりました(そういう意味で、感情移入「出来なかった派」)。
1個だけ欲を言わせてもらっていいですか。
こんなにマンガっぽい表紙にするのなら、ちゃんと本編のどこかのシーンに則って欲しかったなあ(「新聞に載った匹田精米所の写真」とか)。そういう細けえ事で幸せになれたりもするので……。
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図書館の係の方に勧められて読んでみた。
あんなに自分の思う事を言えたら気持ちが良いだろうな。
しかも口だけの女ではない。
子供の人生まで自分の思うようにさせようというのはどうなのだろうかとは思うが、最期まで自分の生き方を貫いた強い女性だ。
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サダの生き方はすべて正しい訳ではない。正義の人ではないが、自分の思い通り、曲げずに貫き通す生き方に、爽快感も、いらだちも感じながら、いっきに読んだ。
爽やかな読後感があった。
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サル顔のせいで片田舎に嫁がされ、軽んじられて生きてきたと感じるサダは、家族や社会の間違いを許さず、常に「正しさ」を求め、相手に勝つことにこだわる。
美人だけれど男の子の跡継ぎに恵まれない妹に対しては、男子ばかりを産むことで。
苦労なく家を継いだ兄に対しては、自らの発案で立ち上げた精米所を成功させることで。
自らが正しいのだということを証明する。
しかし、それは人に憎まれ、疎まれる道でもある。息子たちでさえ、次第に距離を置くようになる。加えて、日本が暗い戦争ムードに染められていくのと平行して、サダの人生も翳ってゆく。
サダにももちろん心はあって、葛藤を感じることもあった。しかし、それを認めることはサダにとっては「間違っていること」を容認するのに等しい。それゆえ一層「正しさ」を証明しようとして周りと衝突するという悪循環。
「家」が何より重んじられる時代でなければ。戦争が起こらなければ。時代や生まれが違っていれば、サダの人生ももう少し明るいものだったかもしれない。
最後、息子たちにも嫌われたサダは、夫の通夜の席で笑いながら言う。
「私は誰にも負けちょらせんけんな」
そしてその後、息子たちには何も遺さず、自分の全財産を使い果たして死ぬ。
確かに彼女は「最強」だけど、やりきれない気持ちになる。
戦争で死んだ息子のことを思ったり、男子ばかりを産むことにこだわったがゆえに捨てた娘が生きていると知って、お手玉を渡してほしいと頼んだり。強さの裏で、サダが垣間見せた弱さ=愛情が印象に残っている。