紙の本
タイトルの天才か!
2014/09/28 09:46
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投稿者:wayway - この投稿者のレビュー一覧を見る
まだ、2作品目であるのだが、何故か大切に、読みたいと思う作家である。
いつもながらにタイトルに思いっきり引っ張られて買った
のではあるが、巧いと思う。
そして、読み終えた今、その意味あいを考えると、やはり巧いと思う。
比較的短い作品ではあるが、全編が暗いトーンで貫かれており、
明るさは欠片もない。
善人が登場しないどころか、暖かい心を持った人物すら出てこない。
皆、氷に閉ざされたような人たちばかり。
冷たい感情だけが行き交うように映る。
まさしく、春から夏、やがて冬と移り行く感情が
描かれており、読後感は、もうどうにも堪らない。
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投稿者:MR1110 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後にどのような衝撃で物語が終わるのかとかなりの期待を込めて読みました。全体的に暗い印象なのはやりきれない気持ちになるものの読み物としては嫌いではなかったです。が、「葉桜の季節に君を想うということ」を変えるほどではなく少し残念でした。
電子書籍
本当かな
2023/01/17 19:46
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ますみが、こうなってしまっているから、その本当の気持ちは判らないし、また、自分の命をかけてまで、平田に生きて欲しいと願ったのかは、単なる推察でしか無いですけど……。担当医師が、こう考えたのは……。
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スーパーの保安責任者である主人公と、万引き犯の女性を軸に、人間関係のすれ違いや過去の事件が絡み合う。
後味のいいタイプのミステリではないが、非常に歌野晶午らしい1冊。
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シンプルに、淡々と読めた作品。ただ、なんとなく、最近再読した「容疑者Xの献身」に似た感覚にとらわれ・・・。うまく説明できませんが、一読の価値はあると思います。
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重苦しい、希望がない。
思いがけないショッキングなラストに
さらに容赦のない真実。
少々辛い一冊。
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一応、ミステリーなのかな。
最後の論述で色々な可能性がでてきたけど、
どれが事実なのかは、不明のままです。
しかし、家族を失ったスーパーの店員と、同性相手からDVを受けている万引き犯。救いのないところから相手を思いやり、更に救いのないところにたどり着くところは、現実世界に例えても非常に考えさせられる内容でした。
もう少し、平田・ますみ双方に救いのある結末だったらよかった。何が善で何が悪かわからなくなりました。
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『葉桜の季節に君を想うということ』を超える衝撃!
罪深き者よ、どうか安らかに
偶然の出会いは神の導きか、悪魔の罠か?
運命が導く“究極のミステリ”
スーパーの保安責任者・平田は窃盗の罪で末永ますみを捕らえた。
彼女の素性を調べた際に判明した、“昭和60年生まれ”であることが平田の心に重くのしかかる。
平田はかつて娘・春夏を事故で失っており、彼女の生年もまた“昭和60年”だったのである。
そしてその事故の一端に、自らも責任を負っていた。
ヘッドホンと携帯電話。
自転車を走行中に彼女はそれらを使用していた形跡があったからである。
もっときつく言い付けておけばまだ生きていたかもしれない。
「かもしれない」を続ければキリがないのだが、平田の心にはどうしても悔恨の念が残っている。
そして7年が流れ、自分の命が幾ばくも無いことから、
末永ますみにある提案をする。
彼女はDV男から逃れられない典型的な女だった。
大金をわたし、彼女の人生にやり直しのきっかけを与えたのだったが……。
冒頭の出会いから幕をあける物語が行きつく先は、果たして平田を絶望から救済し得たのか?
ミステリ :☆☆☆
ストーリー :☆☆☆☆
人物 :☆☆☆
文章 :☆☆☆☆
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久しぶりに歌野さんの作品を読みました。
情景描写が細かくて、やっぱり引き込まれます。
大好きどぇす。
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なんと悲しい話だろうか?
いつ何時、その不幸が自分にも起きるかもしれないという可能性を考えたときの不安感と、そんな小説みたいな偶然の一致があるのだろうかという驚愕にただただ感心。しかし、なにかおかしいと感じ、最後まで読むとそれが、「オイオイ、そんな展開あまりにも悲しすぎる」と心が寂しくなってしまった。
数年前、こんなに読書しなかった頃に、歌野晶午の「葉桜の季節に君を想うということ」を読んだとき、確かに小説ってこんなにビックリするものなのかと衝撃は受けた。
この作品も、ミステリといえばそうだが、あまりにも悲しすぎて、そういう点では衝撃的な内容で自分としては高評価。若い頃に読んでいれば、違った感想になっていただろう。
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久しぶりに一気読み。非常によく練られたストーリーでまたしても裏をかかれた。
ただ最後の謎解き部分が説明調になりすぎている気がしてちょっと残念。
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ただただ重く、丁寧に描かれる人物の後悔や諦念に息が詰まる思いだった。中盤までは文章としての読みやすさも手伝ってか解りやすい展開ではあったが、突如の急展開を経た結末は、彼と彼女の決断は果たして正しかったのか、また、どうしたら彼らは救われるのかという問いを読者に提示されているような心地がした。彼らの覚悟を理解した上で飲み込むには自分には重いテーマであった。
制度そのものの是非を述べるだけの知識や思想は持ち合わせていないが、刑法、時効制度によって罪や人の死が定量化されるこの世界に生じる苦悩を垣間見た気がした。
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『葉桜の季節に君を想うということ』を超える衝撃という帯にまんまと乗せられて購入。
確かに『葉桜〜』同様だまされました。
でもパンチに欠けるし、騙すことに注力しすぎじゃないかな…と。
オチ以外はちょっと退屈でした。
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歌野晶午という作家を特別気に入ってるというはずじゃないのに、何故かとても気になってしまいます。それは恐らく「葉桜の〜」のインパクトの強さ、それだけが強烈な惹きとなって私の潜在意識に刻まれているからだと思うのです。
なので本作も同様なミステリ的な内容を期待して手に取った…のかな?わりと無意識に書店で手に取ったので、何を期待して本作を購入したのか、自分自身も分かっていなかったりします(汗)ただ結果として、潜在意識が期待していた内容とは違っていたことは間違いないように思います。
そもそも本作はミステリですらなかったなと思っていて、娘を事故で失った主人公と、その主人公に万引きを見逃してもらった女の関係を描いたドラマ、っていう印象。変な話、純文ぽいとすら思ってしまいました。
ぶっちゃけコレの何が面白いの?と問われると返答に困るのですが、主人公の平田が末永ますみに同情する様子とか、その女がリョウに依存してる様子の痛々しさにどうしても同情してしまうのです。
そしてなにより…ますみが自分を犠牲にしてんじゃない?ってお思しき結末に切ない感情をズバズバ刺激されるのでした。いや、冷静に考えれば「もしかしたら?」て考えると思うんだけどなぁ…それだけ主人公が娘のことを思ってた故のこの結末なんでしょうね。
とにもかくにも「やりきれない」という言葉が一番頭をよぎった作品でした。
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歌野先生の作品のタイトルの付け方が好き。これも上手く内容とリンクさせつつ、読後に余韻の残るタイトル。
今回は救いの無いパターンの話で、もう本当にどうしようも無い、誰も救われない。思いのすれ違いや、どこか欠けている人間関係が上手いなあと思う。