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秀吉の自筆書状をはじめ、五大老・五奉行らが残した文書を駆使し、人間関係、思考、政策、法令、いくさの実態にまで切り込む!創られた歴史からの脱却を図る意欲作!!
いったい何が真で何が偽なのか?
・序章 豊臣政権の制度と文書(山本博文)
・第一章 豊臣秀吉と黒田官兵衛(山本博文)
・第二章 秀吉のいくさと上杉・武田のいくさ(鴨川達夫)
・第三章 天下と殿下(堀新)
・第四章 古文書の伝わり方(田渕義樹)
・第五章 『 忠増渡海日記』と幸若舞(鈴木彰)
・第六章 秀吉と大名・直臣の主従関係について(曽根勇二)
・第七章 豊臣秀次朱印状の謎(金子拓)
・第八章 日用停止令と豊臣政権(光成準治)
・第九章 前田玄以の呼称と血判起請文(矢部健太郎)
・第十章 豊臣秀吉の「日本国王」冊封の意義(米谷均)
・第十一章 豊臣五大老の実像(堀越祐一)
・あとがき
史料の写真版、釈文、現代語訳が載せられているのが嬉しい。
シリーズ3冊目の本書は、どれも面白い。古文書の伝わり方では、本来、立花家に伝来しないはずのものが、なぜ伝来したのか知ることが出来て面白かった。(立花宗茂を九州之一物と評した秀吉の書状を黒田家から譲って貰ったり、大友家伝来の文書が一族であった立花家に伝わった。)
また、秀吉の日本国王冊封、秀吉が激怒したという有名な話が、頼山陽の創作であったとは知らなかった。この値段で、貴重な史料に触れられるのは眼福といえ、お買い得である。