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7つの短編と、1つの漫画。
すべて『恋人の聖地』に関する話だというのに
失恋やら別れたばかりやら、が見え隠れする話ばかり。
しいて言えば、5つ目がハッピーエンド?
かといって、やるせない気持ちにさせるわけではなく
そうなのか…という感じです。
喉にちょっと味が残っているような読後感?
最後の話、そんな風に遺品は手元に渡っているのを
初めてしりました。
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全国の恋人の聖地を舞台にした7編のアンソロジー。
好きな作家さんばかりで、わくわく♪
印象に残ったのは、
#アンビバレンス・村山由佳さん。
主人公の女性のインコ愛…って、恋のお話なのにそこですか?
>「世界でいちばん心落ち着く匂いは、インコ臭です」(笑)
動物愛に満ちた村山さんならではですね。
でも、インコアイスってどんなのだろう?
加藤千恵さん、畑野智美さん、他の作品を読んでみたくなりました。
そして、一番心に残ったのは、
#そのすこやかならざるときも・角田光代さん。
”結婚”それが必ずしも幸せに結びつくとは限らないと…。
恋愛と結婚は点と線…。
そうかもしれないですね~
それでも結婚式をさせてあげたかったなぁと思いました。
特攻…
「うつくしい花がよりうつくしく咲くのならば、折られる枝になんのかなしみがあろうか…」
徹の手紙の一文で、学生の頃読んだ『きけ、わだつみのこえ』を思い出しました。
あの時代、そう願って飛び立っていった方達は、
今の日本を、空の上からどのような思いでご覧になっているのでしょうか。。。
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アンソロジーです。7人の女性作家が全国各地の恋人の聖地を舞台に書いた短編。
好きな作家さんばかりで、バラエティにとんだ内容で楽しく読めました。
特に好きなのは畑野智美さんの『黒部ダムの中心で愛を叫ぶ』
ずっと友達だった二人が一歩を踏みだそうとする話。なかなか一筋縄では行かなかったけど、新たな展開が見えそうなラスト、とてもよかったです◎
それから角田さんの『その、すこやかならざるときも』
結婚に絶望していた女性がある手紙をきっかけに戦死した、大おじの恋愛に触れ、またその大おじが過ごした鹿児島の地で出会った男性との交流を経て、新たな決意を固める。
きれいごとばかりじゃないけど
結婚ってやっぱりいいなと思えました。
あと、漫画家のマキヒロチさんの作品はもちろんマンガ!これも10年来の友達関係の男女が違う関係性へ進む話。
こういうのに弱いな(笑)
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村山由佳 アンビバレンス…頭からパクリとされたインコが気の毒だった。すぐそこにある匂いが生々しい。
加藤千恵パノラマパーク パノラマガール…男にとって難解な分野。やはり雲をつかむような感覚。
山本文緒 バヨリン心中…子供を連れ去るような卑劣な裏切りをされたらもう無理だと思う。この家系はバイオリンの音色に弱いのかな。
マキノチヒロ 10年目の告白…マンガのためパス
畑野智美 黒部ダムの中心で愛を叫ぶ…評価はこの作品。好きだと叫ぶ所が良かった。清々しい気分。それとおばあちゃんが重しになっていていい感じ。
井上荒野 最後の島…これも良かった。旅先での出会いには非日常感もあって言い古された言葉だけどまさにロマンチック。
角田光代 その、すこやかならざるときも…これも良かった。特攻隊をネタにするのがずるいけど、その重いネタをさり気なく扱いながらもしっかり昇華させているのは流石。
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何となく、たまには恋愛ものを読むのもいいかな、けどサクッと読めるのがいいかな、と思い、図書館より。
・アンビバレンス
…いわゆる大人の恋愛ってやつかな。
自分が大切にしているものを理解してもらえるか。
・パノラマパーク パノラマガール
…展開は想像がついた。でも、独占欲というかなんというか、そういう恋愛感情に似た嫉妬のような感情を持つのもわかる気がする。
・バヨリン心中
…最後で、同じ血を継いでいるんだなあ、と。
・10年目の告白
…これは、刺さりました。いつまでも続けばいいって、どこかで思ってしまう関係の終焉。
・黒部ダムの中心で愛を叫ぶ
…恋人になり切れないでいた男女の話。内容は好きなんだけど、タイトルが、なあ…。
・最後の島
…えええっ、って感じの幕引き。で、結局なんなの!!けんちゃんって???みたいな。
・その、すこやかならざるときも
…祖母と、その弟と、その想い人の叶わなかった夢の話。恋愛でキュンキュンする、というより、なんだか心の奥のほうでじんわりとする話。
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日本全国で「恋人の聖地」に指定された場所を舞台にした恋愛アンソロジー。どちらかと言えば切ない結末の物語が多い印象。特に印象に残ったのは結末が予想の斜め上をいった加藤千恵さんの「パノラマパークパノラマガール」、実際にこんな現場に遭遇したらこっ恥ずかしいと思うがハッピーエンドでよいと思った畑野智美さんの「黒部ダムの中心で愛を叫ぶ」の2編。前向きなラストの角田光代さんの短編も良かった。感想はこんなところです。
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全国の「恋人の聖地」を舞台にした恋愛アンソロジー。風景描写とそれぞれの恋が絡まり合う感じがステキ。
個人的には加藤千恵さんと普段は読むことのなかった畑野智美さんのがよかった。
それぞれのカラーが出てる感じがするので、ここから新しく好きな作家さんを探すのにとてもよいと思う。
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他はあまりピンとこなかったけれど、角田光代さんの「その、すこやかならざるときも」がとてもよかった。特攻隊をしていた大叔父の手紙が壮絶すぎて少し泣いた。主人公には絶対に幸せになってほしい、、
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少し前に通勤本で読んだ。
さらさらと読めて良かった。
でも記憶に残ってないのでさらさらした文章だったらしい。前後に強烈な本に出会うと間に埋もれてしまう本が出てきてしまうなぁ。もっと記憶力が良ければいいのに。
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村山由佳さんの『ダブル•ファンタジー』が強烈だったので、他はどんな作品を?と思い、村山さんを含む女流作家のアンソロジーに手を出してみた。
漫画一篇を含む全七篇、全部面白かった。
敢えて順位をつけると、一番は、畑野智美さんの『黒部ダムの中心で愛を叫ぶ』。腐れ縁の男女の仲が遂に進展する、というよくあるテーマなんだろうが、妙に共感出来てしまった。
二番が、山本文緒さんの『バヨリン心中』。東日本大震災前後(作品発表時点ではほぼ現在)に適齢期だった若い女性が、2065年の近未来(遠い?)におばあちゃんとして当時の大恋愛を振り返り、それを孫と、大恋愛の相手の孫が聞いている、という設定。
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「恋人の聖地」をお題にした、7人の女性作家のアンソロジー。皆さん実際聖地に行かれたようです。
村山由佳「アンビバレンス」六本木ヒルズ展望台
村山さんっぽい、大人の恋の顛末。
加藤千恵「パラノマパークパノラマガール」伊豆の国パノラマパーク
“いずっぱこ”そうです、地元民は伊豆箱根鉄道をそう呼びます。コミックパノラマガールを読んでなくて残念でした。切ないけど友人として保つ百合系。
山本文緒「バヨリン心中」浜名湖舘山寺温泉
既に記憶が頼りない祖母が語る、若き日のポーランド人との恋と結婚と別離。残された息子とヴァイオリン。時を経て、別れた夫の孫ヴァイオリンを求めて訪ねてくる。別れた理由の一つが地震による原発事故。舘山寺の近くには浜岡原発。短編では、勿体無いような、これで良いような。
マキヒロチ「10年目の告白」川崎/ラチッタデッラ
またコアなところを。
コミック「いつかティファニーで朝食を」のマキさん。もちろんマンガです。
畑野智美「黒部ダムの中心で愛を叫ぶ」黒部ダムです。愛を叫びたくなって良かった、アラサーカップル。
井上荒野「最後の島」牛窓 オリーブ園
瀬戸内海の島とすれ違う人達。
角田光代「その、すこやかならざるときも」鹿屋薔薇園
特攻基地の鹿屋。特攻隊員と女学生の一瞬の恋。その一瞬に一生を過ごした女性。彼女の死後、その気持ちを知る孫世代。破綻しかけていた結婚生活に別れを告げ新しい人生を踏み出すきっかけとなる。さすがの短編。
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恋人たちやその周辺人物の物語を集めたアンソロジー。いずれも実在のスポットを舞台として描かれている。
アンソロジーであるので複数作家の作品が一時に読めるのがまず良い。
その中で、個人的に1番良かったのは加藤千恵「パノラマパーク パノラマガール」。「恋人」の概念にとらわれすぎていないところに好感が持てる。
また角田光代が鹿児島(かのやばら園)を舞台として書いていたので、何とはなく身近に感じられ、物語が自分のことのように心に入ってきた。
ストーリーの良さでは山本文緒「バヨリン心中」も捨て難い。