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「就活」「婚活」「保活」。近頃の私たちを囲む「〇活」という言葉がある。
しかし仕事も、結婚も、保育も人間として基本的な営みであったはずなのに、
なぜ「活動」しなくてはならなくなってしまったのか。
さらにそれがなぜ全身で、激しい消耗を伴うような形で挑まなくてはならなくなってしまったのか。
その背景について教育社会学専門、中京大学教授の大内氏(57)、もと朝日新聞で、現和光大学教授竹信氏(61)の二人が、
「現代思想」誌での対談および、もう1回の対談をもとにまとめた本。
言ってることはわかるし、問題の列挙、構造の解説、キャッチーな言葉にするあたりもさすがなんですが、
で、どうする?が微妙。
こういうことが必要!という主張はいちいちごもっともだし、そりゃそうだ、なんだけど、
どれも全部お金が必要ですよね、というものばかり。
・それを実現するためにはどれぐらいお金が必要なの?
・それはどこから持ってくるの?
という話とか、
・それはどうして持って来れなかったの?
というところまで突っ込んだ話をしていかないと、
安倍政権が悪い、ばっかりでは、むしろ話をしている2人が断層の向こう側にいるというか、
安全なとこから、やーねー、なんとかしなくてはねー、みたいな感じで話してる印象になってしまう。
難しいところだとは思うんだけどさ。
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マスコミの報道がされていないだけで、非正規労働者の増加や結婚、収入の減少など、様々な問題がどんどん大きくなっている。
この現実を真摯に受け止め、一人一人がどのような社会を構築していくべきか考える必要があると感じた。
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現代の大学生を取り巻く就活、独身者の婚活、出産した女性たちの次なる障壁=保活の実態が、浮き彫りにされている。
特に、保活の歴史は、非常に分かりやすく、ためになる。
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ブラック化する社会のなかであたらしい生活を「つくる」ために――。
「就活」「婚活」「保活」――この三重苦はいまどのように若者の生活を苦しめているのか。
ブラック企業、奨学金、「名ばかり」正社員、非正規雇用・・・・・・
いま日本が抱える問題を真正面から見つめ、その根本にある原因を掘り起こす。
日本型雇用の幻想と世代間断層を斬り、これからの社会を共に考えるための徹底討議!
第1章 「全身就活」から脱け出すために
「全身就活」時代がやってきた!?
「正社員ならダイジョウブ」幻想
変わる/変わらない「日本株式会社」
切羽詰まった女性の選択肢から
「降りる」前の環境を整える
第2章 「全身婚活」が終わらない!?
「普通でいい」はもう、通用しない。
「婚活株式会社」の実体は…?
家族の戦後体制と日本型雇用
長時間労働と結婚退職のリアル
ネオリベ時代と奪われる職場
見たくないものを見る力
第3章 「全身保活」と「保活デモ」の時代
「保育所探し」ヘトヘト時代にもの申す!
待機児童のリアルを見つめると…
「三歳までは家で育てる」妄想
行き過ぎた保育の民営化
女性の貧困をめぐる「世代間断層」
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「世代間断層」の困難に追い打ちをかける「階層間断層」。 三丁目の夕日政策を振りかざされて説教され追い立てられつつ、持てる全てをつぎ込んで「ありもしない世界」が求めるものを達成しようとする必死の試み。それが「全身就活」「全身婚活」「全身保活」の正体(まえがきより)
誤解を受けやすい表題な気がするが、”エクストリームな〇活の実態”を書き立てる内容ではなくて、背景にある新自由主義の弊害について語られている。
竹信氏は熱くて直球、ユーモアもあるのでこの手の内容ながら読んでいて感じが悪くない。10年前の対談だが、世の中は本質的には今もあまり変わっていない気がする。でも今の当事者世代は必死になってくれず政治のほうが本気で慌て始めたところだろうか。