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1967年、1983年〜1987年、1995年の短編集8編。
勧善懲悪でなく面白い。
特に「高級官僚を死に追いやった手」が人間の怖さを表している。
しかし、昔は個人情報にもおおらかで、銀行通帳も簡単に作れたのだな。
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短編集でした。
西村京太郎さんって…鉄道ものの作家さんってイメージでしたが、鉄道の話はなかったなぁ~。少しあったかな??ってくらいです。
三浦一馬くんと城田優くんでドラマになるらしいってことで読んでみたんですが、昭和の香りぷんぷんの話でした。ドラマは現代バージョンでやるんだろうけどね。
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2浪目にも関わらず3年目の入試の日に寝坊。
試験を受けるために大学に爆破予告をする。
念願の大学入学を果たしたが、その行動に気付いている人が。
「受験地獄」を含む7編を収録した短編集。
最後にちょこっと十津川警部が出てきましたが、
シリーズではなくバラバラの短編集でした。
バラバラとはいえどの話も、ただ事件を解決するだけではない話ばかり。
最後に心がもやっとするような。
人の嫌な心理をつく作品ばかりです。
でも、そういうところがすごく人間ぽい。
すっきり解決してチャンチャン、という小説より、味があって面白いなと思いました。
さすが西村京太郎だけあるな、と。
短編ではなくちゃんと読みたいような、でも短編だからいいのかな、というような感じでした。
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初めての西村京太郎作品。西村京太郎といえば「トレインミステリー」というイメージが強くて、なかなか敷居を高く感じていたのだが、本作にあるのはそういった作品群とは一線を画するものばかり。なるほど、こんな作品も書いているんですね。
良くも悪くも「短編ミステリー」。正直に言えば、本書を読んだだけでは「なぜ西村京太郎がこれほどまでに人気があるのか」が見えてこなかった。どれもこれも面白いのには違いない。けれども、特別感があるわけではない。
とはいえ、言い換えれば「西村京太郎さんが一種独特の世界観を持っているわけではない」ということを知れたのはひとつの収穫。今度は西村京太郎さんの真骨頂の長編ミステリーにも挑戦してみますか。
【目次】
受験地獄
海の沈黙
神話の殺人
見事な被害者
高級官僚を死に追いやった手
秘密を売る男
残酷な季節
友よ、松江で
解説 山前譲
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○いずれも濃く思わずうなってしまう西村氏珠玉の8編の短編集。
「受験地獄」
T大受験2浪目の木村は、試験当日寝坊した。間に合わないと悟った木村は大学事務局へ「爆弾をしかけた」と電話を入れた。目論見通り試験時刻はずれ、受験にも成功した木村だったが、それを佐藤という男が不審に思って脅してきた。脅しに屈した木村は佐藤に金を渡し続け、ある日我慢ならなくなり殺しに行こうとして・・・
※若干上記エピソードとは違うが、2014年7月に日本テレビ系列で、「殺人偏差値70」というタイトルでリメイク実写化。
「海の沈黙」
新聞記者の田島は東北旅行の際、新聞で船の沈没事故の記事を読む。乗員全員が助かったという奇妙さに惹かれた田島は、漁師町Nへ向かい聞き込みを始めるが、街人の様子はおかしい。やがて、助かった高木という漁師に話を聞けたが、その高木も殺されてしまい・・・
「神話の殺人」
小雑誌社に勤める田辺は、「テレビに出演していた車引きの女は偽物」という奇妙な投書を調べ始める。実際に偽物で、ディレクターのでっちあげなのではないかと推理した田辺は東京の女のもとへ駆けつけるが、殺されてしまい・・・
「見事な被害者」
新聞記者の田島は、モナコレースで優勝した宗方の恋人を探していた。すると、偶然通りかかったアパートで自殺があり、それが恋人の上岡らしき人物だった。しかし覚醒した後話してみると別人だということがわかり狼狽するが、ある取引を田島は持ちかけ・・・
「高級官僚を死に追いやった手」
地方に飛ばされていた官僚・片桐は、いつか同期の里見が失脚しないかともくろんでいた。その折、失踪したという連絡が入り片桐が中央に戻されることになった。大臣の井上が仲良くしているKパルプの秘書や社長とも顔を合わせることになったがそのとき、里見が死んだという連絡が入り・・・
「秘密を売る男」
雑誌記者沢木は、政治家三田を選挙公報で告発する謎の立候補者前島徳三郎のことがとても気になった。取材に行った沢木は、前島が何者かから金をもらってその広報を書いていることがわかり、いろいろと調べていると、何者かが前島の名前の印鑑を作らせたことを調べていることがわかり、そのあとを追ってみると・・・
「残酷な季節」
安田プラスチック専務の水島は、社長の安田に呼び出され、経営難であることから不安を覚える。しかし打診されたのは新会社・安田玩具の社長就任だった。順調にいっていると思われた新会社の立ち上げだったが、ある朝出勤すると、横領の疑いで出頭せよというのである。おかしいと考えた水島は自白したことにして自宅に戻ったが・・・
「友よ、松江で」
警視庁の小川刑事は、松江のホテルから友人江上の手紙を受け取り、助けるために松江にやってきた。が、そこには江上はおらず、代わりに君原というアベックにたどり着く。ようやく江上を見つけたと思ったら逮捕されていた。江上の無実を晴らすために動き回っていると、江上の勤め先の岡村が殺され、「俺がやった」と言っていたらしい。しかし、真相は・・・
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西村京太郎・著。昭和42年から平成7年までに書かれた短編8作品。大学入試当日寝坊した2浪生が試験開始を遅らせるために爆破予告電話をかけて無事合格する「受験地獄」,刑事の許に命の恩人である高校の同級生から助けを求める手紙が届いた「友よ、松江で」,事故死したF1レーサーの恋人が無名の歌手であるとの特ダネ記事を書くが,どうやら人違いだった「見事な被害者」など。社会派の色濃い作品集。
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もうちょっと広げて書けば長編のネタになるようなものをあえて広げずに書いた作品が多い(練りあがってないので展開も予想しやすく、偏差値70の表題でいいのかは疑問)。後味がよくないものが多いのが特徴かな?
とはいえ、さくっと読める気軽さはさすが。