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単行本読んだ時、そんなに原文と変わらないのに何て魅力的なんだ、と思った記憶があるのですが、今回収録の原文を見て、文語体じゃん、と。あれ、全然違うじゃん…。作者の文章が自然すぎる、ってことでしょうか。とにかく原文よりも好きで、最近の京極作品の中では一番気に入ってます。
原文と比較しながら読むのも面白く、一を読むととにかく遠野に行きたくなる。
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2014.6.26 am0:29 読了。本書は柳田国男『遠野物語』原文と京極夏彦が解釈・意訳した『遠野物語』を収録している。まず原文を読了後、remixを読んだ。原文で合点がいかなかった部分をremixで補足した形だ。原文を読んだ時よりも情景が鮮やかに浮かんだ。物語として読むならremixは最適。だが原文は原文でやはりすごい。初めて読んだ。平易に物語を記す。美しい短文はきっとこんな文章を指す。無駄が一切なく、できごとの本質、本筋、を本当に適当な言葉で表す。すごいなあ。これからレポートはなるだけ短文で書くようにしようか。内容に関しては、私は『遠野物語』を物語としか見ることができなかった。この物語を無意識に事実と捉えることができない。現実味を感じないまま読み進めた。善し悪しは別として、私はもう完全に合理主義で曖昧さを徹底的に排除する、昔の人々の思いが詰まった物語を否定する、物語が忘れられつつある時代を生きていることを実感した。これで本当にいいのだろうか。『遠野物語』が事実として受け入れられていた時代の方が現代よりもはるかに長いのに。民話や伝承を現代のもっと多くの人が生かせるような方法が必要である。情報伝達技術が発達した今だからこそ実現できるはずだ。retoldも読みたい!
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柳田國男の没後50年、著作権切れをもって、当初の出版から百年を経た現代に向けリミックスされた書。順番が整理され、意訳が加えられているが、原著の内容や味わいは大いに伝わってくる。(原著も収録されているのでそれがよく分かる。)
今も人々の心の中に生きている、怪異や不思議、自然・季節・夜などへの畏怖が感じられた。
14-103
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remixというだけあってアレンジが効いている。文中の場面や心情なども詳細。でもやはり柳田國男氏の語り口がいちばんおもしろいということに気付かせる一冊。
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興味があったけどハードルが高かった本。京極さんがかみ砕いてるとあり、それならと読んでみたら。
面白い。語り継がれる民話。
懐かしい気持ちになった。
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遠野物語は、いつか読みたいと思いつつ手を出せていなかった作品。京極がリミックスとあらば読むしかない!
とても読みやすかったし奇譚をとんとんと並べているこの仕様がふとした瞬間にヒヤリとする。面白かった。
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2014年8月31日読了。
京極夏彦が遠野物語を乗っ取りにかかったぞ!という感じ。いいぞいいぞ、と思いながら読んでしまった(笑)
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読みやすいといえば読みやすかったが、ばりばりの京極夏彦の文体で書かれていて、それがわざとらしさが出て嫌らしい感じだった。
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原本、遠野物語を読んでからのremix。
「なるほどそう書いてたのか」とおもう話ばかりだった。
山男・山女・天狗など原本では出てきたのは解るけど、状況が解り難かった話がすんなりと入ってきた。remixの中に原本も併載しているので、読み比べられるのも良かった。
いつか又、原本を読んでみようと思った。
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柳田國男による『遠野物語』を再構成し、新たな語り物に仕立て直したリミックス作。大変読みやすく、また物語として文脈がわかりやすくなっている。
削られたエピソードは多いが、押さえるところは押さえられているイメージ。
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昨年の秋に読了。物語の途中で放り出されるとなんとも不安な気分になる。えっそこで終わり?って何度思ったことか。そのせいか読み終わった気がしなくて、ついつい何度も読み返していました。なにが怖いのかわからない怖さってあるんだなー。
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”遠野物語remix 付・遠野物語”京極夏彦・柳田圀男著 角川ソフィア文庫(2014/06発売)
・・・遠野出身の佐々木喜善が語る怪異譚を柳田が記した”遠野物語”、その京極夏彦版。(柳田の原板も収録)
現代語に訳出したものや、関連のある話を近くに集めたり、非常に読みやすい構成。
・・・柳田版を前に読んだときも思いましたが、間に人が入りすぎ。
遠野住人(複数の場合あり)→佐々木→柳田、で、
話の内容が相当変わっているのではないだろうか。
また、実際にあった話のように語られている中にも一から作られたっぽい話も多数。
各話の成立の過程を考えながら読んでいくと非常に面白い。
今年のベストを狙えるクラスの一冊でした。
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正体の分からないものへの畏敬、姿は見えているが自分とは違う物への怯えは今の日本人の好む物語にも通じるとおもう。カッパ、雪女、山男、童話だったり小説、漫画、映画でも有名な妖怪達の物語が京極夏彦さんの手によって読みやすくなっているので興味はあったけど古い作品だし手を出しづらいと考えている人がいたら、これを! と差し出したいです。
現代人以上に神仏信仰が盛んで、生活に馴染みすぎたが故に無宗教であると言う人もいない時代だからこそ、たぶん勘違いだろう、見間違いだろうではなく化け物に違いないという方向に転がっていくのは興味深い。
五十九の胡桃の合間に赤ら顔の河童が見えたのはその最たるものだと考える。
後ろに掲載されている柳田国男の方を読めばよく分かるが、そちらもまた読み慣れない文体であるがゆえに違った恐ろしさを持った作品でした。
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柳田國男の名著『遠野物語』を京極夏彦流にアレンジメント。私にとって初の京極作品がこれである。何それ。
大分ホラーノベルテイストになったが、それでも遠野物語の、語られることで明るみになる樹樹と、語られぬことにより生じる虚(うろ)とが醸し出す不協和音が生かされていて良い。京極氏が元々そういう作風だったらごめん。何せ読んでない。
一一七番のヤマハハの話の結びのアレンジはすげー怖かった……。
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ずっと気になっていた「遠野物語」を
京極夏彦氏のremixバージョンで、やっと読むことができました。
現代仮名遣いなので大変読みやすかったです。
伝承という形態をとって綴られたこのモノガタリ集はあきらかに文学作品であるとともに、普通の物語とは違う。
たくさんの不思議な話があるなかで、中には現代科学で説明がつきそうなものもあったりする。
妖は現代で生きるのは難しいだろうなぁ。
そしてこの作品を読んでいて「百鬼夜行抄」が無性に読みたくなりました。