紙の本
「ふだん使い」には、いささかハードルが高いかも
2016/06/26 23:00
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投稿者:Otto - この投稿者のレビュー一覧を見る
書名や装丁はポップな感じですが、ナラティブメディエーション
という耳慣れない交渉術に関する、まあまあハードな内容の学術
専門書です。
実用書感覚で手にすると、なかなか読み進めません。
各章の終わりに「要点のまとめ」があるので、頭の中のモヤ
モヤを整理するのには助かります。この「要点のまとめ」を
読んでから、本文を読んでも良いかと思います。
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人はときとして、ともに平和を望んでいるのにもかかわらず対立関係に陥ってしまうことがあります。そこには、彼らが思い描いている対立の「物語(ナラティヴ)」があり、その背後にはその物語を構築する文化(広義ですが、先入観などともいえるかと)があります。
ナラティヴ・メディエーションとは、対立の物語とはべつの物語を構築することによって、相手への理解や共感、敬意を再確認し、対立の原因となっている問題を解決するための足掛かりを用意するための手法です。
この本では、人びとが構築した単純な物語からべつの可能性をもった物語をつくるための具体的な事例が紹介されています。具体例をつうじて、単純な物語からべつの可能性を引きだすための聞き方や分岐点について考えることができたので、大いに参考になりました。
* メモ *
二重傾聴……人びとの言説の背後にあるものを聴く。そこにすでに解決への糸口、別の物語を構築するための手がかりがある
外在化の会話……問題を外在化し、自身と問題の関係を客観視する。また、人VS人の関係ではなく、人・人―問題、同じ問題に対峙し苦悩している関係だと考える
相反する物語の構築……二重傾聴などによって得られた手がかりから、べつの物語を構築してゆく。
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題名は易しそうなのだが、翻訳のせいなのか読みにくく、内容もわかりにくい。「人生物語」がテーマのようだが、果たしてテクニックで「人生物語」に変化や影響を与える事が可能なのか?という疑問もある。
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紛争解決の調停法について、一応、頭に入れておこうと思って、とっかかりやすそうな本書を読んでみた。
タイトルにも「日常づかい」って書いてあるし、前書きみたいなところで著者も席を立たずに一気読みできる本を目指した、なんて書いてあって、それなりに読みやすくはあった。しかし、内容は、かなり深くて、一気読みできるものではないし、すぐ日常で使えるようなものではない。相当のトレーニングを必要とするものに思えた。
これまでコーチングとか通じて色々なテクニックを学んできたつもりで、ここで書いてあることも、それに通じるものであるのだが、結構、これは新しいのではないかというワクワク感がある。
思想的なバックグラウンドは、いわゆる社会的構築主義なんだけど、フーコー、ドゥルーズ、デリダとかのフランスのポスト構造主義がベースにある。(といっても、そこはアメリカ人のやることなので、脱構築で終わることはなく、ちゃんとプラグマティックなツールになっている)
なので、個人の話していることの中にある文化的、時代的なディスクール(言説)が含まれることに意識が向けられる。その文脈の中で、個人のいっていることの中にも、複数のナラティブが存在することに耳を傾ける。
そして、対立の相手の中にも複数のナラティブが存在することを意識化することで、なんらかの合意の可能性が生まれてくる。
みたいな感じかな?
なんか、ヤバ、これやりたくなってしまった。
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二重傾聴という言葉に興味を惹かれ読んだが、あまりにつまらなくて途中でやめてしまった。翻訳が悪いのか、事例が多いにもかかわらず抽象度が高くて意味がわからない。