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『D機関シリーズ』のようなハードボイルドさはない。ワシントンDCとSP、このふたつの設定において、外側と内側の実情やトリビア的情報も披露しながらさくさく展開していくが、作中の表現や会話などの雰囲気が典型的な“アメリカーン”なので、読んでて気恥ずかしくなる。USAドラマでありそうな感じ。社会問題も絡めてはいるが、全体の印象が軽いので、そっち側にいけばいくほど逆に可笑しく見えてしまう。
細部までよく練られたストーリーなのに勿体無い気はする。エンタメとしては面白い。どこかで見たようなシーンが多いので、映像もイメージしやすいし。意味深な終わり方なので続編があるのかなあ。その時はどこか別の国でやってほしい。アメリカーンな柳広司はもう結構。
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シークレットサービスに研修に赴く、日本警察のSP、首藤。
首藤がすごすぎてそわそわする。笑。
シリーズになるのかなあ。
おもしろかった。
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ナイトは夜でなくて騎士というのは表意にKnightと書いてあるからわかること~首藤はSPのエースであるが,首相護衛のために独断で金属感知器を設置して衝突し,2001年春,ワシントンDCのシークレット・サービスに研修に出された。子守はバーンという警護官だが,銃規制を求めるデモの中で爆発音が響き,子供を人質に取りナイフを持った男を取り押さえたのは首藤だった。その金髪の女児の保護者は山岸美和子という女性で,女児は姪だという。姉は,カメラマンとして働く美和子を見に来て,外科医と恋に落ち,結婚出産したものの,ショッピングモールで起こった銃乱射事件で犠牲になったため,新大統領が誕生して銃規制が方向転換をしているのを憂いたものだった。しかし,現場からのは大統領と高性能プラスティック爆弾の写真が見つかり,SSが動くべき大統領暗殺計画があることが判明した。ナイフを振り回して風船を割った人物は市警の留置場で死に,真相を究明しようとする首藤には,美和子を誘拐し,手を引けと脅迫が届く。建設が止まったガラス張りのビル予定地で,美和子の身柄が確保されるが,自動車でも使われている尖らないガラスのお陰で軽傷で済んだ。首藤の母親は,中東のテロ組織《狼の谷》が起こしたマルノウチ爆破事件で,降ってきたガラスの破片に切り刻まれて死んでいたのだ。政治学者である父は,テロ組織を批判するマスメディアとは一線を画し,権力者が暴力を政治手段として使い出す世の中が恐ろしいと警告を発しつつ,亡くなったのだ。ケネディ文化センターでのオペラ鑑賞会には日本の首相も来る。そこが現場になると首藤は判断する。タキシードの下に爆弾を抱えていたのは,美和子の義兄で外科医のケイン。それを操っていたのは,日本国籍を持ち,恋人である首相秘書がゲイを理由に首にされたことで恨みを募らせていたロシアと日本のハーフだった。しかし,これは偶然か・・・情報を流している者が大統領の周辺にいるのではないか?~設定はアメリカ同時多発テロの半年前・・・暫く経ってアメリカによる自作自演説が出てきたよなぁ。ビン・ラビンも暗殺されてしまった今,忘れてはならないテーマを小説として残すのは良いアイデアだ。全日本剣道選手権を制した剣士が腕利きのSPというのはいただけないが
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誰もが死ねばこうして消えてなくなる。後に残るのは約束の言葉だけだ。生きている者にできる唯一のことは、死者と交わした約束を守ること。ほかにいったい何ができるというのか?
(P.112)
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日本の超一流SP 首藤が、アメリカのシークレットサービスでの研修中に大統領暗殺計画事件に巻き込まれるという話。
意外な結末で面白かったが、「ジョーカー・ゲーム」で期待してただけに、説明句調やテンポの悪さが気になった。長編だからか。
(図書館)
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米国シークレットサービスに研修に来た日本人SPが主人公のミステリ。お話としてはまぁまぁ面白いんですが、主人公があまりにもパーフェクト過ぎて違和感ありまくり。大昔に読んだ門田泰明の黒豹シリーズを思い出しました。
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ジョーカーシリーズのような空気感もあるのだが、何かあと一歩物足りなさが残る。
微妙なイロコイが入ったり、首藤に人間味は少し感じられたが、その分、作品の空気感が弱まった気がして残念。
シリーズ化できそうな作品だし、今後の展開に期待。
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日本の優秀なSP首藤武紀が、研修先のアメリカで大統領のSPとして活躍するストーリー。
よく練られているとは思うが、その練ったプロットを消化するのに終始したという感がある。
ジョーカーシリーズのような完全無欠の主人公でもなさそうだし、だからといって人物の心理がしっかり伝わってくるような描写があるかというとそうでもなく、事件の背景も説明先行という印象。
ぐいぐい引っ張りこまれるようなパワーはなく、中途半端に終わってしまった。
残念。
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SP・首藤が、合衆国シークレットサービスで研修を受けることになる中、暗殺計画がみつかる。
ジョーカーシリーズほど深みはなく、本物の事件をモチーフにしたエスピオナージにした方が良かったのではないか。
現実とのずれと、あまり意味のない女性登場人物が違和感。
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日本のSPである首藤が、アメリカのシークレットサービスに研修に赴き、アメリカでのテロ事件で活躍する実際にはあり得ないと思うけど、単純にアクションものとして楽しめる1冊。
この作家さんの作品は基本的に「ジョーカーゲーム」シリーズしか読まないので、現代が舞台の話はなかなか新鮮。ま、若干、何年の話なのかよく分からないところはあったけど。
相棒のバーン捜査官もいい感じで、ちょっと続編が読みたいかも。
一番、びっくりしたのはシークレットサービスの本来の仕事が要人警護ではなく、偽造紙幣等を見破ることだったこと!やっぱり本を読むと、いろいろ勉強になる!
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柳氏のミステリ本。初読破。
主人公がひたすらに完璧でクールでかっこいいですね。
そのせいか、主人公の1人称というより、周囲の人たちの目線で話が展開していく感じがあります。
ちょっと気になっているジョーカーゲームもこんな感じなんでしょうか?
話は面白かったし、文章も読みやすくて好きな部類に入ります。
他の作品も楽しみです。
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すぐに映画にできそうな、ストーリーとスピード感。日本人が外国のエリート集団の中で活躍するという設定も夢があって良い。寡黙で謎な主人公を深堀した続編を期待したい。
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「ジョーカー・ゲーム」シリーズ以外の著者の作品を読むのは初めて。時代背景はぐぐーんと現代に近づいていて、最後に仕掛けられた裏の陰謀あたりは、先のシリーズっぽいところも読めるかな。主人公の首藤が完璧すぎな感はあるけど、それ以上に格好良すぎて、私はクラッとなった(笑)バーンとのコンビ感も良かったし。このコンビは期間限定で次はないかもしれないけど、首藤が主人公でまた続編があったら読みたいな。
ただ、例の二国の首脳、人物をボカしてはあるけど誰をパロったかは見え見えで、陰謀の真相にしても皮肉が効きすぎて、面白いというより苦笑いの心境になってしまった。まだ健在の人物だけに、毒が効きすぎ。やっぱり「ジョーカー・ゲーム」の時代にまで遡るくらいが一番いいかも。
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アメリカを舞台に、大統領暗殺計画を巡る謀略サスペンスミステリ。優秀な能力を持つSP・首藤の活躍がなんともかっこいい! そしてシークレットサービスの任務の激烈さと、彼らの抱える矛盾にも引きつけられます。
ミステリとしての展開も、意外な展開に驚かされました。決して悪い後味ではないのだけれど、読後はほんの少し、ぞくりとさせられる気がしないでもありません。
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この作品中のテロ未遂事件を米政府の謀略であるということにして、911謀略説を仄めかしているが、作品中の事件のほうがペラッペラの安手のものなので、却って白けてしまった。主人公のSPがゴルゴ13みたいな寡黙(というかコミュ障レベル)超人設定で、ヒロインが勝手に舞い上がって独り相撲状態なのに自らを省みることなく、相手が自分を目に見えて女扱いしないからといって衆人のなか平手打ちしてしまうという恥ずかしすぎる設定で、これはよくある反発しあう(うざ)カップルが事件の中で仲良くなるというエンタメ大王道もののパロか(これまで数多本歌取りによって新鮮な視点を提供してきた著者なのだから!)と思いきやそんなこともなく、ひたすら安手で素人のスイーツ小説かよ状態のままだった。事件もおかしくて、一番派手な場面について、「建築現場でのあの爆発は、事件全体を考えればどう考えても不必要だ。」、主人公を目にして「ふいの殺意にかられて起爆装置のボタンを押した」(p.298)と言っているが、主人公の爆殺狙いでもなければ、爆発以前に、ヒロインをあの場所に監禁して主人公をおびき寄せること自体が不必要だろうが(もっとも主人公を爆殺する意味はないのだが)。操られていたケインもおかしくて、銃器規制するのに、自爆テロなんか意味ないだろ、やるなら銃乱射だろーが。操っていたとされるミツハシは、爆弾も情報も未知の人物から提供されてるんだから、首謀者扱いにならんだろーが。いくら日本の情報管理が甘々でも、警備態勢の変更を提言した1下っ端役人の個人名が新聞社とかに広まるわけないだろーが。バーンの年齢設定もナゾ。SSになって初めての事件で使命への疑念を抱くようになり、間もなく警護を外れたと思われる描写があるが、それは2年前、年齢は30代後半(に見える)、そんな年取ってからなるものなんだろうか。等々つっこみや疑問が次々わいてきてあまり楽しめなった。