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読書中、アトスの浮世離れっぷりに俗世間を忘れた。普通に旅行記としては面白いけど、村上春樹らしさは希薄かも。
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大体からして、こういう写真とか書画とかを作家が始めたら、『あーあ、終わったな』とか思いません? 芸術家気取りは鶴太郎だけでええっちゅうねん! って感じで。
ところが、この紀行文は読ませる。緻密に書き切ろうという文章ではなく、気になったところを切り取って書きましたって文章なので、写真の風景を自分でも確かめたくなるんですわ。これ読みながらマルボロ吸ってた、懐かしき学生時代。
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いつもと少し違う文章の雰囲気に一瞬春樹じゃないかと思ったけどやっぱり村上春樹でした。p50?〜この音の響き方ばかりは、テープに録音して聞かせてもたぶん伝えられないだろうと思う。それはあらゆる状況を含んだ音だからだ。状況を響かせる音だからだ。アトスの夜の深い闇、沈黙、我々とは違う時間性、満天の星。?p70?僕には宗教のことはよくわからないけれど、親切のことならよくわかる。愛は消えても親切は残る、と言ったのはカート・ヴォネガットだっけ。?p75?かくのごとく、旅においては物事は予定どおりに順調には運ばない。何故なら我々は異郷にいるからである。我々のためではない場所ーそれが異郷である。だからそこにあっては、物事は我々の思惑どおりには展開しない。逆に言えば、物事がとんとんと上手く運ばないのが旅である。上手く運ばないからこそ、我々はいろんな面白いもの、不思議なもの、唖然とするようなものに巡りあえるのである。そして、だからこそ我々は旅をするのである。?p180?〜どちらを選ぶかは、個人の自由である。あまり楽しくない自由だけれど。?p184?〜旅行について何かを書くときには、とにかくなんでもいいから細かいことをすぐにメモすることが肝要なのだ。?p185?〜こんな餓鬼に負けてたまるかと思う。そんなもの存在しないと思えば、存在しないのだ。存在というものは認識を基盤としているのだ。?ね。やっぱり春樹でしょ。でも珍しく影響されなかったな…影響されなかったというのは、ギリシャにもトルコにも行きたくならなかったということ。内容自体はおもしろかったんだけどさ。
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内容(「BOOK」データベースより)
「女」と名のつくものはたとえ動物であろうと入れない、ギリシャ正教の聖地アトス。険しい山道にも、厳しい天候にも、粗食にも負けず、アトスの山中を修道院から修道院へひたすら歩くギリシャ編。一転、若葉マークの四駆を駆って、ボスフォラス海峡を抜け、兵隊と羊と埃がいっぱいのトルコ一周の旅へ―。雨に降られ太陽に焙られ埃にまみれつつ、タフでハードな冒険の旅は続く。
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-存在というものは認識を基盤としているのだ。
ギリシャ正教の聖地アトスとトルコを巡る旅。
✂ฺ------------------------------------------------ฺ+
おもしろい!!!!!!!!!!!!!
修道院で出される料理をミシュラン風に評価したり、
トルコ人の人懐っこさを必ずしも肯定的に受け入れる
わけではなかったり。
とにかく村上春樹の表現は、やっぱり素敵です。
カフソカリヴィアの猫のところが特に好きです。
比較的古い本だけど、その当時の国際情勢を頭に
入れながら読むと中東のピリピリ感がリアルに
想像できて、より一層楽しめると思います◎
もし自分が男だったらアトスに行きたいと思うだろうなー
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-でも何日かたつとアトスが不思議に恋しくなった。(中略)そこでは人々は貧しいなりに、静かで濃密な確信を持って生きていた。(中略)猫でさえ黴付きのパンを美味しそうに食べていた-
ギリシャ正教会の支配化にあり、女人禁制のアトス半島修道院廻りと、トルコ21日周遊旅行のお話。人とのかかわりのエピソードが薄いせいか、いまひとつ引き込まれないまま終わってしまった。禁欲的な世界での、過酷な旅のせいかも。偉大なら退屈と過酷さのせいで、この半島に引き返したくなる気分はわかるようなきもする。ま、なにせ、アトス半島は女人禁制だし、女子にはわかりにくい世界かも。そういう意味でも、女子は、この本を読んで男子ワールドを垣間見るのも一興。
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これも、ハード加減が良い。
何もそんなに・・・。と思いながら
半分うらやましく、読む。
昔読んだ。
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ギリシャ・トルコを汗まみれ埃まみれになりながら旅する村上さんの旅行記。
村上さんの眼を持って世界中を旅したらきっと面白いだろう。
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ギリシャの旅が予想外の旅だった。
現実離れしてて、興味深かった。。
トルコの旅では…
チャイ飲みたい!
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村上春樹は紀行文も何冊か書いているし、なかなかいい。
そういえば、彼の小説の中にも、そういう場面がある。
どこかの町のホテルで、または海の畔で、のんびり寝ころびながら、一日本を読んでいるのだ。
そういう旅行もたまにはいい。最高の贅沢だ。
ギリシャとトルコ、人があまり行かないところに、村上春樹は行く。
そして、人とは違う楽しみを見つける。
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ちょうどここのところ、ギリシャ・トルコあたりの歴史を
やっていたので、読み返していました。図版・写真付きなのがうれしいところ。
やはり村上さんのエッセイはおもしろい。彼の小説が苦手だというひとには、こういったエッセイのほうをおすすめしたいです。
ほこりにまみれて荒っぽいけれど、強烈な旅をしてみたくなりました。
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本作が出版されて20年弱。実際にトルコの地を踏んでみたが、作品の中に描かれている埃っぽさがあまり感じられなかった。
「埃っぽさのある旅行」を求めるならば、経済発展を遂げつつある今日のトルコに行くよりも、本作を読んで頭の中で疑似旅行に浸るのがいいかも。
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ギリシャに行った際に、「辺境・近境」を持っていって、帰国してからきがついたが、村上春樹もギリシャに行っている本があるではないか。
この本は、ギリシャ「アトス」と、トルコの旅行記である。どちらもハードな旅で、改めて優雅と思っていた村上氏の冒険に驚かされる。
「アトス」は女人禁制のギリシャ正教の聖地で、特別ビザが必要な修行の地である。ガイドブックの最後にも確かに載っている。厳しい山間の移動に、修行僧の生活に、粗末なパンやチーズの食事に、疲れを癒すウゾー(酒)・・・。
トルコは、車でぐるっと一周。今もさほど安全ではない国なのに、当時はもっと危険だっただろう。そんな一触即発な地域にまで足を踏み入れ、汚いホテルや交通事情をぼろくそにいいながらもトルコは嫌いでないという。
隣どおしの地中海に面した国でもまったく事情がちがうから面白い。
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ずいぶんとタフな旅をしてるなあ。
これを読むと、やはり旅って基本的に辛くて苦しい。日常の安楽さを知るための作業のように思える。
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ほんとに辺境の旅行記だ。
これを読んでギリシャやトルコに行きたくはならないかも知れないけど、読み物としては非常に楽しめた。
主観の前に、きちんと客観的にその国や人々を捉えているのが、また面白い。
来月トルコに行くんだが、チャイハネに行って日記をつけてみよう。
と言ってもトルコはここ10年位の間に、デノミがあったりEUに入りたかったりでかなり近代化されたみたいなので、春樹の言う画一化された観光地になっているかも知れないけど。
ともあれ、ウォータークーラーの水にとじゅうたんやには気を付けようと思う。