紙の本
スポーツの記録に選手の能力以外の要素の関与をどこまで許されるのか考えさせるストーリ―
2016/07/27 19:58
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投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本人ランナーにマラソンの世界最高記録を日本で開催されるマラソンで実現させようと、様々な立場の人間が織り成すドラマ。世界最高記録達成のためにマラソンコースそのものを設定して新たな大会を開催し、ペースメーカーを選定してエースに記録を狙わせる。その過剰なまでの「お膳立て」に対して記録を期待されるエースランナーが感じる葛藤。ちょっと前、競泳界では高速水着の問題がありました。スポーツが靴などをはじめ様々な道具、環境の下で実施される以上、どこまで人為的な関与が許されるのか、考えさせられる小説です。
紙の本
読み応えあり
2022/02/23 10:16
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投稿者:沖田圭介 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小説前編は,マラソンコース設定や選手選考という読む側としては退屈であるが,マラソンが始まると選手同士の駆け引きに飲み込まれてしまう程楽しいです。ただ,残念なのが結末がないところである。作家としては,最後は読者の想像に任せるとの意図であると思う。
電子書籍
山城ファンです
2015/09/29 01:53
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投稿者:でいびす - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作「チーム」で、主役級の活躍を見せた、
嫌われものの天才ランナー山城。
今作では、主役と言っても過言ではないですが、
彼の自己中には磨きがかかっています。
でも彼は、ただ、自分の納得の行く走りがしたいだけなのです。
あまりに実直に取り組むが故に、周りに敵を作ってしまう。
そんなことってありますよね。
他人に媚びない彼の姿は、ある意味魅力的です。
そして、山城を取り囲む、個性的な脇役たち、
作者の人間を書ききる力は圧巻です。
でも、ラストシーン、あれでいいのでしょか・・・
紙の本
山城悟の魅力
2017/01/25 09:29
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投稿者:RASCAL - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作「チーム」の続編、というよりも、傲慢スーパーランナー山城悟シリーズ、ですね。でも主人公は甲本剛の方かな。面白いことは面白かったけど、「チーム」ほどには感動しませんでした。山城に世界記録を作らせようと完璧とも思われるお膳立てをする主催者。それをぶち壊す甲本と山城が痛快。でも、山城さん、ちょっとひねくれすぎですよね。東海道マラソンのコース、その後開催されるようになった横浜マラソンと一部かぶってます。出たことないけど。
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投稿者:isajiro - この投稿者のレビュー一覧を見る
記録を作り上げるということに、その走行環境を作ることに多くの人物が加わるという角度からのマラソン大会を作り上げるというストーリーだが、マラソンを選手以外からも捉える描き方は面白い。
マラソンは長い単調な競技に見えることもあるが、このストーリーの先行し、デッドヒートする2人のランナーの想いと駆け引きは、100頁以上に及ぶ緊張の連続であり、交差点のカーブを曲がるのにも、給水ボトルを取るのにも神経を集中したやりとりは読みごたえがあった。スポーツ小説という新しいジャンルでのノンフィクション的なフィクションであると思う。
ただ、リアリティー感をもう少し上げるには、第2集団以下のグループの主な選手の作戦や想い、レース展開も描いた方がより厚みのあるストーリーになったような気がする。
又、マラソンにペースメーカーが必要かどうかという問題提起もあり、本当に強い選手にペースメーカーに助けられる部分は何か、ペースだけであれば記録だけということになるが、勝負という駆け引きにおいては必要なのかどうかということで、結論は出ていないと思う。
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ここで終わるか・・・.でも悪くない.
新たに新設された”東海道マラソン”
高低差のないコース設定,最高のペースメーカの養成,沿道の風よけなど,たった一人の天才日本人選手に世界新記録を取らせるためだけに作られた大会.完璧な計画のもとにレースは開始されたに見えたが・・・
「作られたレース」に違和感を感じながら読んでいた.
だけど,どんなに緻密なシナリオを描いても人の心は操れないのだ.周囲の思惑と葛藤.感動は予想外のところから生まれるのだと実感.とても面白い一冊でした.
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名付けて「山城シリーズ(仮)」。
結局ゴールはどうなったのか?
このヤキモキさせるエンディングが心憎い。
第3段もあるそうで。
これよりデカい舞台設定って、ありえるのか?
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新しいマラソン大会を造っていく人、走る人、手助けする人。様々な人達が集まって開催されるこの大会に参加することが出来たら良かったのに。走ることが苦手なはずなのに、走れる気がしてくるから不思議。
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県庁のスポーツ課職員である音無はある日上司に呼び出され、
とある企画の主担当を任されることに。
その企画とは、日本国内でのマラソンで日本人に世界最高記録を
出させるという、とんでもないものだった。
しかし、県知事にまで直接指示され断れない状況になった彼は
その後、コース設定やペースメーカーの選定、そして、記録を
出せるランナーの招聘のために奔走する。
まだ現役の選手でありながら、ペースメーカーを依頼された甲本。
他人の指示を聞かずすべて自分で調整し日本のトップランナーとして
活躍を続ける天才・山城。
どちらもこのマラソンを走ることを拒否し、音無の仕事は困難を
極めるのだが、、、
果たしてふたりは走ってくれるのか。
そして、山城は世界最高記録を出せるのか。
そのあたりがこの一冊の醍醐味なんだろうけど、
前者についてはちょっとつまんないかな。
逆にマラソンが始まってからは頁を捲る手を止められなかった。
実はこの物語、『チーム』の続編でもあるんです。
前作は学連選抜で箱根に出場することになったメンバーを
扱ったものだったのでだいぶ毛色が異なるのですが。
そして、次の物語の構想もあるらしくとても楽しみです。
読む者をそうさせるような終わり方だったのでね。
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マラソン物の小説は走れメロス以来かも。なかなかないですよね。最近いろんなマラソン大会が開催され、沢山の市民ランナーが参加して賑わっている。 本作はそういったマラソン大会とはちょっと異なる世界記録を出すための大会を開催する事になった事務局担当者の奮闘記です。
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日本人ランナーにマラソンの世界最高記録を日本で開催されるマラソンで実現させようと、様々な立場の人間が織り成すドラマ。世界最高記録達成のためにマラソンコースそのものを設定して新たな大会を開催し、ペースメーカーを選定してエースに記録を狙わせる。その過剰なまでの「お膳立て」に対して記録を期待されるエースランナーが感じる葛藤。ちょっと前、競泳界では高速水着の問題がありました。スポーツが靴などをはじめ様々な道具、環境の下で実施される以上、どこまで人為的な関与が許されるのか、考えさせられる小説です。
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マラソンを舞台にした小説です。
日本のマラソン界が低迷する中、日本で世界記録が出る大会を作り、日本人を優勝させようということで、知事の肝いりで、マラソン大会開催が決まる。そのお膳立てに奔走する地方の役人と、現在のマラソンで欠かせないらしいペースメーカーとして、白羽の矢が立ったマラソン選手のプライドと葛藤、また他人のことを気にせず、我が道を行く天才マラソン選手のやり取りが前半に描かれ、後半はマラソン大会の様子を描いています。憎たらしいほどの天才と、不運続きの凡才のペースメーカーとの対比は面白く、凡才の方に感情移入しやすいんじゃないかと思います。
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名作「チーム」の続編であり、堂場瞬一氏の手による作品であるが故に、もちろん凡百に埋もれてしまうような代物ではない。
今回も前作同様、レースに入ってからの描写がまるで「キャプテン翼」か「スラムダンク」か、と思うほどに濃密で、大半の紙幅が割かれている。
対照的に、これも前作と同じように本番に至るまでの流れが若干淡泊であることは確かで、特に今作では、山城が翻意してレース出場を決めるくだりにおいて、決定的に説得力が不足しているように感じた。
実はレース途中、小説後半部分で、山城がリタイアを選択するのではなく完走を決意した描写についてもそれは言えるのだが。
ラストシーンは、正直もう少し勝負してほしかったような気がした。
いずれにせよ、読み物として面白いことは間違いない。
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チームの続編。単体で読んでも大丈夫な内容。世界記録を出させる為に造られる東海道マラソン。記録は人工的には出すことはできず、やはり相手がいてデットヒートしてこそ、記録と記憶に残るレースになる。
最後の一行がたまらない。
来年から『横浜マラソン』がスタートするのはヒートと関係があるのでしょうか?
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チームの続編とは知らずに、読みました。
それでも楽しめましたが、チームを読んだらもっと楽しかったのかなー?
今度、読んでみようと思います。
私は色々な市民大会に出てるということもあり、興味がある内容が多く、楽しめました